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みんなでプロジェクトを応援! 「支援が届かないシリアの国内避難民の子ども達に教育を届けたい!」(特定非営利活動法人Piece of Syria)

「フェリシモ 地球村の基金」が今年支援したい9つの自立を支援するプロジェクト。その中から、世界をよりしあわせにするためのプロジェクトの1つをみなさまにご紹介します。

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初めまして、特定非営利活動法人Piece of Syriaの君嶌優歌です。私たちは2016年に「シリアをまた行きたい国にする」ことを目指して団体を設立し、どこからも支援が届いていない地域に住むシリアの子ども達2000人に教育の機会を届けてきました。

安全な場所で遊ぶことは心のケアにとっても大切です

●シリアの戦争と子ども達への影響
シリアは2011年から始まった戦争で最も多くの難民が生まれた国で、「難民」「戦争」といったイメージを持つ方も多いかもしれません。ですが、戦争が始まるまで、治安は日本より良く、バスで隣に座った人が旅人にバス代を払ってくれるような「おもてなし」の国でした。就学率も99.6%、大学まで無料で、教育レベルが高い国として有名でした。

しかし、戦争が始まって数年後には、就学率は6%まで(一時期、一部の地域で)低下したこともあり、今も就学年齢の半分の子ども達が学校に行けていません。その理由は、「家族が戦争の犠牲になったり、学校が空爆のターゲットになったりしたことによるトラウマ」や「政治的な複雑さから国際機関が支援をできない地域で先生たちの給与がなく、家族を養うための別の仕事を求めて、先生が学校を去ってしまうこと」などがあります。

学校に行けない状態が3年続くと学校に戻らなくなるため、基礎教育を受けていない「失われた世代」が生まれました。本来、戦争からの復興の主体である子ども達が、武装勢力の兵士や物乞いが将来の選択肢になる可能性が高くなっていきました。

●心のケアと基礎学力のための幼稚園
一人でも多く教育の機会を届けるため、2016年からトルコに本拠地を置くシリア人NGOと協力し、国内避難民が集まって学校の数が不足しているシリア北西部にて、社会的に取り残された子ども達の教育支援を開始しました。

私たちが支援を始めるまで、無給で働いていた先生たちに継続的に給与を渡すことで「今日の家族のご飯をどうしよう」ではなく「明日もっと良い教育をするには?」と考えられるようになり、教育の質も改善することができました。

幼稚園で行なっていることは、読み書き計算や、空手や水泳などの心を育てる情操教育アクティビティ、そして戦争のトラウマと向き合うための心理社会学的ケアです。心理社会学の専門家と共に、遊びやお絵描き、運動のクラスや、教室の装飾を通じて「幼稚園に行くことが楽しい」と思ってもらえる習慣を身につけることを大切にしています。この時期に教育の土台を身につけることで、小学校から高等教育につながっていくからです。

空手はシリアでも有名! インストラクターを呼んで本格的なレッスンをしています

●希望を作る幼稚園をより多くの子どもに届けたい
Piece of Syriaはシリア北西部にて、200人規模の幼稚園を運営しています。幼稚園の名前は「SAKURA幼稚園」。現地パートナーNGOの教育プロジェクトマネージャーのウサマ氏が「幼稚園を通じて平和を作りたい」という願いを込めて名付けました。第二次世界大戦後、日本が教育を通じて平和を実現していったという歴史を伝え、武器ではなく教育で平和を実現していくような幼稚園を目指しています。

シリアは、ニュースになることは少ないですが、経済制裁、世界的な物価高騰、燃料不足の影響もあり、戦闘が激しい頃よりもシリアの日常生活は厳しい状況にあります。他の地域から避難してきて仕事がない家族も多い地域で、無料で質の高い教育を受けられる幼稚園は評判となり、数百人が待機リストにいます。

「私の子どもにも教育を」という声に応え、一人でも多くの子ども達に希望を感じられる教育を届けられるよう幼稚園の受け入れ人数を増やすための、教育環境を整えるプロジェクトを実施します。

〈主な活動内容〉

戦争により国内避難民となったシリアの子ども達が通うアレッポ県の幼稚園の受け入れ人数を200人から300人にするための学習環境を整えます。

① 学用品支援
新しく増える園児100人分の教科書・通園バッグ・筆記用具を支援します。

② 幼稚園備品の支援
100人分の机を支援し、受入園児を増やせる環境を整えます。また安心できる場所、心の拠り所となる質の向上につなげるための、レクリエーションと心理社会学的ケアのための支援用具を導入します。

③幼児教育専門家の報酬
より質の高い幼稚園運営のために、シリア人の幼児教育専門家を派遣し、園長・先生と共に定期的に会議と助言を実施します。 

教科書と文房具で楽しんで勉強できますように!

〈期待される効果〉

現在、SAKURA幼稚園は、無料で通うことができ、かつ質の高い教育を実施している地域で唯一の幼稚園です。

幼稚園ができた当初、教育の機会がなかった子ども達は家に閉じこもることに慣れていて、家に帰りたいと泣いていました。ですが、先生たちが毎日話し合いながら環境を改善することで、「もっと幼稚園に居たい」と家に帰りたくなくなるほどになりました。子ども達の世界が広がり、友だちができ、家庭でもよく笑うようになりました。今では入園希望者が殺到するほどで、面談で貧困家庭を優先して受け入れるようにしながら、定員を超える希望者を断っています。

今回のプロジェクトで、受け入れ人数を増やす環境を整えることで、新しく100人を迎えて合計300人の児童が、継続的に教育の機会を得ることができます。加えて、教育の質も向上できるような議論・助言の機会も提供できます。かつて無給だったスタッフに安定的に給与を届けることで、家族を守り、地域経済への貢献にもつながります。

私たちのミッションは「シリアをまた行きたい国にする」こと。その達成にはシリアの平和の実現が前提です。そのためにまず、幼稚園の環境をより良くすること、幼稚園で行う教育の質を上げること、そして幼稚園の運営を続けて規模を大きくしていきます。そして、この子ども達が成長し、主体となって実現した平和なシリアに遊びに行く。そんな未来を実現していきたいと思います。

■支援が届かないシリアの国内避難民の子ども達に教育を届けたい!
実施場所:シリア・アラブ共和国アレッポ県
実施期間:2023年1月~2023年12月
・プロジェクトの報告はこちら(中間実績
・Piece of Syriaさまのその他の支援活動はこちらから

「フェリシモ 地球村の基金」より、世界をよりしあわせにするための9つの自立を支援するプロジェクトの応援投票を2022年11月1日から11月14日まで行います。

期間中、応援したいプロジェクトを選んで投票することで、そのプロジェクトを応援することができます。(投票の数は、各プロジェクトへの拠出金額の参考にさせていただきます)

➡ 応援投票は終了させていただきました。
みなさまから、たくさんの応援(投票)をいただきありがとうございました。

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