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地球村の基金からの緊急支援「ハイチにおける地震被災者への緊急物資配布を通した衛生環境改善」(認定NPO法人 ピースウィンズ・ジャパン)

2021年8月14日、ハイチ大地震で被災した人たちに対して、「フェリシモ 地球村の基金」より緊急支援を実施いたします。

地震発生後、水衛生環境悪化により流行するコレラなどの感染症や、現在もなお感染が続く新型コロナウイルス感染症から被災者を守るために、衛生キットの配布と衛生知識に関する啓発活動を行います。

今回の地震で倒壊した家。不衛生な環境の中で人々は暮らしています。

はじめまして、ピースウィンズ・ジャパンの安部良能です。

ハイチはカリブ海に浮かぶイスパニョル島にあります。以前はフランスの植民地でしたが、1804年に世界初の黒人国家共和国として独立したことで、黒人奴隷解放に世界的な影響を与えました。しかし、現在は西半球で最も貧しい国と言われています。慢性的な政治の不安定さ、独裁政権、格差問題、自然災害などが背景にあります。

度重なる自然災害の被害は深刻で、なかでも2010年1月に発生したハイチ大地震では、死者31万人以上、その後に発生したコレラの流行で1万人以上の死者が出たと言われています。2016年10月には、ハリケーン・マシューが上陸して、ハイチ南西部に大きな被害をもたらしました。

この状況に追い打ちをかけるように、2021年8月14日、ハイチ南西部を震源とするマグニチュード7.2の大地震が発生しました。ハイチ南西部の広範囲で、病院、学校、教会、政府施設といった公共施設、家屋、商店、ホテルなどの建物が甚大な被害を受けました。地震被害の大きい南県では、死者約1,800名、負傷者9,000名。そして、家屋は約30,000棟が全壊、約42,000棟が半壊し、被災者は5万人を超えています。

また、地震発生2日後には、熱帯性低気圧「グレース」が通過したため、被災地では、大雨や洪水による更なる被害を引き起こしました。地震発生後1ヵ月が経過しても、支援が十分に届いていない地域にいる世帯がまだ多くとり残されていて、最低限の衛生環境を保つために必要な衛生用品も不足しています。

そのため、コレラのような水衛生環境の悪化で流行する感染症の発症が危惧されています。また、ハイチ国内では新型コロナウイルス感染症も増大傾向にあるため、被災地における感染拡大の危険性は非常に高くなっています。

特にハイチの南西部は、都市部から離れている貧困層が多い地域で、もともと多くの家庭には、電気や安全な水といった最低限必要なライフラインへのアクセスが日常的に欠けていました。今回の地震被害で、衛生状態を含むさらなる生活環境の悪化が懸念されています。

地震で家が全壊または半壊した世帯では、未だに家の外での生活を強いられ、生計活動の再開も見込まれていないため、多くの家庭では最低限の衛生環境用品すら購入することができません。このような環境下で生活せざるを得ない被災世帯において、早急な衛生環境の改善が必要とされています。

震源地近くの地域(キャンプペリ・コミューン)に暮らす住民の家は地震により倒壊。(※1)

支援予定地は、震源地に近いキャンプペリ・コミューンという地域の250世帯を予定していますが、最終選定は事業開始後に行う調査によって決定します。本プロジェクトでは被災地の人々に、衛生キットの配布と水衛生に関する知識向上のための啓発活動を行い、人々の衛生環境を改善していきます。

生活環境が清潔に保たれていない家の中の様子(写真は※1の内部)

〈支援内容〉

今回の地震は、被害規模やその範囲も大きいため、支援が十分に届いていない被災地域が多いことから、地域の衛生環境を守るために衛生キットを配布します。衛生キットは被災地での購入は難しいため、首都ポルトープランスで調達をして、トラックで南県まで配送します。

衛生キットの内容は、1世帯あたり、せっけん(5個)、洗濯せっけん(2個)、トイレットペーパー(5個)、使い捨てマスク(5枚)、女性用生理用品(1セット)、歯ブラシ(5本)、歯磨き粉(2個)、バケツ(1個)で、約2週間分の生活必需品となります。

物資配布作業スタッフは、衛生キットの作成および配布補佐として、被災地の有志を短期雇用したり、配布時には、当団体のファシリテーターの補佐をしながら、水衛生に関する知識や、ハイチ国内で増加が懸念されている新型コロナウイルス感染症や、コレラなどの予防対策のための知識向上をめざす啓発活動も行います。

啓発活動ファシリテーターが啓発員に水衛生講習をしている様子

〈期待される効果〉

まだ十分に支援が届いていない衛生環境が悪化している地域で、衛生キットを配布することは、震災後に流行する恐れのあるコレラなどの感染症や、新型コロナウイルス感染症拡大のリスクを減らし、被災世帯の衛生環境を改善し、守ることができます。

また、衛生キットの配布時には、水衛生に関する知識や、ハイチ国内で増加が懸念されている新型コロナウイルス感染症や、コレラなどの予防対策に関する啓発活動を行うことで、被災者の方々が配布した衛生キットを正しく使って、適切な衛生行動や感染症予防のための行動をとることができます。

この活動を通して、被災者の方々が衛生的な生活ができるようになることをめざします。

■ハイチにおける地震被災者への緊急物資配布を通した衛生環境改善
実施場所:ハイチ共和国・南県の地震被災地域
     (キャンプペリ・コミューンの農村地域を検討中)
実施期間:2021年10月1日~2021年12月31日
・ピースウィンズ・ジャパンさまのその他の支援活動はこちら

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