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地球村の基金活動報告ー「タジキスタンにおける職業訓練を通じた障がいへの理解促進事業」(認定NPO法人難民を助ける会)

2019年にフェリシモ 地球村の基金から支援をしているプロジェクト「タジキスタンにおける職業訓練を通じた障がいへの理解促進事業」の活動レポートを難民を助ける会さまからいただきましたのでみなさまにご報告します。

<プロジェクトの中間報告>

タジキスタン政府は、新型コロナウイルス感染拡大防止策の一環として、2020年4月から8月まで同国の全学校を休校とする対策を講じました。本事業では、障がい者の職業訓練の研修会場として学校を利用する計画であったため、学校が再開されるまでの5ヵ月間は、活動を一時休止することにしました。

8月18日から学校が再開すると、縫製技術を学ぶための研修を開催することができるようになりました。現在は12名の参加者が週3回、縫製技術を学んでいます。今後は、障がい者とその家族が技術を習得した後に、個人で縫製を請け負うなど、小規模ビジネスを開始・独立することができるよう、基本的なビジネススキルの研修も実施する予定です。

参加者の選考と縫製コースを開始

2020年3月、当会と縫製技術研修の講師が、同コースへの参加を希望する一人ひとりに面接を行いました。これまでの縫製経験や障がいの種別や重さ、10ヵ月間コースに継続して通えるかなどを確認した上で、14名を参加者として選出しました。参加者は、聴覚障がい・言語障がい・発達障がい・学習障がい・身体障がいのある15歳以上の障がい当事者またはその家族です。

コース開始時には、布のサイズを測る、裁断をする、縫い付ける、などの基本的な作業ができなかった参加者も、10月現在までに21回の講習会を受講したことで参加者の技術は上達しました。講師は参加者一人ひとりと向き合い、それぞれの理解度や障がいの状況に合わせながら、丁寧に指導をしています。

例えば、学習障がいがあり、教わったことをなかなか覚えられない参加者に対しては、メモを取るようにアドバイスをして、繰り返し確認をするようにしました。また、言語障がいのある参加者には、講師が簡単な手話を使ってコミュニケーションをとることで、参加者からの信頼を得ながら講習を実施しました。

こうした技術指導の結果、参加者はタジキスタンの伝統的衣服に加えて、現代的なドレスなども縫製することができるようになりました。

講習中にとったメモを見ながらミシンを操作する参加者(右)と
講師(中央)と当会現地職員(左)
自分で仕立てたタジキスタンの伝統的な服を着た参加者たち

今後は、縫製技術をさらに向上させながら、小規模ビジネスのための基本的な会計や、縫製に必要な材料の調達方法などをビジネススキルコースで学ぶ予定です。

<現地の様子・現地の声>

障がい当事者が講師を補佐するアドバイザーとして活躍

身体に障がいがあり、車いすを使用しているコースのアドバイザーのニギナさんは、これまで自身が習得した縫製技術を伝えることで、参加者からは「自分もアドバイザーのような人になりたい」と、意欲的な技術習得に取り組むきっかけになる、ロールモデルになっています。

アドバイザーとして活躍する障がい当事者のニギナさん(左)

―参加者の声―

【聴覚・言語障がいのあるシュクロナさん、15歳女性の母親】
このコースのおかげで、私の娘は縫製技術を身につけ、将来は経済的に自立できるようになるかもしれません。

【聴覚・言語障がいのあるニショナさん、15歳女性の母親】
縫い方を教えてくれる時に、娘がやさしく理解できるように工夫をしてくれたり、覚えるのをサポートしてくれたり、本当にありがとうございます。家ではメモを見ながら、私の古い着物を裁断したり、縫い合わせたり、一生懸命練習しています。 

【身体障がいのあるフォティマさん、17歳女性】
私は縫製ができるようになって、自分のお客さんを持てたのがとてもうれしいです。少し前までは、自分で仕立てた服でお金をもらえるようになるなんて思いもしませんでした。隣人から2度目のタジキスタンの伝統衣装の注文を受けることができました。これもこのコースのおかげです。ありがとうございます。

<支援者へのメッセージ>

タジキスタンでは、障がいのある人々は一般社会から隔絶され、社会的に孤立してしまいがちです。教育の機会を得られずに、ずっと家の中で引きこもって過ごす子どもたちもいます。

「タジキスタンの障がい者が社会に出て、経済的にも社会的にも自立することができるように支援していきたい」、そういった思いでこのプロジェクトは始まりました。少しずつですが、この職業訓練により、参加者たちが縫製技術を身につけて、洋服の修復や、仕立てができるまでに成長しました。今後もこの活動を継続して、障がいのある人々が自立した生活ができるよう、私たちは支援をしてまいります。

(認定NPO法人難民を助ける会 櫻井さまより)

■タジキスタンにおける職業訓練を通じた障がいへの理解促進事業
実施場所:タジキスタン・ヒッサール市
実施期間:2020年2月~2020年10月(9ヵ月間)
・プロジェクトの詳細はこちら
・プロジェクト報告はこちら(中間実績
・難民を助ける会さまのその他の支援活動はこちらから

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