以下の基金から2018年度に拠出した認定NPO法人 ACE(エース)さまの活動レポートをご紹介します。
ガーナ、アハフォ州のカカオ生産地の村にて、持続可能な農園経営を通じた児童労働をなくすためのプロジェクトを実施しました。
児童労働をやめた子どもとその家族(前列)と子ども保護委員会のメンバー(後列)
2018年2月から、アハフォ州アスナフォサウス郡の2つの村で、新たに児童労働をなくすプロジェクトを開始しました。住民ボランティア組織「子ども保護委員会(CCPC)」を組織して、村での見回りと子どもを働かせている家庭への訪問と話し合いを行っています。その結果、これまでに76人の子どもが危険な児童労働をやめて、学校に行くようになりました。
住民への児童労働の危険性や子どもの権利などについての啓発や、カカオ農家が安定して収入を得られるようにするための農業トレーニングを行ったり、再び児童労働が起こらないための支援を継続して行っています。
農業トレーニングの様子
また各学校では子どもが自分たちの権利について学び合う「子ども権利クラブ」や、おとなたちが学校の環境をよくするために話し合う「学校運営員会」を組織して、子どもと大人の双方が自分たちの手で学校をよくするための話し合いの場をもうけました。
活動地の村の小学校の一つでは、これまで3つの教室しかありませんでした。そのため、2つの学年が1つの教室を共有していましたが、子ども権利クラブからの要望で、学校運営員会と話し合った結果、住民と協力して2つの教室を増築することになりました。
子ども権利クラブによるミーティングの様子
小学校の校舎に増築された教室(写真左側)
住民が土のブロックと壁に使う竹を提供する一方で、学校運営委員会は郡知事に協力を要請して、スチール製の屋根を郡政府から提供してもらいました。このように住民自身の手で学校環境をよくする動きが定着してきています。
学校運営委員会、PTAのミーティングの様子
<支援者のみなさまへ>
みなさまの温かいご支援のおかげで、これまでガーナでは520人以上の子どもを児童労働から救い、約4,500人の子どもの教育を支援してきました。
日本人が消費するカカオの約8割は、ガーナから輸入されています。そのガーナでは約90万人の子どもがカカオ生産地において危険な労働を強いられているといわれています。児童労働は子どもたちの未来を奪ってしまうと同時に、産業そのものの持続性を危機にさらすことでもあります。
私たちが大好きなチョコレートを守るためにも、カカオ生産地の児童労働をなくす必要があるのです。みなさまのご理解とご協力に心から感謝しますとともに、これからも私たちの活動へのご支援とご協力をどうぞよろしくお願いします。
(認定NPO法人 ACE 近藤さまより)
前回の報告はこちら
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