どんな植物も枯らせてしまう私が、多肉植物の沼にはハマった話

「ブラウンハンド」だって、植物を愛でたい

どんな植物も上手に育てる「グリーンハンド」と呼ばれる人がいる一方、どんな植物もなぜか枯らせてしまう「ブラウンハンド」と呼ばれる人が世の中には存在します。そう、私（M.みどり）はまごうことなきブラウンハンド。

小学生のときには頑健に育つはずのヒマワリをひん死にし、社会人になってひとり暮らしを始めると同時に買った観葉植物もあっという間に枯れ、結婚祝いにもらった「かなり枯れにくい」部類の観葉植物まで枯らしたときは、結婚生活に暗雲が立ち込めたような気持ちでした。自分のせいなのに。

ほかにも植物枯らせたエピソードに事欠かない私は、植物界における「家に連れていかれたくない人ベストテン」に入るに違いない……。私のような人間が今後植物を育ててはいけない……。

そう心に決めてから約8年後、再び自ら植物を手にすることになるとは思ってもいませんでした。

多肉植物との出会い

「家を片づけがてら、どうせなら運がよくなるように」と一石二鳥を狙って読み始めた風水の本によると、家に植物を飾ると運気が上がるらしい。植物置きたい。でも私の欲望のためにこれ以上かわいそうな植物を増やしていいのか。

そんなときに、隣の席から響いた神のひと声。

「多肉植物なら枯れにくいで。」

自制心と「植物欲しい欲」が拮抗した結果、翌週には私は神から多肉植物の寄せ植えを手渡されていました。「くれぐれもかまいすぎないように」との助言とともに。

多肉植物との生活

おっかなびっくり始まった多肉植物との生活でしたが、意外にも枯れない。かまいたい気持ちをおさえきれず、毎日なめまわすように見つめ、無駄に霧吹きで水を遣ったりしたこともあったけど、心配したような悲劇も起きることなく気がつけば半年。寄せ植えは枯れないどころか新しい葉が出てどんどん大きくなっていくじゃありませんか。落ちた葉を土の上に放置していたら芽が出るという「葉挿し」の噂を聞いて試したところ、見事に根と葉が出てきたり。多肉の極意はツンデレにあると悟ったり。常に気にかけていても、そのすべてを行動に移して愛を注いではいけない。一番効果的なタイミングでアプローチをするのだと。

思いがけずにブラウンハンドを卒業した私は多肉植物への愛が急上昇。「もっと愛でたい、増やしたい」という気持ちがふくれ上がり、一気に「多肉ハンター」へとジョブチェンジ。

近所の園芸店、ホームセンターで手に入る一般的な品種（普及種）を皮切りに、希少種を手に入れるべく造園業が盛んな宝塚の個人のハウスや、関西の多肉の聖地と呼ばれる園芸店に遠征したりと、多肉の沼に沈むまで2カ月もかかりませんでした。

１鉢の寄せ植えから始まった多肉植物は、今やおよそ80鉢。
私の一日は多肉パトロール（葉の状態のチェックや水やり）に始まり、多肉パトロールに終わる。週末はベランダで土いじり。
ベタに子育てと仕事と家事に追われて心身ともに余裕がない生活でしたが、グリーンにふれる時間ができたことで、日々の疲れが吹き飛んだ（気がした）り、週末の多肉仕事を楽しみに一週間を過ごせるようになったり、多肉植物と出会って気の持ちように少し変化が出ました。

多肉植物コレクション、略して「タニコレ」の一部。手前がお花のようなエケベリア類、奥はどんどん増えるセダムやクラッスラ類を中心に並べています。

寄せ植えも、なんとなくいい感じにできるようになりました。

ちなみに……。
自分の家の子（多肉植物）たちはみなかわいいのですが、今とくに愛おしく感じるのは育てるのに神経を使うこの子たち。

月光（バルバータ）

透明感のあるみずみずしい葉に一目ぼれして衝動買いしたファーストセレブ多肉。葉に細かい毛が付いていてかわいいです。別名の「バルバータ」というのは「毛が生えた」という意味があるそう。

小人の祭り錦

小人の祭りという品種の斑（ふ）入り種で、緑・赤に白が入った葉がたまらない小さいサイズの多肉です。品種の後ろに「錦」が付くものは、斑入りだということを表しています。

手がかかる子ほどかわいいというか……。多肉植物は中南米原産のものが多いのですが、まったく違った気候環境である日本で頑張って文字通り根を張っていると思うと、胸にこみ上げるものがあります。

3ヵ月でこんなに伸びたり。

1年でこんなにモリモリになったり、とにかく愛おしい！

多肉愛ゆえの悩みから生まれた、新しい楽しみ方「フェイク多肉」

愛が深まりに比例して増える、多肉に関する悩み。
栽培は比較的簡単だといわれるものの、湿気や極端な暑さ、寒さに弱かったり、水やりの量や日光量によって茎が伸びて、かわいい姿をキープできなかったり、枯れてしまったり。これはけっこうつらい。

そんなときにSNSで出会ったのが、樹脂粘土で作る「フェイク多肉」でした。
自分が大好きな多肉の一番かわいいときの姿を自分が好きなように作ることができ、しかも粘土ゆえに枯らせてしまう心配もなし。手に入りにくい高額な多肉も思い切って自分で作ってみたい……。

多肉好きプランナーの多肉への愛が深すぎたがゆえに生まれた「ぷっくり葉っぱがかわいい樹脂粘土で作る フェイク多肉植物プログラム［6回予約プログラム］」では、多肉植物を「栽培する」のではなく、自分で「作る」という新しい楽しみ方をご提案します！基本的な樹脂粘土の扱い方に始まり、人気の品種、手に入りにくい希少種、そしてあこがれの寄せ植えまで作ることができるようになるプログラムです。

作るだけではなく、フェイク多肉ならではの飾って楽しむ方法や、多肉植物についてのコラムなど、フェイク多肉を入り口にして寄り豊かな多肉ライフを送れるヒントも盛りだくさんです。

多肉好きの方はもちろん、育てるのは苦手だけど植物は好きな方、新しいハンドメイドを探している方、ぜひチャレンジしてみてくださいね～～！