


やさしいアイボリーカラーが顔色を明るく見せてくれるボアコート。気になる腰まわりの体形をカバーする丈感や、袖部分がキルティング加工されたデザイン性も魅力ですが、実はもうひとつMimiさんが気に入った理由があります。それは……

実はこのコート、リバーシブルなんです! 裏返すと、シボ感のあるナイロン生地のコートに早変わり。こちらは袖以外に、ポケット、背中側の肩まわりにも波状のキルティングがほどこされています。

「リバーシブルといっても、どちらもアイボリーだから、印象がガラリと変わるわけではありません。でも、それでいいんです。この歳になると、ほかの人からどう見えるかではなくて、『今日はどちら側で着ようかな』『この服にはボアのほうが合うかも』と、自分の楽しみが増えることのほうが大事。“自分だけが密かにわかっている”ことがあるのって、なんだかウキウキするんですよね」

コートの中に着たのは、ガマの穂をイメージした柄のニットと、コール天のスカート。
「焦げ茶のような地味色は、“おばあちゃん感”が出がちな要注意カラー。でもこれは模様に白が入っているし、アウターとスカートも白で統一すれば、全体に軽やかさが出るので安心して取り入れられます。しかもこのセーター、たっぷりサイズなのに軽いうえ、ふっくらやわらかいのでやさしく包まれている感じがして、ほっこりするんです」
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Mimiさんが「指一本で引っかけて持てるくらい軽い!」と喜んだのが、こちらのキルティングコート。ミドル丈だから気軽にさっとはおれるし、長時間着ても肩がこらないので、一日出かけるときは特に重宝する一枚です。

(左)前のボタンをすべて留めるとラフ感がおさえられ、落ち着いた雰囲気に。衿、袖口、ポケットのコーデュロイが、シックなアクセント
(右)冷たい風が入ってくるのを防ぎたいときは、スナップボタンを留め、袖口をキュッとすぼめて

(左)ポケットは二重になっていて、フラップを開けたところと、その後ろ側にもうひとつポケットが
(右)キルティングのステッチが曲線なので、やわらかな雰囲気。きれいめコーデにもしっくりなじんでくれます

そんなお気に入りコートにMimiさんが合わせたのは、テラコッタ色のタートルニットと、前後が異素材切り替えになっているジャンパースカート。
「ストンとしたジャンパースカートは、衿や袖まわりが詰まったデザインだと脱ぎ着が大変なのですが、これは開きが広いので着脱がスムーズ! 私たち世代にはありがたいですね。この深いVネックにタートルを合わせると、縦長効果でさらにシュッとして見えるので、立体感のあるキルティングコートとのバランスもいいと思います」
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次にMimiさんが選んだのは、冬が来るのが楽しみになるような、おしゃれ感のある真っ白なコート。おめかしした日に着ていきたい、大人のミドル丈アウターです。
「たっぷりサイズなので極軽ではないけれど、もしこれがロング丈だったら、たぶんお手上げでした(笑)。短めの丈だからこそ楽しめる着こなしですね」

前ボタンを開けると、少しカジュアルな印象に。ポンチョのようなシルエットは、横から見ても後ろから見ても素敵!
「最近はゆったりサイズやボリューム袖のニットを着ることも多いから、こういう袖まわりにゆとりのあるコートは助かります」

中に着たワンピースの模様がクリスマスローズというところにもキュン。花柄でありつつストライプ柄でもあるので、背が高く見える効果も。さらにカーディガンがショート丈なのでスタイルアップ効果もあって、気分がグンと上がる冬コーデです。
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こちらは、黒いワンピースに黒いコートを合わせたオールブラックコーデ。アームウォーマーの赤と、ソックスのモスグリーン、このふたつの差し色が主役の着こなしです。……と思ったら、実はもうひとつ、差し色が隠されていました!

そう、コートの内側がタータンチェックになっているんです! しかも赤とモスグリーンが入ったチェック柄! Mimiさん、芸が細かい!
「外出先でコートを脱いで手に持つ瞬間も、おしゃれに見えるコーディネートです。こういう隠れたところのこだわりに、不思議と惹かれるんですよね~(笑)。今回、アームウォーマーとソックスの色はチェックの色の中から拾いましたが、黄色やオレンジなどを選んでも素敵だと思いますよ」

比翼仕立てで、衿を留めるチンベルトも付いているので、前ボタンを留めるとぐっと上品に。
「ミドル丈でも、黒ならきちんと感が出るので、かしこまった席にも着ていけそうです」

中に着たワンピースは、Mimiさんいわく「ベストオブ体形カバー服!」。切り替え位置が高いので脚長効果があるし、長めの袖口リブとふんわり袖が、腕を細く見せてくれて、さらには二重リブのタートルネックが“60代が隠したい場所ナンバーワン”の首をすっぽりカバーしてくれるという、ワザありの一着なのです。
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【Mimiさんのおしゃれ教室】振り返りインタビュー
――ミドル丈のコートを選ぶようになったのはどうしてですか?
「ふだん車生活なので、運転しやすいショート丈やミドル丈のアウターを選ぶことがもともと多かったのですが、シチュエーションによってはロング丈も着ていました。それが最近、ロング丈は卒業しようかな、という気持ちに変わってきたんです。というのも、先日、何もないところでドベーッと派手に転んでしまって……。足もとがおぼつかなくなってきていることを実感(苦笑)。ケガも痛かったですが、なにより気持ちがズドーンと落ちて、それをけっこう引きずってしまったのがつらかったですね。この歳になると、体調も心も回復力が弱くなっているんだなあと。そんなこともあって、私なりの対策として、歩くときの足さばきのよさを優先し、短めのアウターを選ぶようになりました」
――それは大変でしたね……。でも今回選んだコートなら軽やかに着こなせそうです。
「そうですね。ミドル丈なら気になるおなかやおしりを隠してくれるし、足もとがすっきりするのでボリュームのあるシルエットでもバランスがとりやすいです。私が若いころは、コートを買うとき、中に重ね着するぶんワンサイズ大きいものを選ぶのがセオリーだったんです。だから、どこか “コートに着られている感”が出てしまって。でも最近はドロップショルダーやドルマンスリーブのデザインなど、ゆったり着られるのに、全体のシルエットがきちんと計算された“ラクでかっこいいコート”が多いので、ありがたいなあと思っています」

プロフィール
Mimi
65歳、身長167cm。高知県の郊外のマンションに猫と暮らす。60代でYouTubeチャンネル「Mimi’s life」を開設し、日々の衣食住のアイデアを発信中。着こなしに関する著書も多数あり、近著は『60代のおしゃれの見直し 今を楽しむ服を着て。』(主婦と生活社)など。
※クレジットの掲載がないアイテムはMimiさんの私物です
※Mimiさんが着用しているのは、記載のないものはMTサイズです
plan:暮らしとおしゃれの編集室
photo:清永 洋












 
      






