ゆら早生は、とんと農園のある和歌山県田辺では11月上旬に熟す極早生種のみかんで、この時期の温州みかんの中ではとても甘みが強く高糖度系と呼ばれる品種のひとつです。
実はこぶりで皮は薄め、強い甘みとさわやかな酸味のバランスが絶妙なみかんです。
みかんは、甘いだけよりも、バランスよく酸味があってこそおいしく感じる果物ではないでしょうか。このゆら早生で、その甘みと酸味のおいしいバランスを体験してください。
【菊みかんについて】
ゆら早生には、皮の表面がでこぼこしたものが混じることがあるのですが、これは「菊みかん」と呼ばれています。特徴は外皮が薄くなりお尻のあたりがデコボコしています。菊みかんは見た目が良くないため避けられることも多いのですが、味が凝縮されていてとってもおいしいのです。
通常のみかんが菊みかんになるのは、夏場に雨が少なく根から吸い上げる水分が少なくなった時で、実に送る水分も少なくなって凝縮した味の菊みかんができやすくなります。
ゆら早生は、もともと水分を吸い上げる力が弱い繊細な品種のため、菊みかんになりやすいのです。
生産地では、さりげなくみかんのお尻をみて、菊みかんを選んで購入する方も多いとか。地元で消費されることと、見た目が悪く出荷されにくいことから一般にはなかなかお目にかかれないかもしれません。
届いたみかんの中に菊みかんが入っていたら、見た目だけで嫌がらず、ぜひこの話を思い出して味わってくださいね。
【2025年のゆら早生について】
夏と秋の気温が高止まりすると果実の中の実は熟すのですが、外の皮の色づきが遅れ、黄色くなりきれないことがあります。
昨年もそうでしたが、今年も気温が高く雨の降らない日が日続いていて果実の色づきと中身、ともに熟す時期が読みづらい状況です。
収穫のタイミングをみかんの味を基準にするため、皮が完全に色づいていないものが届く場合もありますが実はおいしいのでご安心ください。見た目と中身のできが必ずしも一緒というわけではないことをご理解いただけるとうれしいです。
とんと農園 田中信太郎