ふみこよみのアイテム一覧|フェリシモの雑貨 Kraso[クラソ]

ふみこよみ

日々の暮らしを味わう随筆家
山本ふみこさんが綴るエッセイとともに、
季節の移ろいを愉しむアイテムをご紹介します。

VOL1【サマーカーディガン】

子どものころ、家では年中行事が、守られていました。

父にも、母にもそうするだけの実力と、思いがあったのです。

独立したとき、これまでのようにはゆかないな、と思いました。わたしには年中行事を守り抜く実力もなかったし、余裕もありませんでしたから。

けれど、できるだけのことはしようと思って、注意したことがあります。

空に浮かぶ雲のかたち。風向き。植物と虫たちの様子。それから、何ともいえない気配……。

そんな事ごとに気をつけているだけで、季節のうつろいが見えてくるようでした。

注意深さも、観察力も持ち得なかったわたしですが、年中行事を大切にした両親のおかげでしょうね。

寒い寒い冬の日に春のさきがけを、春風のなかに夏のはじまりを感じるようになっていました。

もうすぐ夏がやってきます。「初夏」という瑞々しい季節は、そう長くはつづかないけれど、まずは気がついたことを、帖面に書きつけておこうと思います。ラジオで聞いた、暑さ対策のはなし。旅先でふとみつけて求めたサマーカーディガンのこと(値段も記しておきます)。

VOL2【淹れる】

机の上で、ああでもないこうでもない、とこんがらかるとき、わたしはお茶を淹れます。

お茶との会話が、なんとなくはじまります。
「本棚の前に行ってみたら? 」

お茶が云います。
「え? ああ、そうね。そうしてみます」

ふと、寂しい? むなしい? 

なんともいいようのない感情にとらわれるようなときも、お茶を淹れます。

また、会話です。
「ね、一緒に散歩しよう。水筒にアタシを入れてちょうだい」
「うん、バッグとってくるね」

お茶を飲むときには……、不思議です。
こんがらかりはほどけています。わけのわからない負の感情も、去っています。

カフェや喫茶店で飲むお茶も、出先で求めるお茶もわるくないですが、自ら淹れたお茶は格別。淹れるとき、わたしの「いま」を受けとめていてくれていますからね。

VOL3【夜のみなさん、おやすみなさい】

窓をあけ、一歩外へ出て、夏の夜空を見上げます。

東の高いところに、こと座のベガが輝いています。ベガから右方に下がったところにわし座のアルタイル、ベガとアルタイルの左方に白鳥座のデネブがあり、3つの星を結ぶ三角形が「夏の大三角」です。

「ベガは七夕の織姫、アルタイルは彦星なんだよ。織姫と彦星のあいだには、天の川が流れてる。夏は天の川がはっきり見えるんだ」

と、その昔、おしえてくれた友だちがいます。

それ以来わたしは、夜空を見上げてから寝床に入ることにしたのですよ。

夜空はいつも神秘的でうつくしく、ことに夏の夜空にはものがたりがいっぱいです。「熱帯夜」と呼んで寝苦しさを自分に云い聞かせるような真似をする前に、夜空を見上げて、そっとささやきます……。「おやすみなさい。皆さんのもと、わたしはぐっすり眠ります」

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