日本の魅力的な物づくりの背景と共にアイテムを展開するブランド「&Stories」。
先日、「a treat for myself -ご褒美時間-」をテーマにした新シリーズを発売しました。今回は、プロジェクトリーダー・山猫が、その中から存在感がありながら、軽い着け心地の「オーバル刺繍ペンダント」の秘密をご紹介します。
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刺繍糸から生まれたアクセサリー

実はこのペンダント、すべて刺繍糸でできているのです! 糸なのに貴金属のような輝きを持つ、これまでにない魅力的なアイテム。このペンダントを手掛けているのは、創業149年の刺繍メーカー「笠盛(かさもり)」さんです。
伝統と革新の刺繍メーカー「笠盛」

歴史ある老舗の刺繍メーカー「笠盛」は、群馬県桐生市にあります。桐生市は、古くから絹織物の産地として知られ、「西の西陣、東の桐生」と謳われたほどの刺繍と織物の聖地。渡良瀬川と桐生川の2つの川に囲まれ、水路が発達したことで、機屋や染物屋などの織物業が栄えてきました。「桐生織(きりゅうおり)」をはじめとした多くの製品を生み出し、織物とともに発展したまちです。



そんな桐生市にある「笠盛」の創業は1877年(明治10年)。着物・和装帯の織物業から始まり刺繍業に転身、その高い技術で製作した刺繍パーツは、海外のハイブランドにも使用されています。刺繍メーカーとして培った技術や経験を生かして、2010年に立ち上げたのがオリジナルブランド〈トリプル・オゥ〉。糸を貴金属や宝石のように変身させ、独自のアクセサリーを展開しているブランドです。



ゼロが3つ並んだ〈トリプル・オゥ〉というブランド名は、「ゼロにリセットする」という意味から。これまでの刺繍の既成概念にとらわれない「新しいものづくりをする」という、マニフェストのような想いを込めて名付けられ、3つのゼロは、「技術」・「素材」・「発想(デザイン)」という、最高の商品に絶対に必要な3つの要素をあらわしています。
〈トリプル・オゥ〉のアクセサリーの特徴は、球体に近い珠を刺繍糸で生み出すこと。平面に刺すことが基本の刺繍を、立体である球体に仕上げることはとても難しく、試行錯誤を重ねてようやく完成にいたりました。材料もできる限り桐生のコミュニティーから派生する日本製の素材にこだわっています。
立体刺繍を生み出す専用機械と職人技



「笠盛」の工場には、ずらりと刺繍専用機が並び、何台もの刺繍機が、プログラミングされたデザイ ンを同時に刺繍しています。

「なぜ刺繍糸で立体が作れるか」という秘密はここ。「水溶性の不織布」という特殊な布に刺繍を施して、刺繍が完成した後は、お湯で不織布を溶かすと糸が立体として残ります。これが、糸で立体アクセサリーを生み出す笠盛さん独自の技術です。



専用の刺繍機を操るスタッフのみなさんは、パソコンのモニターを見ながら細かいデザインサンプルを作る方、下糸の調整をする方など、さまざま。糸の素材や太さにあわせてミシンの調整が必要なうえに、刺繍の土台は薄い不織布なので、とにかく水分に弱く、天候や湿度の影響も受けやすいため、スタッフのみなさんは付きっ切りで確認しながら作業され、生産ラインのすぐそばには、デザインチームが待機し、修正の指示や生産上の課題を見つけています。
不織布が溶けると、美しい立体が出現

刺繍が完成したら、水溶性の不織布を溶かす工程へ進みます。実はこの「洗い」の工程は、溶けた不織布の糊っぽさが残らないように、すべてスタッフの方が、素手で確認しながらていねいに手作業でおこなわれています。


お湯でじっくりていねいに不織布を溶かした後は、アクセサリーの水を切り、よく乾燥させていきます。ここで登場するのは「バキューム」と呼ばれるテーブル。本来は布をアイロンがけする際に、シワなくピタッとさせるためのものですが、そこに置くと早く乾くことがわかり、今ではアクセサリーの乾燥に使用されています。



最後は検品。ここでもひとつひとつ丹念に、専門のスタッフのみなさんが確認して、気になるものはすべていったんチェックし、きれいに仕上げ直せるように心がけています。
ほとんどの作業を自社ですることで、品質を高いまま維持できているのもこだわりのひとつ。機械による精度の高い仕事と、手作業による細やかな仕事。その両方が合わさって、〈トリプル・オゥ〉のアクセサリーが生まれています。
ブランドを支えるデザイナー・片倉洋一さんの想い

笠盛のブランドをすべて統括しているのは、ディレクター兼プロダクトデザイナーの片倉 洋一さん。大学卒業後に渡英してテキスタイルデザインを学び、その後5年にわたってロンドンに滞在。日本に帰国後はフリーランスのテキスタイルデザイナーとして、オーダー作りをメインとしたクチュールワークを中心にプリントや刺繍などのデザインを手がけ、ロンドンのエージェントを通して販売していた経歴をお持ちの方です。
刺繍メーカーとして培った技術や歴史は大切にしながらも、作る人・使う人・関わる人が優しさを感じられるような事業を、常に一番に考えておられ、刺繍だけにとどまらず、新しい市場を開拓しながら、繊維業界全体が発展につながるように活動されています。
存在感と軽やかさを両立! 華麗なオーバルトップのペンダント

毎回人気の糸の宝石シリーズ。今回は、大胆なオーバルモチーフが目を引くペンダントを作っていただきました。


連なる刺繍珠の一つひとつは、見惚れるほど繊細な仕上がり。大ぶりなサイズからは想像できないほど軽く、着けていることを忘れてしまうストレスフリーな着け心地も魅力です。トップの存在感と華奢な糸のチェーンが織りなすコントラストで、しっかり主張しながらも上品にまとまります。


インパクトのあるアクセサリーを楽しみたいけれど、重さが気になるという方にもおすすめ。糸ならではの軽やかさで、気負わずに取り入れられます。カラーはゴールド色、シルバー色、ブラックの3色展開。ゴールド色とシルバー色は、ラメ糸の輝きがポイントです。マットなブラックは、より洗練された印象に。どの色も、ネックレス紐はシルバーのラメ糸入りで繊細なきらめきを放ちます。金属よりもやわらかな印象だから、普段あまりアクセサリーをつけない方にも。新しいおしゃれの楽しみが広がります。
糸の宝石のオーバル刺繍ペンダント〈ゴールド色〉
¥6,600(税込み)
糸の宝石のオーバル刺繍ペンダント〈シルバー色〉
¥6,600(税込み)
糸の宝石のオーバル刺繍ペンダント〈ブラック〉
¥6,600(税込み)
いかがでしたか? 刺繍でつくられているのに繊細な輝きを放つ「オーバル刺繍ペンダント」の秘密。その魅力や職人さんのこだわりが、みなさんに少しでも伝わっているとうれしいです。ほかにも「&Stories」では、魅力あるアイテムをたくさんご紹介していますので、ぜひのぞいてみてくださいね。
『&Stories』とは

日本のモノづくりを通してたくさんの素敵な物語を伝えるために続けてきた「日本職人プロジェクト」。2004年のスタート以来、様々な魅力的な方の想いと共に「物」語るアイテムを誕生させてきました。






