[2025/10.12]

ぼくの、シンプルレシピ

#41. コロッケ

はじめて自分で作ったコロッケを食べたとき、
今までの人生でいちばんしあわせだと思った。

コロッケが食べたかったら、
スーパーの総菜コーナーで買えばいいのさ。

ずっとそういう考えで生きてきたから、
わざわざコロッケを自分で作ろうとはしなかった。

じゃがいもをつぶして、丸めて、
衣をつけて、揚げる――

ざっと工程を挙げてみただけでも、
その手間の多さにひるんでしまう。

だからコロッケはスーパーで買ってくるのが
正解だと思っていた。

ところがあるとき、時間に余裕があったから
イベント感覚でコロッケを作ることにした。

途中で「もうポテトサラダにしちゃおうかな……」と挫折しそうになったけど、
その先に、冒頭に書いたひとときが待っていた。

大変さを乗り越えたときに、手にするご褒美。
そのしあわせを味わったぼくは、
ほんの少しだけ強く生きていける気がした。

HOW TO COOK

野菜を切ります

使う野菜はじゃがいもとたまねぎ。じゃがいもはメークインと男爵を両方ミックスしてみました。彩りがよくなりそうなので、家にたくさんあったにんじんも使用。じゃがいもは皮をラフに剥いて、ひと口大くらいのサイズにカット。たまねぎとにんじんはみじん切りにします

加熱して味を付けます

野菜を耐熱ボウルに入れ、ラップをふんわりかけて電子レンジで加熱します(600Wで5分ほど)。熱いうちにコンソメ、砂糖、塩を加えて、フォークなどでつぶしながら混ぜていきます

ひき肉を炒めます

フライパンにサラダ油を少量ひいて、合いびき肉を色が変わるまで炒めます。このときに塩こしょうを少し振って軽く下味をつけておきます

たねを作ります

ボウルにじゃがいもたちと炒めたひき肉を入れて、全体をよく混ざ合わせます(この時点で「このまま食べれるよな~」とささやく声が聞こえてくるので、負けないように注意!)
手でこねこねして小判形に成形します。小さめのふたつは、お弁当に入れる用。お皿にラップを敷いて、そのうえに並べると洗い物がちょっと少なくなってうれしい

衣を付けます

肉や魚など問わず、フライをするときは小麦粉、卵、パン粉のセットを使います。卵は溶いてボウルに、パン粉も深めのお皿などに移しておきます
成形したたねに薄く小麦粉をまとわせ、卵液の中へ。全体に卵液を絡ませて、パン粉を両面・側面に付けられるだけ付けます

油で揚げます

フライパンに、コロッケの厚みの1/3ほどの深さになるように油を入れて片面ずつひっくり返しながら揚げます。きつね色にこんがり揚がったらOK

千切りきゃべつを添えて完成!

コロッケの添え物は千切りキャベツがよくお似合い。ひと口コロッケを食べたら、ひと口千切りキャベツを食べましょう

【材料】
◎じゃがいも 中3個
◎にんじん 中1/2本
◎たまねぎ 中1/4個
◎合いびき肉 80gくらい
◎きゃべつ 2~3枚(半玉サイズ)

【調味料】
・コンソメ 小さじ2
・砂糖 小さじ2
・塩 小さじ1/3
・塩こしょう 少々
・サラダ油 少々

STAFF
photo / text : けんち(このごろ編集部)
illustration:lilyco