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2012年度基金活動報告 ー 飢餓に苦しむ人々への栄養改善事業支援(特定非営利活動法人 ハンガー・フリー・ワールド)

2012年度に次の基金より拠出した特定非営利活動法人 ハンガー・フリー・ワールドさまの活動レポートをご紹介します。

 

世界には十分な食べ物があるのに8人に1人が慢性的な栄養不足=飢餓という現実があります。西アフリカに位置するブルキナファソは5人に1人の子どもが5歳までに命を落としています。私たちは2005年10月から国営の保健センターと協力してクブリ群にて乳幼児と妊産婦対象のCREN(栄養改善事業)が9年目入りました。

初期診察で保健センターと同じ敷地内にある産院で生まれた子どもを対象に身長・体重測定を行い栄養不良児かどうかの判別を行います。栄養不良だと診断された子どもは定期的にCRENに通ってきてもらうよう母親に促します。週に3回の定期診断で子どもたちの健康診断を行い、体重と身長、体重と年齢比で割り出す栄養状態の割合をカルテに書き込み栄養状態の推移を見ています。教育の機会に恵まれなかった母親は栄養に関する知識が非常に乏しいため、センターのスタッフは毎回定期診断の際に地元で手に入る食材で栄養のあるおかゆの調理方法を母親に指導、母乳や離乳食の与え方や衛生管理などについて母親の理解を深める啓発を行っています。

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定期診断の際にセンターの調理場で作られた栄養改善のためのミレット(あわ・ひえなどの雑穀の一種)のおかゆ、とうもろこしのおかゆなどを子どもと母親に提供しています。また、センターに通ってこなくなってしまった子どもの家を訪ねて様子をフォローアップする家庭訪問も行っています。センターには入院棟があり重度の栄養不良児の集中治療にあたっています。センターにある設備では治療できない子どもは首都の大病院へ搬送されることもあります。

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これまで930名が栄養不良から回復し標準体重に戻りました。(2013年12月31日現在)うち再び栄養不良に陥ってセンターに戻ってきた子どもは昨年同様0名と、この地域の多くの子どもたちの栄養状態が継続的に改善されています。特にその成果に貢献してきたのが2007年から行ってきた月1回の出張健診です。バイクで看護師が対象の11ヵ村へ出向き、クブリ群の保健指導員の呼びかけに応じて集まった子どもたちの健診をする取り組みです。

開始当初は集まった子どもの3割が栄養不良だと診断されていました。4年が過ぎた2011年後半あたりから出張健診に集まった子ども全員が健康と確認されるようになり、栄養不良の子どもが全くいない出張健診が徐々に増えてきました。2013年1~3月に行った出張健診でも健診した66名中栄養不良の子どもは0名。大きな目的を果たしたこの出張健診は2013年3月をもっていったん終了しました。今後はセンターにやってくる子どもへの栄養改善治療を継続しながら地域の子どもの栄養状態を再調査します。みなさまのあたたかいご支援、心よりお礼申しあげます。誠にありがとうございました。

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