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2016年度基金活動報告 ーそなえる つながる の~んびり親子の居場所(NPO法人みるくらぶ)

2016年度に熊本地震への支援として、みなさまからお預かりしている基金から、NPO法人みるくらぶさまの「そなえる つながる の~んびり親子の居場所」に拠出しました。
その活動レポートが届きましたのでみなさまにご紹介します。

実施場所:熊本市内・上益城郡内(御船・甲佐・嘉島)・益城町・阿蘇市内及び西原村
実施期間:2016年12月~2017年9月末

 

<プロジェクトの実績報告> 

地震による子どもたちの心のケアを行うことを目的に、当プロジェクトを開催してきました。発災直後より始めた支援の中で特に、母親たちから寄せられた「子どもたちの心身状態の異変について」の話から日常と異なった事態にいつの間にか子どもたちのストレスが高くなっていることを切実に感じるようになったことがこのプロジェクト活動の契機となっています。
みなさまからのご支援をいただき、2016年12月から2017年9月までに11地区にて当プロジェクトを開催するに至りました。

2016mirukurabu_F_1.jpg2016年12月10日 城南町舞原仮設

 

毎回、事業に集まってくる子どもたちの笑顔は何より復興へ向けた兆しを感じさせてくれるシンボルのように感じられ、親ばかりでなくそこに参集した大人たちにとっても幸せを実感させてくれるいい機会となっていたようです。

実態把握のために事業開催の都度の行っているアンケートにも「子どもと久々に笑えてよかった」、「知らない人と話ができて、なんだかほっとした・・・」といった感想をいただいています。もちろん、子どもたちからも同様に「ありがとう」、「たのしかった」の言葉はどの地域に行っても聞かれました。

このプロジェクトは、支援の必要な方々と出会ういい機会にもなり、適切な支援を行い支援の必要な方々に行き届けるためのとても有効な機会となりました。

 

2016mirukurabu_F_2.jpg2017年9月2日 つながるエリアにて

 

2016mirukurabu_F_3.jpg2017年9月30日 御船町 みふねこども体験まつり

 

子ども自身の笑顔を取り戻し、子どもの最も身近にある家庭環境の改善にもつながるこのような支援活動は(手前みそかもしれませんが)、子どもの健全育成と福祉の充実に寄与できたのではないかと感じています。それはひとえにみなさまからのご厚意により、毎回子どもたちに喜んでもらえる物資を準備でき活動を充実させることができたからだと思っています。

2016mirukurabu_F_4.jpg2017年3月25日 城南町舞原仮設の子どもたち

 

<現地の様子や現地の声>

プロジェクト開催は、その都度、子どものみに関わらず同行している保護者や近隣地域の方々にも大好評でした。上述したアンケート用紙には、子どもたちの楽しかったという感想をはじめ、保護者を含むおとなたちからは、「いろんな人との交流ができた」、「同じような境遇の人もいてほっとした・・・」といった声や「地震後、同じ地域にいた人と久々に会えてほんとよかった」といった言葉をいただき、とても感謝されることが多くこのプロジェクトを企画運営した私たちも達成感を味わうことができました。

仮設で行っている学習支援は、子どもたちの心のケアをすることが第一の目的ではありますが、継続した支援の必要性だということに気づかされる契機となりました。それは、地震後、学校が再開されるまでに学習の機会に恵まれなかったことが起因となり、塾に通っている子とそうでない子の間に習熟格差が生じている実態が浮き彫りになってきたからです。特に現在小学2年生は、新入生の時に学ぶ文字と算数の基礎的部分を教わる時期に地震にあい、満足に読み書きができない子どもたちも少なくないからです。

現在も復興へ向けた具体的支援は行われていますが、各地で開催する居場所事業で出会った方々の中には、相談援助で事足りる人も多い反面、公的支援の必要性がありながら情報が行き届いていないために、申請の手段さえ未明だという方々に遭遇することも多く、個々を対象にした支援の必要性がうかがえます。あまり使用したくはありませんが、情報弱者と言われる方々に対しても、継続した支援の必要性を感じています。

いち早く自宅再建に着手された方がいる反面、解体がようやく始まり、これから仮設に入居される方々も少なくなく、個々の実態は様々です。生活の根拠となる場所が短期間で変わり、その都度それまでの近隣のメンバーが変わり新たなコミュニティでの関係性を円滑にするための機会が欠かせないからです。

特に仮設は生活する空間も狭く、子どもたちも窮屈な生活を強いられることも必至だと言えます。そのために近隣の関係性を良くしておくことも欠かせず、これまで以上に仮設でのコミュニティ支援の必要性があると感じています。また、仮設を退去する子と残る子どもたちとの間にもあつれきが生じてきており、今まで以上に子どもたちも含めたコミュニティ支援の必要性を感じています。

 

<支援者のみなさまへ>

このたびは活動に対する支援を賜り、ありがとうございました。

私たちのような小さな団体も、子どもたちへの支援を充実させることができました。親子居場所事業時に使用するアトラクション、代表的なくじびきは毎回子どもたちのドキドキワクワク感を引き出し最高の笑顔を引き出すもっともいい手段となりました。さらにこの機会は、友だち、親子同士、また近隣の方々との触れ合いを促す契機となり、地域コミュニティの充実を図る契機となったと感じているところです。

地震直後は、余震なども含めて予測のつかない事態に緊張の連続でもありましたが、居場所事業に参加してひと時ではあっても我を忘れて楽しみに興じる子どもたちを見て、緊張をほぐすためにはいい機会でありひいては心の安定につながるとても貴重な機会であると実感しています。

また、学習支援などを通じた継続的な見守り体制は、子どもたちの変化に迅速に対応することも可能で子どもたちの健やかな成長の一助にもなっているものと思います。保護者にもとても喜ばれています。

このような尊い活動を継続できたのは、みなさまからいただいた支援の賜物だと思います。メンバー一同、心からお礼を申し上げます。

ありがとうございました。

 

(NPO法人みるくらぶさまより)

 

■NPOみるくらぶさまのその他の活動はこちら(facebook)

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