フェリシモCompany

母の日に贈るお花が、世界の植物やだれかのしあわせにつながりますように。インドの森づくりを応援する「はな・はな・みどり基金」とは?

木野内美里さん、城塚真紀子さん

こんにちは、フェリシモ基金事務局のmotoです。

2007年に創設した「はな・はな・みどり基金」では、お花・植物商品などを基金付き商品として販売し、「フェリシモの森基金」とともに、タゴール協会を通じて「インド緑化プロジェクト」を応援しています。これまでにインドの西ベンガル州、ジャルカンド州、オリッサ州にて約137万本の植樹が実現しました(2021年3月時点)。西ベンガル州では、荒野だった森に象が帰ってくるなど、インドの自然が少しずつ息を吹き返しています。また、植樹したマンゴーやカシューナッツの収穫は現地の人々の現金収入にもつながっています。

『しあわせを贈る母の日』カタログに掲載しているすべての商品に「はな・はな・みどり基金」が付いています(価格のうち30円)。身近な人に贈るお花が、自然環境や、世界のだれかのしあわせを願う思いにつながったらとの思いで立ち上げた「はな・はな・みどり基金」。立ち上げメンバーである木野内美里さんと、その思いを受け継ぐ担当の城塚真紀子さんにお話を聞きました。

話し手:木野内美里さん、城塚真紀子さん
聞き手:フェリシモ基金事務局

お花で自然環境を守る取り組み

木野内:私は学生の頃から自然環境に興味があり、フェリシモに入社する前は、お花関係の仕事をしていました。お花屋さんは、大使館のような存在だと思うんです。都会における自然界への入り口であって、どんな人でも駆け込んだら助けてもらえるようなイメージ。「こんなにすばらしいお仕事はない!」と思っています。その当時から、自然環境を守り育てるためにお花を通じてなにかできないだろうかとは考えていたのですが、なかなか実現できませんでした。やがてフェリシモに入社することになり、ご縁があってまた、お花の商品を企画することになり、2007年に『しあわせを贈る母の日』カタログができました。私がお花を売るのであれば、基金をつけたいと社内で相談をしたんです。基金の立ち上げにはすごくエネルギーがかかるのですが、なんと実現し、基金は早々にインドでの植樹に使っていただけることになりました。あのときはもう、「夢が叶った!」とうれしくてたまりせんでした。ちなみに基金の名称は韻を踏むようなものにしたくて、「はな・はな・みどり基金」となりました。

木野内美里さん
木野内美里さん

お花のバリエーションが少しずつ豊かに

城塚:もともとフェリシモでは、母の日に贈るアレンジフラワーなども販売していましたが、『しあわせを贈る母の日』創刊以降、木野内の感性や知識を発揮して、フェリシモでご紹介するお花や植物のバリエーションがどんどん広がっていきました。

木野内:まだ日本にはないチューリップの球根や、ビギナーさんでも扱いやすいお花など、いろいろと企画をさせていただきました。ご縁があって、オランダ中のお花畑をまわったこともありました。そしてたくさんの方に「はな・はな・みどり基金」を知っていただくことができて、2011年に発生した「東日本大震災」の際には、東北の被災地にたくさんの球根をお送りしました。インドだけではなく、東北の地に、たくさんの花を咲かせることができたのです。ちなみに私が入社する以前には、1225本の薔薇のプレゼントという企画もあったのだとか。

城塚:ありましたね!クリスマス頃に発行する『サンタブック』の企画一環で、女性の背丈ほどあるとても大きな花束でした。そういったおもしろさやおどろきのある視点は脈々と受け継がれています。

城塚真紀子さん
城塚真紀子さん

フェリシモにしかない “母の日”のお花たち

城塚:私が『しあわせを贈る母の日』の担当になってから5年くらいになります。お花が普段から好きな木野内から引き継いだときに、これまで通り人気のあるものをご提供するだけではなく、私も含めてお花や植物を育てるのが苦手だという方でも身近に感じられるものや、「自分へのごほうび」となるような遊び心のある商品や企画ページをもっと増やしてみるのもおもしろいのではないかと思ったんです。例えば、「お手入れらくちんコーナー」では水やりのタイミングがわかりやすいお花や、食べられて「おいしい」シリーズではさくらんぼがなる小さな植木などをご紹介しています。

木野内:私も「かわいい実がなるさくらんぼ」を育てていて、おいしい実がなりますよ。城塚ならではの視点でたくさん楽しい企画を手がけていて、そうしたフェリシモ独自の視点を、お客さまが共感してくださっているのだなと感じます。私が担当していた際の印象的なものといえば、シャクヤクでしょうか。「母の日」といえば、カーネーションのイメージでしたよね。けれど、フェリシモでは『しあわせを贈る母の日』カタログがはじまって以来、シャクヤクが大人気なんです。つぼみで届いてお母さんのもとで花が開いていくんですね。最初は小さなつぼみが、だんだん大きくなって、わぁっと花が咲く。その過程が健気でダイナミックで。眺めていると、うれしくなるんですよ。

『しあわせを贈る母の日』カタログがはじまって以来、市場の商品を買い占めてしまうほどの勢い大人気のシャクヤク。
『しあわせを贈る母の日』カタログがはじまって以来、市場の商品を買い占めてしまうほどの勢い大人気のシャクヤク。

また、「感謝の気持ちを満開に!お母さんのために咲く『桜』」は、母の日にあわせて桜の花が咲きます。桜には、江戸時代から続く日本独自の管理方法があるんです。接ぎ木(つぎき)にした状態で氷室に入れて、春に咲くように調節する。桜は、一定の寒さを経て、気温が上がることで開花の準備に入るので、その日数を計算して温度管理をしておいて、花を咲かせるのを待つわけです。その技法を活かして、母の日に咲くようにお届けするという、ほかにはない“母の日の桜”なんです。

「感謝の気持ちを満開に!お母さんのために咲く『桜』」は、つぼみの状態でお届けし、母の日が来る頃には満開に!
「感謝の気持ちを満開に!お母さんのために咲く『桜』」は、つぼみの状態でお届けし、母の日が来る頃には満開に!

カタログで産地やつくり手の思いをお届けしたい

城塚:フェリシモの『しあわせを贈る母の日』カタログは、母の日のためにつくられたものではあるのですが、いわゆる“ギフトカタログ”だと思ってはいないんです。花がすべて上を向いているとか、花器に模様がついているとか、そういう、ギフトカタログならではのセオリーとは違う切り口で商品を企画し、カタログの編集方針を決めます。私たちフェリシモは、ただものを売る会社ではありません。花や植物であれば、産地や生産者さんなど、そのものの背景にあるストーリーごとお届けしたいという思いがあります。ですから、カタログにもいろいろな情報を掲載しています。

『しあわせを贈る母の日』カタログは年に1度発行。商品はもちろん、こだわりのある誌面もお楽しみください。
『しあわせを贈る母の日』カタログは年に1度発行。商品はもちろん、こだわりのある誌面もお楽しみください。

例えば、実は私、お花を上手に育てられるタイプでないんですよ。でも、だからこそ、枯らしてしまうひとの気持ちもわかるので、カタログに「育てるポイント」を掲載してみたり、ストーリーごとお届けするために植物園や栽培農家さんを取材して記事にしたり。演出に頼らないで、生き物が本来持つ力強さや、カタログから発信するメッセージ性を高めたいと思っているんです。だから、写真は借りてきたものではなく、できるだけ実物を撮影して掲載します。ときにはつぼみのまま掲載することもあって、生産者さんからおどろかれることもあります。カタログ制作の工程としては、花の撮影は本来はまだ寒い1月になるので、まだ花が咲いていないケースが多いんです。ですから、1年ほど前からカタログ制作のプランを立てておいて、花の咲く時期に前撮りをしておくんです。

心に余裕がないときこそ、お花を飾ろう

木野内:みなさまにお花と関わる時間をもっと増やしていただけらうれしいなと思います。お花を買うことって、なんだか特別でワクワクします。オランダは世界屈指の花の生産国として知られていますが、なぜそうなったのかご存知ですか?昔、戦争などでお花が売れなくなったときに、花の農家さんが小学校に寄付をしたそうなんです。そこから花育がはじまって、その子どもたちが日常的に花を買うようになるという循環が生まれたのだといいます。日本でも、そうやって花を買うことが習慣になったら素敵ですよね。私は、出張先では必ず花を買って、ホテルに飾ります。お花がなにか悪いものを吸い込んでくれているのではないかと思うくらい、部屋の空気がよくなるんです。特に、自分が弱っているときの花の力ときたら、すばらしい癒しの力があります。ぜひ一度やってみてください。最高の旅になりますよ。余裕がないときこそ、花を飾っていただきたいです。

木野内さんと城塚さん

城塚:以前、木野内が心強いことを言ってくれたんですよ。「お花が枯れるのは、きっと城塚さんの分まで代わりに枯れてくれたんですよ」と。お花が、心身の状態のバロメーターにもなってくれる。だから、繰り返し買って飾ってあげたらお花もよろこぶのではないかと教えてくれたんです。私の場合、お花や植物を枯らしてしまうかもしれない緊張感がいつもあったのだけれど、そのことがきっかけで気が楽になり、カジュアルにお花と付き合えるようになったような気がします。

母の日をきっかけに、つながり、広がる想い

城塚:花の栽培農家さんが年々少なくなってきています。例えば、めずらしいお花をみつけて販売をしたいと思っても、生産量が多くないので、フェリシモのカタログには掲載できないということも少なくありません。けれど、がんばってつくっていらっしゃる生産者さんがいらっしゃるのに、購入いただける機会が減るのはさみしいですよね。こうした負の循環をできるだけ軽減したいと考え、フェリシモでは、数量限定になってしまうことをお客さまにご了承いただいいた上で、少ない数でもできるだけ販売させていただけるようにしています。『しあわせを贈る母の日』を通して注文量が少しでも増えることが、お花の栽培農家さんたちのモチベーション向上の一助になればという願いがあるんです。

木野内:実際に、農家さんがよろこんでくださっているというお声をお聞きしますよね。

城塚:そうなんです。お客さまに継続的にお花を買っていただくことが、安定した作付けにつながるので。お花は生き物なので、気候が安定せずに苗の生育状況に影響が出て、販売予定だったお花をお客さまにお届けできないということもありましたし、コロナ禍においては海外から花を輸入ができないという事態も起きました。だからこそ、毎年、コンスタントに栽培農家さんを応援し続けることが大事なんです。そして、お花を贈ってもらったお母さんたちがしあわせな気持ちになってくれることが私たちにとってはなによりうれしいです。お客さまのなかには、お母さまが高齢者施設に入られたため、小さな鉢の方が育てやすいなどといったケースも少しずつ出てきています。お客さまのニーズは、これからもきっと変化し続けると思います。お花や植物ととも暮らしたいというどんな声にもお応えできるよう、もっとたくさんのバリエーションを展開していきたいですね。

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