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(地球村の基金)ラオスから活動レポートが到着しました!

(地球村の基金)ラオスから活動レポートが到着しました!
2013年に「地球村の基金」で支援をしているプロジェクト「ラオス・シェンクワン県における応急処置研修事業」の活動レポートを認定NPO法人 難民を助ける会さまからいただきましたのでみなさまにご報告します。
<プロジェクトの実績報告>
AAR Japan[難民を助ける会]は、2014年2月から6月までにシェンクワン県ノンヘット郡で、32名の村落保健ボランティアに対して応急処置研修を行いました。村落保健ボランティアは、心肺蘇生方法や止血方法、骨折の固定ややけどの処置、目のけがの際の処置、患者の搬送方法を学ぶことができました。
標高1,400mに位置するシェンクワン県ノンヘット郡では、2、3月の寒い時期には朝晩に濃い霧が出て太陽の光を遮り、気温がぐっと下がります。
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子どもたちは、霧に包まれた中を通学します。
村から病院や診療所が遠いため、自宅や近所で受けられる昔ながらの治療方法に頼る人が多くいます。出血を止めるためひもできつく縛ったり、薬草を噛んで傷口に当てたり、傷口に尿をかけるということが行われ、効果があると信じられています。これらの方法は傷を悪化させたり、回復に時間がかかったりします。重症化した場合には壊疽(えそ)した四肢を切断せざるを得ないこともあります。少数民族が多く、言葉の違いがあることから医療に関する新しい知識が伝わりにくいことも古い治療方法が使われ続けている理由です。
研修に参加した村落保健ボランティアの中には、実践練習を恥ずかしがったり、見ているだけで覚えられると考えている人もいました。村落保健ボランティアは村人の健康や生命を守る役割を担っていること、見ているだけでは応急処置が必要な際にからだが動かないことを伝え練習参加を促しました。実際に練習してみると、やはり見ただけではできないことを実感し、だんだんと練習に参加してくれるようになりました。村落保健ボランティアは、応急処置セットを使った切り傷や骨折などの処置や搬送の練習をしたり、けが人役を経験することで一連の流れを学びました。
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研修では、応急処置の方法のみならず、行ってはいけない処置方法や注意事項も学びました。
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特に女性は恥ずかしがるので、駐在員が患者役をして、実践練習を促すこともあります。
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見ていると簡単そうでも、号令に合わせてみんなで患者を水平に持ち上げることは結構むずかしいものです。
 
 
研修後、聞き取り調査をすることができた9名全員が応急処置に関してまとめた冊子を繰り返し見て復習していました。うち8名は紙芝居形式のフリップチャートを使用して、村の会議で村人に応急処置の方法を教えたり、いつでも内容を確認できるよう村の会議室にポスターを貼っていました。中には、毎月のように繰り返し村人に教えているという心強い報告もありました。村であらかじめ決めた緊急時用の車両も3つの村で活用され、2名は配付した応急処置セットを使用して、農作業中にけがをした村人の処置にあたりました。
村落保健ボランティアによる知識の伝達により、傷口に薬草を当てたり、尿をかけたりする村人も減ってきています。研修を受けた村落保健ボランティアからは、「新しい知識を学ぶことができ、村人をもっと助けることができる」「応急処置キットがあることで処置を正しく行える」「もっと村人を助けるための知識を学びたい」との声が聞かれています。研修は村落保健ボランティアの仕事に対する向上心を高めるのにも役立ちました。
<現地の声> 
みなさまのご支援により、ノンヘット郡32名の村落保健ボランティアが研修を受ける機会を得ることができました。彼らはそれぞれの村や地域において学んだ知識を活用し、広めていこうと意気込んでいます。病院から離れた村においても、安全で正しい応急処置が受けられるようになるための始めの大きな一歩となりました。みなさまのあたたかいご支援に心より御礼申し上げます。

(認定NPO法人 難民を助ける会 安藤 典子さまより)

プロジェクトの詳細はこちら

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