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みんなでプロジェクトを応援! 「学ぶ機会のないシリア難民の子ども達へ 緊急教育支援(トルコ)」(特定非営利活動法人ホープフル・タッチ)

「フェリシモ 地球村の基金」が今年支援したい6つの自立を支援するプロジェクト。
その中から、世界をよりしあわせにするためのプロジェクトの1つをみなさまにご紹介します。

こんにちは、トルコ南東部シリアとの国境県で、シリア人やトルコ人の仲間と活動している、特定非営利活動法人ホープフル・タッチの高田です。

2011年に勃発したシリア戦争は、周辺国の介入とそれぞれの思惑によりますます複雑化し、安定への道はまだまだ続きそうです。
難民として生きるシリア人家族のストレスも高まるばかりです。シリア国内に留まっていた親戚や友人の訃報を聞くことは日常的で、最悪の事態が発生する前にシリアに残る家族に会いたい、もう一度自分が住んでいた土地を見たいと、国境を越えシリアに帰ろうとする人々もいます。
職に就けず、将来を思い描くことが難しくても、忍耐強く過ごす毎日。そんななか子ども達も、戦争の記憶と避難生活のストレスのなか揺れ動きながら生活しています。

earth2018_Hopeful_1.jpg難民の子どもが描いたシリアの様子

通える学校がない
私たちは2016年6月からシリアとの国境付近の農村地にて、シリア難民の子ども達の、心身の健康な発達を支える活動を実施しています。
対象地は県中心から離れた周りに何もない広大な農村地で、シリア人家族はテントや手づくりの土壁家屋で生活しています。遠隔地であるため他の支援機関から援助が届きにくく、特に教育や子ども保護に関連した支援は、皆無に等しい状況でした。

活動開始当初から特に重点を置いていたのは、学習活動です。当団体を立ち上げた私とシリア人の友人2名は、農村地の子ども達が避難後一切教育を受けておらず、シリア人を受け入れてくれる公立学校がわずかである現状を目の当たりにしました。「学校に行きたくても、通える学校がない」という、子どもや両親の諦めたような表情に出会い続け、なにかできないか、と農村地で特に弱い立場にある子ども達への学習支援を始めました。

earth2018_Hopeful_2.jpg教室で元気いっぱいに手を挙げる女の子

適応”が迫られる子ども達
2018年8月現在、シリア難民数は登録されているだけで560万人以上、トルコは難民受け入れ国として最多の350万人以上を抱えています。その44%が18歳未満の子どもで、29%が5〜17歳の学齢期にある子どもです。
トルコ教育省は国連機関や人道支援機関と協働し、すべてのシリア難民の子どもをトルコの公立学校へ新入・編入させることを目指し、公立学校に定期的に出席している難民生徒を対象に、現金による支援も導入しています。

しかし一方、これまで公教育として認定されていたシリア人学校(シリア人教師・アラビア語による教育)は完全に閉鎖され、子ども達は母国語であるアラビア語ではなくトルコ語を学ばなければなりません。また農村地では公立学校自体のキャパシティが不足し、積極的にシリア難民の子どもを受け入れる体制が整っていません。

ユニセフは、トルコにおいて学齢期にある難民の子どもの29%が非就学としていますが、遠隔地に居住する子どもを含めると、それ以上と推定されます。就学しやすいのは、様々な支援機関が集中する市内に居住し、比較的安定した生活を送ることのできる家庭の子ども達です。市内には就学準備としてトルコ語研修を提供する団体もありますが、郊外の農村地ではそのような支援もありません。

将来へ繋がる学習を
2018年1月から”地球村の基金”により、シリアとの国境検問所がある市郊外でテント教室を始めることができました。戦争から避難後、通える学校がなく、家計を支えるため労働や家事に従事していた子ども達にも最低限のアラビア語や算数、トルコ語の学習を提供することができました。また絵画や工作、演劇などのレクリエーション活動を通じて、子ども達の心理社会的発達も支えてきました。
子ども達の将来や、希望に繋がる学習活動を継続することが必要です。

earth2018_Hopeful_3.jpgトルコ語文字を習う男の子

〈主な活動内容〉

シリア戦争による避難後、学習する機会を失ったシリア難民の子ども50名を対象として、インフォーマル教育を提供するテント教室を継続運営します(2年目)。

これまで教室に通っていた子どものほか、新規に周辺村へ移住してきた難民家庭の子どもも積極的に受け入れます。

学習内容はアラビア語の読み書きや算数を中心とし、子ども達の学習ペースに合わせてトルコ語にも対応していきます。

シリアでは教師経験がありながら、現在は同じ難民として村で避難生活を送るシリア人の方に、引き続き教師として協力をしていただきます。

・授業スケジュール:4時間/日、5日間/週
・授業内容:アラビア語、算数、トルコ語
・レクリエーション活動:絵画、工作、演劇、スポーツ、英語など

〈期待される効果〉

  1. 2011年のシリア戦争以降、ほかに学習機会のないシリア難民の子ども50名が、継続的・定期的に最低限の教育を受けることができます。
  2. 子ども達の非就学期間をフォローアップし、読み書き・計算などの基礎学力を向上・維持できます。
  3. 避難先での生活に求められる、トルコ語の読み書き・日常会話スキルを身につけることができます。
  4. シリア難民の子どもを対象とした支援がない対象地で、子ども達が最低限の学用品や教材を得て、教室での学習や自宅での自習ができるようになります。
  5. 学習だけでなくレクリエーション活動を取り入れることにより、子どもの心理社会的支援に繋がります。
  6. クラスにおいて達成感を得る体験をし、難民として生活する子ども達の自信を育み、ホスト・コミュニティでの適応力を促進することができます。
  7. クラスでの集団活動により集中力や社会性を学び、避難先のトルコまたは帰還後のシリアにおける、学校での就学・社会参加準備ができます。
  8. 戦争により”子どもの権利”が剥奪されたシリア難民の子ども達の「発達する権利」及び「参加する権利」が保護、実現されます。

■学ぶ機会のないシリア難民の子ども達へ 緊急教育支援(トルコ)
実施場所:トルコ共和国・シャンルウルファ県アクチャカラ市郊外農村地
実施期間:2019年1月~2019年12月
・プロジェクトの詳細はこちら
・プロジェクトの報告(中間実績
・ホープフル・タッチさまのその他の支援活動はこちらから

「フェリシモ 地球村の基金」より、世界をよりしあわせにするための6つの自立を支援するプロジェクトの応援投票を2018年11月2日から11月15日まで行います。
期間中、応援したいプロジェクトを選んで投票することで、そのプロジェクトを応援することができます。(投票の数は、各プロジェクトへの拠出金額の参考にさせていただきます)

   ➡ 応援投票は終了させていただきました。     
     みなさまから、たくさんの応援(投票)をいただきありがとうございました。

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