フェリシモCompany

チョコでみんなとハッピーに! カカオ農園の児童労働をなくす基金

毎年バレンタインに向けて発刊される『幸福のチョコレート』というカタログがあります。ご存じでししょうか? ファッションと雑貨のフェリシモが24年ものあいだチョコの販売を続けて来たと言ったら、みなさま驚かれるでしょうか?

最初はバレンタインカタログの1ページから始まったチョコレート。奇跡的に24年間ずっと担当が一度も変わることなく続いてきたブランドです。その担当の名は“チョコレートバイヤーみり”。今や業界の人なら知らない人はいない存在です。

チョコレートバイヤーみりには、当初から「チョコを単にモノとして売るのではなく、“チョコでみんなとしあわせになりたい”、“チョコを贈りあうことで、まわりに愛と感謝を広げたい」という思いがありました。

その思いは、チョコを作る人・あげる人・もらう人から、やがて原料の“カカオを作る人”へも波及していきます。

始まりは2009年。バレンタインは誰かにチョコをあげるとてもやさしいイベント。チョコを配る人はそもそも素敵な人です。だからその気持ちをもう少しだけ他の人にもおすそ分けできたら…との思いから、チョコレートの基金を立ち上げ、「LOVE&THANKS アースボールチョコレート」(2010年バレンタインお届け商品)という基金付き商品の販売を始めました。

2010年バレンタインお届け商品

最初は、みんなでチョコを買ってアフリカの子どもたちにプレゼントできないか?と考えたと言います。しかし、受け入れ先はチョコレートよりも栄養補給がいいということで、ザンビアの子どもたちの栄養補給に支援を贈ることが決まりました。

ザンビアの子どもたち

後日、支援先の認定NPO法人AMDA社会開発機構さんから、ザンビアの小児結核の子どもたち、中でも特にリスクの高い栄養不良患児へ、定期的に大豆の栄養補助食品を供給できるようになったとの報告がありました。さらに、結核改善のための栄養教育や、お父さんお母さんのためのお料理教室を、定期的に開けるようになりました。

2010年11月にはもうひとつ、基金付き商品も販売しました。

「しあわせを運ぶてんとう虫チョコ」です。(2011年バレンタインお届け)これは認定NPO法人ACEさんによるチャリティーチョコです。ACEさんは世界の子どもを児童労働から守るために活動を続ける団体で、このチョコの売上の一部を活用してガーナのカカオ生産地の子どもを危険な労働から守り、教育を支援するプロジェクトを行っています。

しあわせを運ぶてんとう虫チョコ

中南米の有機栽培のカカオを使い、添加物も使用していません。1セットにつき200円がACEさんの「スマイル・ガーナ」プロジェクトに、また21円がAMDAさんを通じてザンビアの子どもたちを支援する基金として活用されました。

ザンビアの子どもたちを支援する基金

“みんなの笑顔につながるチョコレート”をいつも心に思い描いて、チョコレートバイヤーみりと『幸福のチョコレート』の活動は続きます。

2010年には一部の商品にだけ基金を付けていましたが、2011年には全商品に基金を付けることになりました。「LOVE&THANKS基金」の正式発足です。そのタイミングで「LOVE&THANKSチョコ」と銘打った企画を全世界のショコラティエに呼びかけ、日本だけでなく現地の彼らのお店でも「LOVE&THANKS」のステッカーを貼ったチョコが6ヵ国11都市で同時に販売されたのです。これはすごいことです。

「LOVE&THANKS」のステッカーを貼ったチョコ

そして、全商品に販売価格の約1%の基金を付けた2011年の『幸福のチョコレート』による基金額はさらに大きなものになっていきます。

ザンビアでは、小児結核の栄養補助食品の支援に加えて、「しあわせのおすそ分け」として、チョコレートやキャンディーなどのお菓子、歯ブラシなどの衛生グッズ、食用油や砂糖の配布ができました。また、この年のクリスマスには保健センターにクリスマスツリーを寄贈。チョコを購入いただいたお客さまは、まさしくザンビアの子どもたちのサンタクロースになられたのです。

さて、チョコレートバイヤーみりは2011年春にガーナに旅立ちました。ガーナ?そう、カカオのふるさとです。そしてガーナに関わる2つの支援先とのコラボ商品企画も実現しました。

1つ目は、チョコレボさんというガーナのカカオ支援プロジェクトの代表の方との協働の取り組みです。

日本が一番カカオを買っている国ガーナ。しかし、ガーナではカカオ農園での児童労働が問題視されていました。児童労働がなくなり子どもが学校に行けるようになるには、親の仕事が安定していることが一番大事です。

カカオの実

そこで、チョコレボさんはカカオ農家とフェアに取り引きをし、無農薬栽培を教えて付加価値の高いカカオを育てることを農園に指導する取り組みをされてきました。

カカオ農家さんと。

チョコレートバイヤーみりもガーナを訪問し、カカオの苗木を植え植林しました。4年もすればカカオの実がなるそうです。

カカオの苗木を植え植林

『幸福のチョコレート』では、この農園で収穫されたカカオでチョコを作ってお客さまにお届けしようと、神戸の有名ショコラティエ「マキィズ」さんにお願いして、いくつかの基金付き商品を立ち上げました。ひとつは「チョコレボ企画 ガーナとつながるお友だちチョコ ガナッシュ」(バレンタイン商品)、もうひとつは「チョコレボさんとコラボ ガーナとチョコでつながる一年」(年間予約商品)です。

そしてこちらは「チョコでみんなとしあわせに ガーナの友だちチョコ」(2011年 クリスマスお届け便)です。チョコレボさんのペンダントが付いています。この年は東日本大震災があった年で、この年に限り、基金はガーナの支援と東北の被災地にチョコをプレゼントする活動にも使われました。

これらのさまざまな支援活動の歴史を経て、現在「LOVE&THANKS基金」は、NPO法人ACEさんの「スマイル・ガーナプロジェクト」の支援を続けています。

2020年7月までの約10年間を通じて拠出した額は約2,300万円以上、550人以上の子どもたちを児童労働から救い、約4,500人の子どもたちの教育を支援してきました。ACEさんでは、カカオ農家さんの技術指導や、児童労働のモニタリング活動、貧しい家庭への学用品の支給など、「児童労働のないカカオ生産」を目指して、毎年現地にスタッフが赴き、さまざまな活動に取り組まれています。

笑顔の子どもたち

2020年は新型コロナウィルス感染症の影響で海外渡航が制限され、日本と現地はオンラインでやりとりしているということですが、私たちは今後も基金による支援を続けていきます。

チョコで世界にハッピーを広げる。

ショコラティエもみんなそう思ってチョコを日本に送り出しています。何より、私たちの思いに共感して快くご協力いただいているお客さまのお陰で、『幸福のチョコレート』の活動と「LOVE&THANKS基金」は続いています。

これからも、チョコレートを愛するみんなで作っていきたいコミュニケーションの輪です。

NPO法人ACE[エース]さんを訪問

この記事をシェアする
Twitter
Facebook
LINE

コメント

内容に問題なければ、下記の「コメントを送信する」ボタンを押してください。

コメントを投稿する
ページトップへ戻る