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2012年度基金活動報告 ー インドのこどもにやさしい村プロジェクト支援(認定NPO法人 ACE(エース)

2012年度に次の基金より拠出した認定NPO法人 ACE(エース)さまの活動レポートをご紹介します。

 

■子どもにやさしい村をつくろう

 インドは世界で最も児童労働 (義務教育を妨げる労働や、法律で禁止されている18歳未満の危険・有害な労働) が多く、特に農村では農作業や牧畜、家事など、多くの子どもたちがさまざまな仕事をしています。

 私たちACEは2003年から現地パートナーのNGO 「BBA」 とともに、インドの農村地域の児童労働をなくし、すべての子どもが学校で質のいい教育が受けられるように 「子どもにやさしい村」 プロジェクトを行ってきました。

 これまでインド北部の12の村で活動し、2010年から3年間は首都デリーから260kmほど離れているラジャスタン州のジャイプル県のラグナツプラ、ビハジャール、タルヴァの3つの村で、子どもにやさしい村のしくみをつくってきました。2012年4月から1年間の活動費の一部をmama.fスマイリー基金で支援していただきました。

 どの村も山間部の乾燥地帯で、社会的にも経済的にも立場の弱い人々が多く暮らし、電気や水、道路などのインフラが整っていません。義務教育の就学年齢 (6歳から14歳) の子どもは、それぞれの村に100~200人いますが、小・中学校は先生や教室が足りず、校庭やトイレなど学習環境も不備が目立ちました。それに女性の地位が低く、就学年齢の子どもの早婚の習慣がありました。

 そのためプロジェクトでは主に4つの活動をしてきました。1つは子どもの就学を徹底する働きかけです。家庭訪問をして働く子どもの親を説得し、教育の重要性や児童労働の問題など、住民の意識を高める会合やキャンペーンをしました。

 それによって、住民自身が休みがちな子どもの親を説得したり、母子保健センターと連携して就学年齢の子どもをきちんと入学させたりできるようになり、中途退学させての子どもの早婚もなくなりました。

 2つ目は子ども村議会づくり。各村で子どもの代表者を選んで「子ども村議会」を設立し、大人の村議会 (村の自治組織) とともに、子どもが抱える問題の改善策を考えられるようにサポートしました。

 3つ目は教育環境の改善。村長と親、子ども村議会のメンバー、先生たちで定期的に話し合いを持つようにし、行政に環境の改善を働きかけて、新しい教室や給食調理室が建てられ、壊れていた飲料水施設やトイレも修理されました。高校が新設された村もあります。

 4つ目が住民グループの組織化と能力強化。青年グループや女性グループなどの住民組織をつくって住民が行政制度を学び、自主的に制度を活用できるようにしました。またそれぞれ定期的に集まって、子どもの就学や村の問題を話し合い、活動するようにもなりました。

 その結果、3つの村で未就学だった子どもや中途退学してしまった子ども97人が労働をやめて、学校に通えるようになり、現在は就学年齢のすべての子どもが学校に通っています。

 タルヴァ村のウシちゃん (11) もその1人で、農作業と家事の手伝いをするために学校を中途退学しましたが、両親は子どもの教育の大切さを理解するようになり、再入学できました。

 プロジェクトによって、子どもも女性も、男性も自ら問題を見つけ、話し合い、改善に向けて協力し合って取り組むようになりました。村に連帯感が生まれ、住民が自助努力し、希望を持って暮らしています。2013年3月でプロジェクトは終了しましたが、活動は住民たちが引き継いでいます。

 みなさまに温かいご支援をいただきまして、ありがとうございました。

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