畦道にひっそり咲いている、名も無いような草花をモチーフにした繊細な刺しゅうをほどこした「草花刺しゅうブラウス」。このなんとも華奢な刺しゅうを作ってくれるのは、広島県福山市にある株式会社ピリカさんです。ピリカさんは刺しゅう歴40年の老舗工場。以前『相良刺繍』を用いた刺しゅうをお願いしたときに取材させていただいた工場です。今回は図案の繊細なイメージを壊さないように、75デニールというとっても細い糸を使用して刺しゅうしてもらいました。糸が細いということはそれだけ切れやすく、時間がかかってしまいます。また細かい絵柄はどうしても形が潰れてしまいがちなのですが、40年の間に培われてきた匠の「業」のおかげで、とても素敵に仕上がっています。左右アシメトリーに配置しているところもデザインポイントです。ベースの生地には、これも超長綿の極細糸を使い繊細な模様を織り込んだ、播州織りのシャトルノーツの生地を使いました。縫製は、五島列島の福江島にある富江エ房さんにお願いしています。日本が誇れる技術が詰まった素敵なブラウスができました。