公式twitter
私たちコレクターズ

「ジャニヲタリカちゃん」はこうして生まれた-「リカちゃん」オタク・みづきさんの場合(前編)-【連載】私たちコレクターズ #006

たくさん集めたり、写真を撮ったり、お手入れしたり……。大好きな「何か」と向き合う時に感じるときめきは、ほかでは得られない特別な気持ちです。

この連載では、書籍『浪費図鑑』をはじめ、オタク女子たちの「好き」をさまざまな形ですくいとってきた4人組ユニット・劇団雌猫とコラボ。推しているモノをコレクションしている人の「好き」に着目し、コレクションの内容や、そこにこもった愛をインタビューしていきます。

今回取り上げるのは、「リカちゃんオタク」であるみづきさん。たくさんのお人形と暮らすみづきさんは、アクロバティックなパフォーマンスが魅力のジャニーズ事務所のグループ・A.B.C-Zのファンでもあります。リカちゃんをはじめとしたお人形の魅力、そしてみづきさんの「推し」同士を掛け合わせて生まれた「ジャニヲタリカちゃん」の秘話を伺いました。

プロフィール

みづきさん

ジャニーズとお人形を愛する会社員。オタ活資金欲しさにせっせと働く。大量のリカちゃんをひな壇に並べて在りし日の少クラ番協を偲ぶ日々。
Twitter:https://twitter.com/hxxxxxm

”お人形のお洋服を作る”という遊び方を知った小学生時代

- たくさんのお人形と暮らしているみづきさん。Twitterで「ジャニヲタリカちゃん」ツイートをされているのをきっかけに知りました。

みづき)懐かしいですね(笑)。思いつきで投稿したネタだったのですが、本当に多くの人にRTしてもらいました。

- 小さい頃からずっとお人形好きなんですか?

物心ついたころから好きでしたね。最初は、リカちゃんと同じくタカラトミー(当時はタカラ)が販売している、「ジェニー」に夢中でした。

ー あ~~! 私も持ってました。

みづき)当時は、周りの友達とお人形で遊んでいました。でも小学校高学年くらいになると、卒業する人多いじゃないですか。その中で、私だけは年齢を重ねてもお人形が大好きで……。しかも偶然図書館で、ジェニーちゃんのお洋服を手作りしたい人のための手芸本に出会ったんです。

- 当時からそんな本があったんですね。

みづき)「JENNY」という名前の雑誌を始め、いくつかシリーズが出てましたね。最初に作ったのは、黄色いワンピースでした。さすがに現物は残ってはいないんですけど……。周りのお人形遊びを卒業する子たちから、いらなくなったジェニーちゃんをたくさんもらえたので、それもオタク心を加速させました。「古いんだけど……」って申し訳なさそうにされることもあったけど、販売終了したお人形が手に入るので、むしろ古い方が嬉しかったです(笑)。

- そこからお人形を愛でる日々が続いていると。

みづき)実はそうすんなり行ったわけではなくて。中学の時に、全然関係ないことで母親の怒りを買ってしまったことがあり、持っていたお人形を全部捨てられちゃったんですよ。

ー あ~~~、一番立ち直れないやつを。

みづき)育児で一番やってはいけないと言われているやつですね。それで必然的に人形沼から離れていたのですが……2000年、偶然テレビで見た「PARCO」のCMで出会ってしまったんです。ブライスに。

みづきさんをお人形沼に引き戻した「ブライス 」写真1:みづきさんをお人形沼に引き戻した「ブライス 」
BLYTHE is a trademark of Hasbro and is used with permission.
©2020 Hasbro. All Rights Reserved. Licensed by Hasbro.

- ブライス 、わかります。たしかにCMで見た記憶があります。(調べながら)1970年代にアメリカで発売されるもあんまり売れなかったけど、2000年にPARCOがキャンペーンに起用した結果、人気が爆発して、タカラが復刻したという経緯があるんですね!

みづき)そうそう。当時、「なんだこのお人形は!?」って本当に衝撃だったんです。元々はアメリカで作られていたお人形だと知って、それも、おしゃれだな、かっこいいなと思いました。それで復刻版を集め始めたんですが、当時は一体1万円くらいしたので、中学生には結構大変でしたね。誕生日やクリスマスにおねだりして、少しずつ増やしました。高校ではブライスが好きな友達もできて、楽しかったです。

- お友達とはお洋服を作ったり、一緒にお出かけして撮影したり?

みづき)そうですそうです。新しいお洋服を着せて髪型をセットして、外で写真を撮ってました。あと、私たちの高校、校庭に薔薇があって、そこで「ブライスお茶会」をしたこともありますね(笑)。

- えっ、楽しそう!(笑)

みづき)薔薇を背景にするだけじゃなくて、「私、スコーン焼いてくる!」「私はかごバッグ持ってくるね!」と、写真映えするものを準備してお茶会したんです。そういうことがすっごく楽しかったなあ。

仕事の疲れを癒すためにハマった、ジャニーズ

- そこから社会人までは、まっすぐ「お人形道」を続けることができた?

みづき)それが今度はですね、新卒で入った会社が忙しすぎるというトラップが発生しまして。疲れ切っていて、なかなかお人形を触れなくなってしまいました。

- ああ……ありますよね。

みづき)でも、そこでお人形が触れなくなっている時期にハマったのが、アイドルなんです。

- ここでアイドルが!!!(笑)

みづき)小さい頃はお人形や二次元にしか興味がなくて、ブライスを集めていた時期も「ブライスと『テニプリ』を愛するwebリンク同盟」とかに入っていたくらいなんです。でも、社会人になって疲労とストレスが蓄積したら、それらの発散先として、まずAKB48やももいろクローバーZが心の隙間に入ってきたんですよね。しばらくは女子アイドルを推していたのですが、途中で「私、ジャニーズって見たことないな」と、興味が湧いたんです。それで当時上演していた2012年の「JOHNNYS’ World」(通称ジャニワ)のチケットの一般販売に挑戦したら、運よく手に入ってしまったのが、ハマるきっかけです。

- 初めて見たジャニーズの舞台はいかがでしたか?

みづき)「なんだこの世界は!?」って混乱してしまいました(笑)。

―「ジャニワ」は、ジャニーズが初めての人にとっても長年のジャニヲタにとっても、かなりユニークな現場ですよね(笑)。

みづき)異次元でしたね……。あまりに個性的な舞台だったので、そのときは「ハマった」わけではなかったんですが、その後ジャニヲタと観に行く機会があって、全部解説をしてもらったんですよ。それで色々理解できた時に、劇中やたらと体を張っていた、黄色い服と青い服の人が気になったんですよ。セリフはあんまりないのに、装置でグルグル回ったりアクロバットしたり、とにかく動き回っていて……。観劇後に「あの人たちは誰なの?」って聞いたら、「A.B.C-Zの塚田くんと五関くんだよ」って教えてくれて、現在私が応援しているグループ、A.B.C-Zの存在を知りました。

- 二人を知らないみづきさんでも目を惹かれる動きだったんですね!

みづき)それからA.B.C-Zの楽曲や映像をチェックしたら、私と同年代なのもあって、同期が頑張ってる!みたいな感覚になって。彼らにハマり始めた頃、「お人形熱」も戻ってきました。「あ、これ欲しい!」と思えるリカちゃんと出会ったんです。

このリカちゃん、ジャニヲタっぽい……

- おお! 二つの趣味がついにつながる……? その時はどんなリカちゃんと出会ったんですか。

みづき)2015年に発売した「LiccA」シリーズのリカちゃんです。

大人っぽさが魅力の「LiccA」シリーズ写真2:大人っぽさが魅力の「LiccA」シリーズ

- 高級感があって素敵!ちょっと大人向けっぽい感じですね。

みづき) そうなんです! リカちゃんって基本は小学5年生なので、衣装もその年齢に合わせたものが多いのですが、「LiccA」は大人向けブランドとして発売されて、OL向けファッション誌のようなスタイリングだったんですね。価格帯も普通のリカちゃんよりかなり高めなんですが、「これは欲しいぞ」と思えるようになり、リカちゃんを集め始め、お人形熱が復活して、今に至ります。

みづきさんお気に入りの「コギャルリカちゃん」写真3:みづきさんお気に入りの「コギャルリカちゃん」

- そして「ジャニヲタリカちゃん」の着想も……?

みづき)そうそう。最初にインターネットに投稿したのは2017年8月ですかね。そもそもは、黄色い服を着たリカちゃんを見て、「めちゃくちゃ玉森担(Kis-My-Ft2のメンバーで、黄色がメンバーカラーの玉森裕太さんを応援するファン)っぽいな……」と思ったのがきっかけなんですよ。

- 現場のジャニヲタって、メンバーカラーの服で気合を入れている人、たくさんいますよね。黄色カラーのメンバーって何人もいますけど、「玉森担」って言われると、そんな気がしてくる!

みづき)姫カットなのもすごく「っぽい」じゃないですか? こんな子、東京ドーム帰りの水道橋駅で見たことある!と思ったんです。

- 普段から現場によく行っている人ならではの視点ですね(笑)。

みづき)自分がジャニヲタになりたてだったから、つい会場で他のオタクをじっと見ていて。よく見るジャニヲタたちの行動をリカちゃんにしてもらううちに、遊びが加速していきました(笑)。

- どれも、「ジャニヲタあるある」が見事に反映されてて面白いですね……。

みづき)インターネットのムーブメントでいうと、ウェブメディアの「デイリーポータルZ」が2014年から、「地味ハロウィン」という企画をはじめて、「どこかにいそうな人」「みんなが知っているシチュエーション」の仮装をするというのが盛り上がっていたんですよね。それも、ジャニヲタリカちゃんのアイデアを後押ししてくれました。

お弁当のピックを、ペンライトに

- みづきさんの「ジャニヲタリカちゃん」、本当に芸が細かいですよね。これは、コンサート中に発射された銀テープをキャッチしようとしたら、端と端で引っ張り合ってしまった……っていう気まずい瞬間ですが、この銀テープ、しっかりリカちゃんサイズですごい。

みづき)これはたしか、100円ショップのラッピンググッズについていたものをむしって使いました(笑)。小道具は、100円ショップで調達することが多いです。双眼鏡やうちわは、リカちゃんサイズの小物として売られているものやミリタリーフィギュア用のものですね。

-  意外とオタクっぽいアイテムも手に入るんですね! このリカちゃんの持ってるペンライトは手作りですよね?

みづき)ペンライトはお弁当用のピックを買ってきて、ペンチで割って作りました。A.B.C-Zのコンサートグッズに、こういう変わった形のペンライトがあったんですよ?!

―アイデアがすごい! なかなかイベント全般が開催しづらい今、ジャニヲタリカちゃんを見ると、ちょっとしたコンサート気分が味わえるなあと思いました。

みづき)そうですねえ。コンサートや舞台に行けないのはやっぱり辛いですよね……。でもネット配信される公演もあるので、オタクとしては準備万端で迎え撃とうと思っています!手始めに、部屋の壁をプロジェクター対応の壁紙にしました。これで快適に配信を楽しもうかなと。

―創意工夫が素敵ですね!後編では、お人形の収納のコツや、コレクションの詳細を聞いていきます。

▼後編はこちら

「ジャニヲタリカちゃん」はこうして生まれた-「リカちゃん」オタク・みづきさんの場合(後編)-【連載】私たちコレクターズ #006

※「Twitter」は、Twitter, Inc.の商標または登録商標です。

Series 連載コラム

一覧はこちら

Page top