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悲劇!お気にいりの漫画に黄ばみが……汚れのお手入れと保管方法をチェック!

仕事から開放された夜や休日の家ごもりですることといえば、オンラインの動画視聴と読書。暇つぶしに電子書籍でサンプル漫画を読みあさり、気に入った漫画は全巻ポチる。書店に行けば、毎度配送無料の制限超え。こんな“本コレクター道”を歩いた結果、オーバー8000冊の蔵書に囲まれて過ごす翻訳家・かとうちあきです。

本好きの人は丁寧に本の手入れをするものだと思われがちですが、実のところ、私はかなり大雑把です。だって、手入れに時間をかけるぐらいなら、読書に時間を使いたいんですもの! とはいえ、小さなころから20数回引っ越し、引っ越すたびに司書さんや書店員さんに聞いたり、調べたりしながらお手入れを実践しています。これまでに試した数々の方法のなかから、テキトーな私でもできる「本をキレイに、カンタンに、お手入れキープ」できる方法をご紹介しましょう。

本コレクターとして、気を付けているのは、「黄ばみ」「汚れ」「湿気」「帯など付属品の保管」です。しっかりお手入れすれば、古書価にも影響しますから。お手入れ方法を知っていれば、手持ちの漫画をキレイにできるだけでなく、「汚れているかも」と避けていた古書店が、安くて大量のコレクション仕入れ先に変化しちゃいますよ!

黄ばんだ漫画にショック!一番の敵は太陽だった

そもそも、私の蔵書はもっと多く、もっと古いものがありました。子どものころにお小遣いをやりくりしてそろえた膨大な漫画コレクションが。それなのに、留学で実家を離れていた間に私の荷物が処分されてしまい……帰国したら、残っていたのはコンポだけ。泣く泣く再度買いそろえ、増えに増えた2000冊を超えるわが家の漫画の半分は、購入して10年以上たった古株たちです。さらにいうと、そのほとんどが単行本。新刊でも500円弱で販売しているから、安さにつられて毎月10冊は仕入れます。でも、手軽な価格相応に、黄ばみなどで傷みやすいのも彼ら。

本の劣化で多い「黄ばみ」ですが、それだけで古くさい印象になりますよね。新刊書店と古書店の本を比べるとわかりやすいもの。お気に入りの漫画が、黄色っぽく変色しているのを見ると切なくなります。こうした劣化の原因のひとつに、紫外線が挙げられます。紫外線はやっかいなもので、紙だけでなくインクまで変色させるようです。

紫外線から漫画を守る一番簡単な方法は「日差しの入る窓から、本棚の位置を離すこと」。窓のそばには本棚を置かない。本棚を窓に向けない。直射日光なんてもってのほか。

ちなみに、蛍光灯も本の劣化に影響があるという説もあります。そのため、窓際避けルールに加えて、わが家では本に照明を当てないようにしています。

これはカビ?黒ずんだ漫画に警鐘!

ほこりも本には大敵です。黒ずみの原因になる可能性もあるので注意したいですね。さらに、日本は湿気の多い国。湿気を含みやすい紙に、ほこりが「フタ」をしてしまえば、本に含まれた湿気が解消されづらくなってしまいます。定期的に本の上をはたいて、ほこりが積もらないように掃除してあげましょう。

たまにテーブルクロスなどを本にかけて、ほこりを予防している本棚を見かけますが、ほこりと同様に湿気の「フタ」になってしまうので、避けることをおすすめします。

黄ばみや汚れのアフターケア コツはやさしく、ささっと

黄ばんだ漫画をそのままにしておくと、なんだか残念な気持ちになるものです。すでに汚れてしまった本は、アフターケアしてあげましょう。

表面の軽い黄ばみには、洗剤を使ってみよう

黄ばみの除去で、一番簡単な方法は洗剤を使ったケア です。

準備するもの:二度拭き不要の弱アルカリ性タイプの洗剤。手ぬぐいやウエスなどの乾いた布

<手順>
1. 手ぬぐいやウエスなどのやわらかくて乾いた布に洗剤を軽く吹きかける。
※「ちょっと湿っている」よりもさらに絞った湿り具合でないと、逆に本を傷めることになるので注意してくださいね。

2. 本の汚れた部分をやさしく拭きとる
※ゴシゴシこするのではなく、ほこりを落とすように、さっと拭きましょう。一度のケアでは汚れが取れず、続けるうちにだんだん消えていく場合もあるので、時間をおいて繰り返すとキレイになることがあります。

洗剤を使ったケアはやり方次第で、かえって傷つけることがあります。最初は洗剤の量を調節しながら、できるだけ優しくふき取るようにしましょう。また、洗剤が直接、手に触れないようにゴム手袋などを使用するようにしましょう。

小口や天地の黄ばみを白くする紙やすり

全体的に黄ばんでいない場合や、表面だけでも白くしたい場合は、紙やすりを使います。

準備するもの:中目~細目(150~400番ぐらい)と、極細目(1000~1200番ぐらい)の紙やすり2種

<手順>
1. まずは、中目~細目の紙やすりで小口や天地(本を閉じたときに見える、表紙・裏表紙・背表紙の部分)を軽く削る。

2. 表面の黄ばみが取れたら、仕上げとして極細目の紙やすりに持ち替え、同様に軽く削る。
紙やすりはホームセンターや100円均一ショップで入手できます。こちらも洗剤を使うとき同様に、ゴシゴシ厳禁! なでるように整えるのがポイントです。

そのほか、貼り付いたゴミや手あかなどの汚れの場合は、消しゴムも有効。強くこすらず、軽く動かすようにしましょう。いずれにしても、紙質によりますので、どの方法でも、先に目立たない場所で試してからお手入れをしてくださいね。

湿気どころか、水ぬれでフニャフニャになったら

ドリンク片手に本を読むのは、よくカフェなどで見かけるスタイル。でもうっかりこぼして悲劇……とまではいかなくても、コップの水滴が染みて漫画がフニャフニャになったツライ経験はあるはず。新しく買うという選択肢もありますが、まずはあきらめずに修復してみましょう!

まだ濡れている本なら

まだ濡れている状態なら、ページに1枚ずつコピー用紙や紙ナプキンなどを挟みます。本を閉じて押し、水分を挟んだ紙に移して乾かします。愛蔵版や文庫版など、ページ数が多い場合は少しずつ挟んで乾かす、を繰り返せばOK。さらに、ページに風が行き渡るように、扇風機などで風を当てて乾かします。ドライヤーを使うときは、冷風モードがおすすめ。完全に乾いてから、本などを重しにして数時間放置。これで紙は平たくなるはずです。

すでに乾いているけどフニャフニャになったままの本は

完全に乾いてしまった漫画なら、重しの工程のみ進めましょう。ただし、古書店で売られているフニャフニャ本には有効でない場合があります。というのも、すでにプロが修復をあきらめた商品だから。信頼している店員さんなら、「これは素人でも修復できる?」と聞くのもアリかもしれません。

コーヒー汚れは染み抜きから

ちなみに、コーヒーをこぼしたときは、先に染みを取ります。まずは焦らず、コットンなどに水分を吸い込ませましょう。こすらず、そっと吸い込ませるのがポイントです。続いて、汚れたページの裏に紙を敷き、台所用漂白剤を染み込ませたティッシュでトントンとなじませます。漂白剤は原液でも構いませんが、心配なら使用量の倍の水で薄めた液を使い、それでも取れなければ濃さを調節してくださいね。濃い染みが抜けてきたら、新しいティッシュに水を染み込ませ、同じように裏に紙を敷いてトントンと染み部分をなじませて漂白剤を除きましょう。あとは、乾燥させたら染み抜きの終了です。

一度でキレイになる場合もありますが、時間がたった汚れは取れにくいかも。漂白剤使用時は、説明書きにあるとおり、液に直接手で触れるのは避け、換気に気を付けながら実施してくださいね。

シール跡が取れない!本を傷付けずに落とす方法

古書店では、本のカバーに貼られる値札シール。最近ははがしやすいタイプのシールを採用している店舗もありますが、それでも価格が書かれた小さなシールは、古いほど跡が残りやすい憎いお方。レンタル落ち商品には、さらに強力なシールが貼ってあります。

こんなときは、シールはがし剤を使いたくなるものですが、それは最終手段。まずはドライヤーで温めて、ゆーーーっくりとシールをはがしてみましょう。ベタベタした粘着部分を最小にするつもりで、できるだけシール面を取り除きます。ある程度はがれたら、はがしたシールの粘着部分を、残ったベタベタ部分に何度も押し付けてみてください。それでも残ったら、消しゴムをやさしくかけます。

カバーではなく、本体にシールが貼られている場合は、取り除いたときに絵柄が薄くなることもあるので、気を付けましょう。この作業は焦らずに、時間がかかるものと思って、丁寧に実施するのがポイントです。

愛あふれるキャッチコピーがつまった「帯」 保管はどうする?

古書的な価値は低かろうが、コレクターとしては外せないのが「帯」。初版とそれ以降では、帯のデザインが変わるからと、重版するたびに買う人がいるほどです。とはいえ、帯を付けたまま本棚に並べると、引っかけたり摩耗したりで、いつか破れます。

購入直後の状態を保ちたいなら、透明タイプのブックカバーを上からかけておくのがおすすめです。手あかが付きにくいことや、人に貸すときに「大事なもの」感が出るのもメリット。

カバーを外した本体に帯を巻き付けて、その上からカバーをかけなおす方法でも劣化しにくいです。どんな帯が付いていたのか忘れそうじゃないかですって? いえいえ、漫画好きはほぼ確実にカバーをめくって本体の表紙をチェックしたくなりますから、大丈夫!

折り曲げて本に挟むのもアリ。しおり代わりになるのがいいですね。デメリットは折り目がしっかり付いてしまうことです。
箱などに別保管することもできますが、帯も含めて装丁を考えた出版関係者の想いを考えると、やっぱり本と一緒に保管したいものです。

大切な漫画を守る!私が行きついた理想の本棚環境

これから新刊で集める大切なコレクションたちを守るには、本棚を替えるのも一手。一番のおすすめは「扉付き」の本棚です。ガラスではなく、棚の中が見えないタイプの扉が付いているものです。
また、奥行きのある棚でも、本を前後に2列並びにしなければ、本が奥にある分だけ光が届きにくいので、蛍光灯から守りやすくなります。

どんな形の本棚にしても、注意すべきは湿気。私は過去にカビを発生させ、本棚を数台廃棄した苦い経験から、温湿度計を数カ所に置いています。住んだ家によっては除湿機を使っていました。

コレクションするだけで、たくさんコストも労力もかかるんですよね。10年後や20年後も、同じ漫画が読みたいもの。まずは、なるべく本にやさしい保管環境を整えてあげるのがベストです。そして、傷んでも復活できると覚えておけば、大丈夫。大好きな漫画を長く愛読するためにも、しっかりケアをしながらコレクター生活を楽しみましょう!

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