ミュージアム部から、日本の文学世界をもっと楽しめるグッズがデビューしました。作品世界をイメージしたお茶、物語のヒロインの魅力を身にまとえる靴下、文豪たちの交友エピソードをもとにしたポーチの3種類です。
谷崎潤一郎、太宰治、中原中也、中島敦、高村光太郎、室生犀星、江戸川乱歩……。たくさんの文豪たちや名作が登場しますので、ぜひご一読ください。
LITERATURE 01.
作家の紡いだ言葉を飲みほして
文学作品イメージティー
宮沢賢治は『注文の多い料理店』序文において、「これらのちいさなものがたり」が「あなたのすきとおったほんとうのたべもの」になれば、とつづりました。物語が美しい食べ物になる。作家が書いた物語が、読んだ人を構築する一部になる……。そんな感覚に憧れて、作品世界に登場する印象的なモチーフや、それぞれを象徴する色から連想した文学イメージティーを作りました。作品をより楽しめるアレンジ例とともに、4種のお茶をご紹介します。
中島敦『山月記』× 虎に還るように色が変化するお茶
山月記のあらすじ
中国・唐の時代が舞台。李徴は役人を辞めて詩家を志すが、現実は厳しく再び地方官吏として働くことに。耐えきれず行方をくらませた李徴はやがて一匹の虎に変化する。虎となった李徴の前にかつての友人・袁傪が通りかかり、李徴は自らの人生を振り返る。
中島敦『山月記』に描かれた「虎に姿を変える李徴と、別れの夜明け」をモチーフにしたジャスミン香る青いブレンドティー。
残月のようなレモンを入れると、人間が虎に変身するが如く、お茶の色が青色から赤紫色にふわりと変化します。 まるで作中の夜明けの空の色のよう。
高村光太郎『智恵子抄』× 天のものなるレモンの紅茶
『智恵子抄』について
高村光太郎は、妻・高村智恵子と出会ってから死後に至るまで、30年間に渡って智恵子への想いを詩や散文として記録した。『智恵子抄』はそれらをまとめた詩集。
高村光太郎の詩集『智恵子抄』につづられた一編・レモン哀歌から「わたしの手からとったひとつのレモン」をモチーフにした紅茶です。
香りがはじけるように立ち上る、新鮮なレモンをトッピングして。まるで自身の半身のようにも思える大事な人と、一緒の時間を過ごしたい。そんな時におすすめなアレンジです。
室生犀星『蜜のあわれ』× 燃えている金魚のように赤いお茶
『蜜のあわれ』のあらすじ
老作家が小説の力で人間に化けさせている、金魚の赤子が主人公。赤子はまるで本物の人間のように歯医者に行き、おしゃれを楽しみ、お出かけをする。そして老作家の講演会で、彼を想って現世を漂う幽霊の女性と出会い……。
室生犀星『蜜のあわれ』に描かれた「誰より大胆で無邪気な金魚の女の子」をモチーフにしたフルーツハーブティー。金魚のように赤いお茶の色が目を惹きます。
冷やした赤いお茶に、室生犀星といえばの果物・あんずやベリーを加えてフルーツティーにしても。色とりどりな果物と一緒に、真っ赤な金魚・赤子のはじけるような魅力をお楽しみください。
江戸川乱歩『孤島の鬼』× 宝石より魅力的なチョコレートの紅茶
『孤島の鬼』のあらすじ
主人公の箕浦は、同僚の初代と恋に落ちる。初代は、箕浦からの指輪のお返しに、肌身離さず持ち歩いている「命の次に大事な系譜図」を彼に渡した。その後初代は事件で命を落とし、現場からは常に持っていた手提げと、何故かチョコレートの缶が消えていた。復讐を誓う箕浦は犯人探しに奔走するが、しかしこれは壮大な事件の一部分に過ぎなかった。
江戸川乱歩『孤島の鬼』で描かれた「最初の事件解決の鍵を握ったチョコレート」をモチーフにした紅茶です。
チョコ風味の紅茶に、ミルクとお砂糖を加えて糖分摂取。主人公たちと一緒に、怪事件の犯人を推理してみてはいかが?
きっと犯人は、きれいなものと甘いものに目がない人物でしょう。ちなみに著者の江戸川乱歩も甘いものが好きだったのだとか。
文庫本サイズの箱にも楽しみが
万年筆インクの色彩が美しい本型ボックスに、ティーバッグ17個を入れてお届け。飲み終わった後は、小物入れに。本棚にさりげなく飾っても素敵。付属の説明カードは切り取るとしおりにもなります。
読書とともに、素敵なティータイムをお過ごしください。
YOU+MORE!×ミュージアム部 日本近現代文学の世界に浸る 文学作品イメージティーの会
月1セット ¥1,800(+10% ¥1,980)
LITERATURE 02.
太宰治と中原中也のエピソードを
つめこんだ鯖缶風ポーチ
太宰治と中原中也の間で、こんな会話が交わされたのだとか。
何だ、おめえは。青鯖が空に浮かんだような顔をしやがって。
……。(泣き出しそうな顔)
全体、おめえは何の花が好きなんだい?ええ?
モ、モ、ノ、ハ、ナ
(今にも泣き出しそうな声で)
「青鯖が空に浮かんだような顔」という詩人によるユニークで斬新な暴言に心惹かれて、文豪たちの交友エピソードを詰め込んだレトロかわいい缶詰風ポーチを作ってみました!
知るほどにおもしろい!文豪たちにまつわるモチーフ
作家といえばホテルなどにこもり執筆に専念する「カンヅメ」、鯖といっても「缶詰」……ということで、二人の交友関係をレトロかわいい缶詰風デザインに落としこみました。
太宰の出身地、青森県でも獲れる「ゴマサバ」に、中也に詰め寄られた際に太宰が好きだと答えた「桃の花」をあしらいました。
中原中也のトレードマーク「御釜帽」もデザインに取り入れました。
ちなみに太宰、中也についてこっそり「ナメクジみたいにてらてらしたやつ……」と悪口を言っていたそう。
青い薔薇は、二人の始まりである同人雑誌『青い花』から。ドイツ・ロマン主義の作家・ノヴァーリスによる小説のタイトル『青い花』が由来だそう。
背面には、二人の出会いのエピソードを印字。細かいロゴ風デザインまで、文学風味を感じさせるデザインに。
まるで本物の鯖缶のようなバーコードも。太宰ファンのみなさま、「1909061919480613」の数字が何を表すかわかりますか?
デイリーに活躍する缶詰ポーチ
エピソード満載のポーチ、もちろん見た目だけじゃありません。内側にはポケットが2個あってこまごましたものを整理できます。
おしゃれに気を使っていた太宰治を想いながら、コスメを持ち運べます。
ミュージアム部 太宰治と中原中也の逸話より “空に浮かんだ青鯖(あおさば)”の缶詰風ポーチ
1個 ¥2,500(+10% ¥2,750)
LITERATURE 03.
文豪の「脚フェチ」美学に敬意を
谷崎潤一郎作品
ヒロインイメージソックス
谷崎潤一郎(1886 – 1965年)
大正・昭和時代に活躍した作家。純文学作品である『痴人の愛』『細雪』『春琴抄』などが代表作だが、戯曲やミステリーも書き、源氏物語の現代語訳を手がけるなど非常に幅広く活躍した。彼の芸術性をつき詰めた文学は海外からも評価が高く、数多くの翻訳本が出版されている。
女性の美しさ、特に脚に関する描写に凝っていた耽美派の第一人者・谷崎潤一郎。
たとえば彼の著作『刺青(しせい)』では、主人公の彫り師が魂をこめた作品を彫るのにふさわしいモデルを足の美しさで選ぶ描写が。『瘋癲老人日記』では主人公の老人が好きな女性の足の形で仏足石を作って自分の墓石に仕立てようとしたり……。
そんな大文豪の美意識が、情緒的で豊潤な作品を生み出したひとつの理由ではないでしょうか。
その独自の美意識に畏敬の念を表して。現代社会で活躍する女性の脚を美しく彩ることを目指して、「谷崎作品に登場する、魅力的な女性たちのイメージをデザインに落とし込んだ靴下」を作りました。
『人魚の嘆き』より 人魚の靴下
『人魚の嘆き』のあらすじ:
中国・清代の南京。大富豪の家に生まれ、若くして当主になった貴公子。頭がよく、美貌にも恵まれ、地上のすべてに飽き飽きとしていた彼の前に、「人魚」を連れた商人が西洋の国からやってくる。
「真珠よりももっと貴い、美しい人魚」をイメージした靴下。中国・清の貴公子と、西洋の人魚の間に芽生えた恋心から着想を得て、シノワズリテイストに落とし込みました。
人魚のうろこ、心臓、珊瑚、真珠、涙、水晶の珠玉のような無数の泡をデザイン。
『痴人の愛』より ナオミの靴下
『痴人の愛』のあらすじ:
カフェで働く美しい少女・ナオミに恋をした主人公・譲治は、彼女を自らの理想の女性として育てあげて結婚するために自宅に引き取る。生真面目だった主人公の人生が、一人の少女によって転落していく。
「主人公を惑わせる少女・ナオミ」をイメージした靴下は、美しく成長するにつれ暴走していく少女の印象を、ハイカラなデザインに落とし込んでいます。
幼い頃のナオミが好きだと言ったチューリップや、彼女が自分で買った鴇色のリボン、シャボンなどをモチーフに。
『春琴抄』より 春琴の靴下
『春琴抄』のあらすじ:
容姿端麗で舞踊にも秀でた春琴は、9歳の時に病気で視力を失い、以降三味線奏者として生きる道に進む。春琴の世話係をつとめる丁稚・佐助は、ひょんなことから春琴に三味線を師事することとなり、二重の主従関係がはじまる。
「天才三味線奏者・春琴」をイメージした靴下は、薬種商に生まれたお嬢さまという立場、そして彼女が生きた幕末から明治時代の時代背景から和風で落ち着いたデザインに落とし込みました。
春琴をたとえた姥桜の花、三味線の糸、彼女が愛したうぐいす 「天鼓」 などをモチーフに。
ヒロインイメージソックスの楽しみ
おしゃれを楽しみながら、作家の美的感覚やヒロインたちの魅力を楽しく学べる靴下。コーディネイトのワンポイントにもぴったり。この靴下をするりと身にまとえば、3つの物語のヒロインたちのように更に魅力的な女性に変身できるかもしれません。
ミュージアム部 脚をより美しく魅せて 谷崎潤一郎の著作に登場するヒロインイメージソックスの会
月1足 ¥1,200(+10% ¥1,320)
日本近現代文学を身近に楽しもう
文学好きの方は、ますます作品世界に浸って楽しめるグッズ。読書はひさしぶりという方もこのグッズをきっかけに、魅力的な作家たち・そして彼らの作品に興味を持っていただけたらうれしいです♪
YOU+MORE!×ミュージアム部 日本近現代文学の世界に浸る 文学作品イメージティーの会
月1セット ¥1,800(+10% ¥1,980)
ミュージアム部 太宰治と中原中也の逸話より “空に浮かんだ青鯖(あおさば)”の缶詰風ポーチ
1個 ¥2,500(+10% ¥2,750)
ミュージアム部 脚をより美しく魅せて 谷崎潤一郎の著作に登場するヒロインイメージソックスの会
月1足 ¥1,200(+10% ¥1,320)
ミュージアム部
「ミュージアム好き」が集まって活動しているフェリシモの公式部活。カタログやウェブサイト・SNSなどのメディアを通じて情報を発信し、暮らしの中で楽しめるオリジナルグッズを企画しています。