フェリシモCompany

「ひらけ わたし!~わたしのほんとうの肩書きをつくってみよう~」

勉強家/京都精華大学人文学部 特任講師

兼松佳宏さん

開催日
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Profile

1979年生まれ。ウェブデザイナーとしてNPO支援に関わりながら、「デザインは世界を変えられる?」をテーマに世界中のデザイナーへのインタビューを連載。その後、ソーシャルデザインのためのヒントを発信するウェブマガジン「greenz.jp」の立ち上げに関わり、10年から15年まで編集長。 2016年、フリーランスの勉強家として独立し、著述家、京都精華大学人文学部特任講師、ひとりで/みんなで勉強する【co-study】のための空間づくりの手法「スタディホール」研究者として、教育分野を中心に活動中。 著書に『beの肩書き』『ソーシャルデザイン』、連載に「空海とソーシャルデザイン」「学び方のレシピ」など。秋田県出身、京都府在住。一児の父。

※プロフィールは、ご講演当時のものです。

講演録 Performance record

第1部

講演をする兼松さん

兼松さん:
こんにちは、兼松と申します。「勉強家」という肩書きでやらせてもらっています。そんな変な肩書きの人の話にどんな方が来られるのだろうと思ったら、眼鏡の人が多いのかな、そんなことないですか。たくさんの方に来ていただいてうれしいです。ノートに向かっている僕の写真がありますが、「写真とイメージが全然違いますね」とよく言われます。そう思った方がいるとすれば、もう僕の術中にはまっているわけです。

僕のbeの肩書きは「勉強家」というのがもちろんあるのですが、実は喜劇俳優というかコメディアンのような人でありたいというのもあります。なので、小さいボケをわかりにくいのも含めて挟んでいこうと思っています。ここは関西ですので、ちょっと甘えさせてもらいたい。僕は生まれは秋田で東北出身の田舎者ですが、3年前に関西に来させてもらってあたたかいというか、ボケをちゃんと拾ってもらえて、ツッコミは愛だと思っていて、関西に甘えさせてもらっています。

普通、肩書きは外に向かって「私はこういう者です」と名乗るものだと思いますが、今日は僕が人生をかけて見つけてきた「勉強家」という肩書きについてお話させていただきつつ、みなさんにもそれぞれの大事にしたい、毎朝、自分に向かって唱えたくなるような肩書きが見つかるといいなと思っています。怪しいですけどほぼ毎朝、僕は「私の仕事は勉強家」と言い聞かせています。でも、それくらいしないと「俺は何者だったっけ」と忘れがちなのではないかと思います。

■肩書きは人生にとって意外と大きい

兼松さん:
たくさんいらっしゃるので僕が緊張します。僕が緊張するとみなさんも緊張します。お互い緊張をほぐしていきたいと思うのでご協力ください。先ほど「後半にワークショップをします」と言いました。3人で座っていらっしゃいますが、この3人はすごいご縁です。たまたま今日お会いして、「袖ふり合うのも多少の縁」「三人寄れば文殊の知恵」と、仏教が大好きなのでそんなことをいっぱい言いますけど、この3人でいろいろやっていくことになりますので、お互いにどんな人かを簡単に共有してから始めたいと思います。まず、1周目はこれです。

「#スライド」

兼松さん:
「おなまえは? 」。おなまえありますよね、みなさん。「どちらから? 」というのは住所を特定できるようなプライベートなことは言わずに「あのあたりから」でもいいですし、「ひとつ前の予定でこんなことをしてきました」でもかまいません。あとは「楽しみにしていることは? 」というので、ポイントは「何をしている人かを聞いていない」ということです。いま、どんなことを楽しみにして、その中で「実はこういう仕事をしていて、だからこういうことなのです」というのは全然OKですが、みなさんのdoの話、「何をしているか」を話すわけではなくて好みのことです。

「#スライド」

兼松さん:
これがひととおり終わったらもう1周、お題を出します。今日は「肩書き」がテーマです。それで思い出していただきたいのですが、よくも悪くも思い出に残っているニックネームや肩書きをお持ちではないですか。

僕で言うと、26歳だからいまから15年くらい前に「チーフ スピリチュアル オフィサー」という肩書きを名刺に入れたことがあります。チーフ スピリチュアル オフィサー、何者でしょう。いまとなっては黒歴史です。勉強家はまだ黒歴史ではないです。僕にとって誇らしい肩書きです。または、この前、同じお題で話してもらった時に、バレーボールをしていた人が、僕はわかりませんがコートネームというのがあるのですか、試合をする時に呼び合うなまえを「かえで」とか雅(みやび)ななまえに統一していて、「高校卒業して20年たってもいまだに『かえで』とか言われていやだ。早くその呪縛から逃れたい」と。

何でこんな話をするかというと、ニックネームや肩書きは自分が名乗るほどどんどん染み込んでいきます。勉強家と言えば言うほど「勉強しなきゃいけないんじゃないか」と前向きにとらえられるのです。「僕は勉強家だったな」と。つよしくんという人がいたら強くなっていくのかもしれません。肩書きがその人を作ることもあるし、でも逆に呪縛になる時もあって、人に「社長」と言われると社長然としなければいけなくなるとかあるじゃないですか。でも、人になまえをもらって言っていただいた方がその人らしさが出てきたりもして、肩書きやニックネームは意外と人生にとって大きいということをみなさんに振り返っていただこうというお題です。

では、3人組で「こんにちは、初めまして」ということでまず顔を見合わせていただいていいですか。その中でいちばん厚着の方を決めてもらって、その方から時計回りでおひとり1分ずつ3分くらいこのお題を出します。みなさんと時間が来た合図を共有します。僕が手を上げたらみなさんもまねをして手を上げていただくやり方です。練習していいですか。

「#兼松さんが手を上げてお客さまも手を上げる」

兼松さん:
こうなったら終わりです。段々ボリュームが下がってくるので、ひとりでしゃべっていると目立ってきて自然と終わるというやり方です。目安の1分は計らないので自由でいいです。「おなまえは? 」「どちらから? 」「楽しみにしていることは? 」で時間が来たら次のお題の「ニックネームや肩書き」に行きます。これはすぐに思い出せないかもしれませんが、人の話を聞いたら思い出せることもあるかもしれないので、まずはウォーミングアップでやっていこうと思います。では、厚着の方から時計回りでお願いします。

「#ワークショップ」

兼松さん:
ありがとうございます。すごい熱量です。いまは横に並んでいるので話しにくいかもしれませんが、後半のワークショップは散らばって、三角形になってお互い話しやすくしますので、最初だけご了承ください。

では、もう1周いきましょう。これは思いついた方からでかまいません。いけそうなら手を上げて語り出してもいいです。これも3分くらい。小学校時代、中学校時代、あるいは新入社員でいきなりつけられた未来統括局勤務とかありませんか。フェリシモさんには未来統括局があったのです。素晴らしいですよね。思い出に残ります。おもしろい、自分にとって意味があったもの。よくもわるくも笑って話せるもの。でも、かさぶたをはがすようなことではないので、言いたくないことだったら言わなくてかまいません。3分お渡ししますので3人の中で言えそうな方から、全員でなくてもいいので、お願いします。

「#ワークショップ」

兼松さん:
めちゃくちゃ盛り上がっています。さっき「初めまして」ですよね。「あれ? 」みたいな。飲み会でやるとめっちゃ盛り上がりますが、実はお互いのライフヒストリーを引き出す質問だったりします。本当はおひとりずつそれぞれの黒歴史や白歴史を聞いていきたいです。

ワークショップで呼んでほしいニックネームはこちらが勝手に言うのも何なんで自分で決めてもらうのですが、ある女性の参加者が「冷凍みかん」と書いていました。「冷凍みかんさんとお呼びすればいいですか」「はい」「冷凍みかんさん、どう思いますか」。やっぱり言いにくいので段々、「冷凍さん」になってきます。でも、みかん成分が大事だったみたいです。また、僕は秋田生まれなので「秋田美人」と呼ばれたことがありました。屋久島にひとり旅に行った時ですが、みんな言いにくそうで「すごいイヤだな」とかいろいろ思い出しました。僕の子どもは5歳で、幼稚園の同級生に*カリナ*ちゃんというめちゃくちゃかわいいハーフの子がいます。*カリナ*ちゃんと僕は相撲が大好きすぎてお相撲をとるので幼稚園でしこ名をつけるのがはやったらしくて、*カリナ*ちゃんは「かりんとう」になっていて「めっちゃ、いいなー」と。生活のいろいろな所に思い出とともに呼び名やニックネーム、肩書きがあるのではないかと思っています。

ニックネームや肩書について聞くお客さま

■勉強家という肩書きは自分を100%伝えている感じがある

兼松さん:
改めて、僕は勉強家の兼松と申します。勉強家と名乗る人はそんなにいないと思います。なぜかというと、「勉強家だね」「努力家だね」は人に言われる言葉なので自分で名乗ると違和感があります。だからみなさん、「勉強家ですか」みたいな反応で、ワコールの会長さんと名刺交換した時には「いちばん苦手なタイプだわ」といきなり言われました。「そうですよね。すみません」と。30歳から40歳にもうすぐなりますが、もう10年名乗っているのでいろいろツッコミにも慣れてきて、おかげさまで強くなりました。

こんな変な肩書きを名乗っていると『これからの僕らの働き方』で「次世代のスタンダードを創る10人」に選んでいただいたりします。妙な話ですが、僕が自信をつけたのは、日経新聞の記者さんがきっかけでした。「何で変な肩書きをつける人が増えているのでしょうか」ということで、例えば、みそやしょうゆの「発酵デザイナー」や「デニム三兄弟」、職業特集でだいたい僕の隣になる「低山トラベラー」という人がいます。高野山とか比叡山とか低い山専門の旅ガイドで、(低山は)800mとか1,000mとよく言われていますが、おなかの中の気圧と同じらしいです。だから世界中の聖地がそのあたりにあるので、「低山ってなんかいいんだな」と。僕も「フリーランスの勉強家」と言っていたのですが、日経新聞の記者さんから「いろいろリサーチした結果、いちばんよくわからなかったのが兼松さんです」と連絡をいただき、1泊2日の密着取材を受けていまでも映像が見られます。「なるほど、日経新聞記者のリサーチ力を持ってしても僕の肩書きはおかしいんだ」と、そこからちょっと胸を張って勉強家で押していこうと。でも、それも37とか8なので、7年間は地味に、とりあえず言ってきたのですが、みんなにおもしろがっていただくので「何で僕の肩書きにみんな、あれやこれや言ってきたくなるんだろう」と。

僕は京都に住んでいますが、「京都精華大学人文学部の特任講師としてソーシャルデザインを大学生に教えています」と言ったら近所の方々に安心されます。でも、周りの方へのごあいさつで、そばを持ってきて「勉強家です」と言ったらたぶん回覧板は回ってこない、ことはないと思いますけど、ヒソヒソと「何者だ、あいつは」となるわけです。確かに「大学の先生」には社会的な安心感があるのですが、それは僕の場合、フリーランスだったのでコロコロ変わっていったりもして、むずがゆさというか「それだけじゃないんだけどな」というのが常につきまとっていたのです。

でも、「勉強家」と言った途端、この感じが勉強家らしいかは置いといて、僕としては100%、伝えている感じがあるのです。そこから話も広がるので、そんなことをコラムに書かせてもらったらいろいろな方に反響をいただいて本を出すことができました。だから僕も全然、こんなふうに広がるとか、受け入れてもらえるとか思ってもいなかったので、すごくありがたいと思っています。

僕はもともと『greenz.jp』というウェブマガジンの編集長をしていました。2006年に立ち上げてもう13年、干支ひとめぐりしたくらいのメディアで、立ち上げからかかわっています。3年くらい前に大学の教員になる時に編集長は卒業したのですが、ずっとそういうメディアの経験をしていました。

「#スライド」

兼松さん:
グリーンズのテーマがソーシャルデザインということで、社会的な課題をどうクリエイティブに解決していくのか、「社会の問題は、楽しく解決できる」「ほしい未来は、自分たちでつくる」というテーマで世界中の事例について、いまは3,000個とか4,000個の記事が見られますが、記事を作ってきました。なので、社会的活動に詳しい人ということでいま、京都精華大学でソーシャルデザインを教えています。

「#スライド」

兼松さん:
今回の講演をフェリシモさんでさせていただくのは僕にとってすごくありがたくて、実は2006年、TwitterやFacebookがない時代にフェリシモさんが国連のユネスコと一緒に世界中のソーシャルデザインの専門家をつなぐプラットフォームをしていました。僕はこれに普通に日本人として登録して、ヒントをたくさん得ていました。フェリシモさんは日本を代表するソーシャルデザインカンパニーなわけです。ということで今回、恩返しと言ったらおこがましいですが、うれしい晴れ舞台をいただいたと思っています。

「#スライド」

兼松さん:
ソーシャルデザインを調べていった結果、空海さんと共通点がたくさんあると思いました。今日はこの話をするわけではないのですが、これだけ話しても24時間いけますが、空海さんとソーシャルデザインの何が近いのか、もっと言うと仏教の教えと社会的な課題をクリエイティブに解決するソーシャルデザインの何が共通するのか、少しだけお見せします。

ソーシャルデザインについて語る兼松さん

■本来の自分から始めれば何をするべきか見えてくる

「#スライド」

兼松さん:
いろいろな事例を見てきた結果、ソーシャルデザインは4つの要素、すなわち「本来の自分」「リソース」「ほしい未来」「デザイン」が必要だと思いました。そして今日、みなさんにやっていただく「beの肩書き」は「本来の自分」のためのワークショップです。これは大学の授業のために考えたワークショップで、それをオープンにいろいろな方に体験していただいています。「本来の自分」は「みなさんは何者なのですか」ということです。これ以外の「リソース:何を活かしてそれをするのか」「ほしい未来:何に向かってソーシャルデザインをするのか」、そして「デザイン:どんな方法でソーシャルデザインをするのか」、この3つは結構当たり前だと思うのです。

ソーシャルデザイン的なプロジェクトをやめてしまう人が結構いましたが、そういう人たちに共通していたのは、何か無理をしていたとか、自分が本当は得意ではないことをやり続けていたということです。あるいは自分が本当に大切だと思うことではない、例えば貧困問題や世界の飢餓や、何でもいいですが、新聞などのメディアで重要だと言われていることをやってきた結果、自分が本当にそれをやりたいのかよくわからなくなったところで燃え尽き症候群になったり、その道から急に離れてしまったり、「自分は何がしたかったのだろう」というところに立ち戻る方をたくさん見てきました。

なので、僕は逆に「本来の自分」から始めませんかと。みなさんは何者なのでしょうか。これは現代の日本の教育ではずっと問われてきませんでした。替えがきく部品のような働き方が推奨されて、「辞めたら新しい人を補充すればいい」「属人性を出したらいけない」と。そういうのではなくて、本来、自分のやりたいところと仕事がかけ算できた時に、強烈にいいものが生まれることもあるわけです。21世紀に入ってそういう時代に変わってきたのではないでしょうか。なのでこの4つ、「本来の自分」「リソース」「ほしい未来」「デザイン」をかけ算していけば、何をするべきか見えてくるのではないかと図式を整理してみたのです。

「#スライド」(仏教の「菩薩道」4要素―発心、布施、慈悲、精進)

兼松さん:
そうしたら、「それは全部、仏教で言われていました」というのが僕がこれからやろうとしていることで、今年、本が出るのでよかったら見てください。「誰が」、発心というのは何かを始めようと思う心です。発起者の発起は仏教の言葉ですが、その道に進もうと強い決意をする、やっぱり「誰」が最初です。「ほしい未来」は「慈悲」だし、「デザイン」は「精進」だということにパーンと気づいてしまって、いまはこんな感じです。

「#スライド」

兼松さん:
絶対にメモできませんが、9つの曼荼羅にまとめてこれを本にしようとしています。よく見てください。beの肩書きはその中のひとつ、こちらでございます。これが今日、みなさんに体験していただくものです。beの肩書きを始めた後にほかの部分がさらに待っているということです。「自分は何者なのか」とbeの肩書きだけグルグル探し続けてもそれだけではまだ不充分で、本来の自分と出会った先にどう社会に貢献できるのか、そんな本を書こうとしています。

なぜこんな話をしているかというと、フェリシモさんには菩薩道経営なるキーワードがあると小耳に挟みまして、先ほど社長さんに確認したところ「いや、そんなことは言っていない」というお話があり、うなずかれましたけど、でも「もしかしたら会長さんが言っているのではないか」と*ミウラ*さんが仰っていました。ソーシャルデザインのフェリシモであり菩薩道のフェリシモであるとすれば、僕にとってど真ん中すぎるということで、ここまでは感謝の気持ちを述べさせていただきました。

■beの肩書きは自分が自分自身を思い出すためのもの

『beの肩書き』の本の表紙

兼松さん:
『beの肩書き』の本の表紙を見てください。みなさんもよかったらパッとボタンを取りましょう。本当に脱がなくていいですよ。自分の殻を破って本来秘めているものを見せようというコンセプトの表紙です。

「#スライド」

兼松さん:
beの肩書きについては後で話しますが、結構うれしいのはいろいろ使われていることです。これはTwitterのプロフィール部分で、ここに「beの肩書き:必殺壁打ち人」と書いてあります。「必殺壁打ち人」は何かというと、人の相談に対して壁打ちのように返してあげる人です。だから、まさまささんに言えば何でも自分の予想以上のアドバイスが返ってきます。まさまささんはそれでしあわせなのです。

「#スライド」

兼松さん:
あるいは、この方はbeの肩書きを「ハンバーグのパン粉」と書いていますが「つなぎ」です。要はいろいろな人たちがいる中でこの人とこの人をつなぐための間に入るような人、そういう自分になりたいというのでハンバーグのパン粉と名乗ってもらっています。

「#スライド」

兼松さん:
note(ノート)というサービスでも「幸せな人生の実験家」ですという人もいれば、この人は「ココロに火がつく子を増やす他動家」です。他動家というのは僕みたいにたくさん動く人です。こういうふうに自分のプロフィール文に「beの肩書きは」と入れてもらえるなんて僕は思ってもいなかったわけで、すごくしあわせだと思っています。

「#スライド」

兼松さん:
「人と場、情報、アイデアをミルフィーユロールキャベツのように料理するコーディネイターを目指します!! 」と自分のあり方を名刺代わりに作っていただいた方もいました。いま、beの肩書きというワークショップを通じていろいろな方が自分と出会いなおしている、そんな感じです。

「#スライド」

兼松さん:
これは「食べ物縛り」です。今日は「職業編」ということで、300個くらい職業名が書いてある肩書きリストの中から選ぶというやり方をしますが、この前、大阪でした時は食べ物にしぼりました。お互いに「初めまして」で4分くらい相手の話を聞き、話を聞いた残りのふたりが「あなたってかけるものはかわってもシンプルな筋を通す『かきごおり』のような人ですね」とか、「いろいろなものを吸収して大きくなる『ふ』のような人ですね」とか、これ好きですね、「食べ方にいろんな正解がある『たい焼き』のような人ですね」、どんな話をしたのでしょうか、食べ物縛りでやったらこんなふうになりました。感想をみなさんに1個ずつ紹介していきます。

「#スライド」

兼松さん:
beの肩書きに行った結果、いちばん多いキーワードは「ニヤニヤ」です。ニヤニヤする人が多いです。

「#スライド」

兼松さん:今日、最後にこんな感じでメッセージカードを渡しあいます。ラブレターを3人組で送りあうということです。それを「たまに見返すことがある」と。名刺サイズなので名刺入れに入れて持ち歩く人もたくさんいます。

「#スライド」

兼松さん:
照れる人もたくさんいます。世の中でほめられることがあまりにも少なくなっているみたいです。マイナスで見られる、引き算で見られることの方が多い。だから「これ、受け取ってください」というのがポイントで、「私はそんな人じゃありません」と言わないでください。その人にしたらそう見えたのは紛れもない事実なので。

「#スライド」

兼松さん:
「うれしくて涙が出そうだ」という方もたくさんいます。

「#スライド」

兼松さん:
これは鹿児島で170人でやったというものです。今日と同じくらいではないですか。「みんな照れて涙流しそう」とか。

「#スライド」

兼松さん:
これも「涙が出た」とおっしゃっています。

「#スライド」

兼松さん:
これは、今日やっていただいて終わりではなくて、この人は1年前にやって、もう一度やってみたら去年と全く同じことを書いていて、「それがぶれていないって大事だと気づくことができた」と。こうやって何回も、「3カ月に1回、やっています」という人も結構います。知らない人に言い換えてもらうと自分自身のあり方を発見できるのではないかということで、今日はそれを素直に受け取っていただけたらということを言いたかったのだといま、改めて思いました。

「#スライド」

兼松さん:
今日、最後にみなさんに渡しあっていただくのがこういう感じです。「笑ってくれる人のそばで花開く『喜劇俳優』のような人なのですね」みたいな、こんなカードを送りあうということだけ最初、伝えておきます。

カードを送りあうということについて語る兼松さん:

「#スライド」

兼松さん:
改めて「beの肩書き」ですが、よく話すのが僕は京都市民なので京都の市バスのことです。京都の市バスの運転手さんがYahoo!ニュースに載る時は暴言を吐いたみたいな謝る系のニュースが多いですが、正直、生活者目線ではバスの運転手さんはいい人が多いです。ひとり、社内アナウンスでめちゃくちゃ笑いをとるコメディアンのようなバス運転手さんがいて、僕は初めて「この人のバスに乗りたい」と思い、それまではどの運転手さんが運転していてもいいと思っていたことに気づかされました。目的地にさえ着ければ誰が運転してもかまわない、そこのdoしか見ていなくて、誰が運転しているかは見ていませんでした。なので、そのコメディアンのようなバス運転手さんを見た時に「いろいろな運転手さんを見てみよう」と思ったら、ひとことひとことがあたたかいセラピストのような運転手さんもいるし、無愛想だけれども曲がる時はむちゃくちゃかっこいい職人気質な人がいたり、すごくいいなと思いました。でも、運転手さんと普通に名刺交換をしたら「バス運転士」しか書いていないはずです。その人らしさは名刺には出ていない。なので、その人の見えている部分を島に例えると、その島の下にクツクツとわき出ているマグマがあり、この部分を僕はbeの肩書きと呼んで、いろいろな人のbeの肩書きを知りたいと思ったのです。

コメディアンのようなマグマを持った人がバス運転手でもいいですが、例えばコメディアンのような保育士さんがいたら最高です。子どもたちに大人気。だから、同じマグマを持っていても実はいろいろな島の可能性があるのかもしれないし、あるいは保育士という同じdoの肩書きだとしても、マグマの部分が小説家だったり冒険家だったり、いろいろなタイプの保育士さんがいるわけです。そういうことを知れたら、お互いにもう少し尊敬しあえる関係になると思っています。僕にとって「勉強家」は「beの肩書き」にあたります。この上の部分はもういっそ何がきてもかまわない、そんな気持ちです。

「#スライド」

兼松さん:
ちょっとわかりづらい図かもしれませんが、先ほどの山を横から見た図をドローンで上から見たら、同じ島でも東西南北と向きがあります。だから、doの肩書きもいろいろなdoがあっていいし、beの肩書きもいろいろなものがあっていい。ここまでやらなくてもいいですが深入りすると、これが1個の島だとすればハワイ諸島みたいにいろいろなdoが出てきてもいいのではないかということもやっています。

「#スライド」

兼松さん:
今日はしませんが、メッセージカードを書いて交換した後に、自分がいいなと思ったものを山の絵に描いてもらうこともしています。ちゃんとやると7時間コースで1日かけます。そうするとすごく深まっていきます。

「#スライド」

兼松さん:
これがいま、いろいろなやり方で全国に広まっていて、山梨モデルはbeの部分を漢字1文字にします。それを4つ並べると四字熟語みたいになるので「君はこんな人ですね」と四字熟語を共有していったら「これは戒名に似ている」ということになって、「beの戒名を作る」というワークで山梨では広がっています。戒名は生前からもらってもいいらしいので、ちゃんと住職の方のお墨付きです。

こちらはレゴです。言葉でコミュニケーションするとどうしても言葉にかたよりがちなので、言葉にする前に1回レゴで形にして、できあがった作品になまえをつけるというものです。僕のワークに足りないところがあると、みんなが全国で補ってくれる感じでいま、beの肩書きが広がっています。なので今日、おもしろいと思っていただいた方はぜひ、ご自身の周りの大事な方、2、3人くらいで全然かまいませんので「beの肩書き、ちょっとやってみない? 」という感じでトライしてもらえたらうれしいです。

「#スライド」

兼松さん:
そもそもの問題意識は、みなさんの名刺にどんなことが書いてあるのかはまだわからないのですが、「肩書きは自分なのか? 」問題です。肩書きは誰が与えるものなのでしょうか。普通は会社に所属すると名刺をもらうことになります。僕も京都精華大学と契約書を交わして初めて「大学の教員」と名乗ることができるので与えられるものだと思いますが、「勉強家」は自分で自分に与えたものです。そういう肩書きもあっていいのではないでしょうか。他者に「自分はこんな人です」とわかってもらうための肩書きもありますが、自分が自分自身を思い出すための肩書きもあっていいのではないかと思います。

それで、beの肩書きを「あるよね」と伝えていったら、「どうしたら僕もbeの肩書きを見つけられるのですか」というお問い合わせをたくさんいただくことになりました。「言いっぱなしはよくないな」と反省しまして、そこから1年以上かけていろいろなワークショップの手法を取り入れては「いま、どうですか。うまくいきましたか」と、自分の生涯の研究テーマのような感じで場を作るようになりました。その数、1年間で80回。計算したら4日に1回はどこかでワークショップをさせてもらっていて、今日もこれからやる内容はいままでやったことがないことを挟んでいます。そもそも、この150人規模というのが歴代最高です。なので、向く方向が多いことに戸惑って緊張して、ひとりひとりが気になっています。「なるほど、人数が多いとこうなるんだな」ということをいま、僕が勉強中です。

■ユーダイモニア:自分の可能性を最大限に発揮できているしあわせ

兼松さん:
勉強家なので、みなさんに3つの言葉を覚えて帰っていただきたいと思っています。テスト100点満点の内、1キーワード33点、間違えると一気に66点です。これだけ覚えて帰ってください。

「#スライド」

兼松さん:
ひとつ目です。ユーダイモニア。みなさん、僕がこの言葉を言ったらユーダイモニアと言ってください。ユーダイモニア。

お客さま:
ユーダイモニア。

兼松さん:
これでもう音で入ります。大丈夫です。ユーダイモニア。聞いたことがある方はいますか。すごい、どちらで。

お客さま:
兼松さんの記事で。

兼松さん:
私の本で。素晴らしい。これは僕が考えた言葉ではなくて、アリストテレスさんという有名な哲学者の言葉です。みなさん、アリストテレスさんは知っていますよね。アリストテレスさんに昔、若者がこう言いました。「俺、もうしあわせすぎてたまりません」。そうしたらアリストテレスさんは「待て、若者。君はしあわせだと言っているが知っているか。しあわせには2種類あるんだぞ。君のしあわせは本当のしあわせではない」と論破しました。どういうことでしょうか。

しあわせには2種類あります。ひとつがユーダイモニアで、もうひとつがヘドニアです。ヘドニアから先にお伝えすると、字が小さくて見にくいですね、すみません、150人用のスライドを作らなければというのが僕のいまの学びです。ヘドニアは日本語でいうと「快楽的なしあわせ」です。例えばスマートフォンでサッカーの結果ばかり見てしまうとか、お笑いをずっと見て時間が過ぎてしまって「後悔した。やらなければいけないことから逃げていた」とか、「ナタデココ食べなきゃ」「パンナコッタ食べなきゃ」みたいにはやっているからそれを食べなければというものもヘドニアにあたります。要は、自分からわき上がったものではなくて、外に振り回されていたり一時的なものです。その逆がユーダイモニアで、ひとことでいうと「自分の可能性を最大限に発揮できているしあわせ」です。「いま、最大限に発揮できているのかな」と思うとむずかしいですよね。

「#スライド」

兼松さん:
そのための問いがお渡ししている紙にあります。これはポジティブ心理学の領域で出てくるキーワードですが、これをヒントとしてみなさんに答えていただくことになります。まだやらなくていいですが、紙に書いてある問いのひとつは「自分では当たり前でも、二人以上から『すごいね』と言われることはありませんか」です。僕はずっと本を読んでいて、マンガみたいにガーンとぶつかるのを結構目撃されていて、「兼松さんっていつも本を読んでいますね」と。ユーダイモニアなものは自分では当たり前なのです。いろいろな人にインタビューしてきてわかったのですが、「特技は何ですか」と言われた時にその人から本当の得意技はサラサラと出てきません。例えば僕は人前で話をする時に緊張していると「緊張している」と言ってしまう人、弱さを隠せない人なのです。自分は特技だと思っていないわけですが、ほかの人からは「そうやって人前で話せること自体、すごいことだよ」と言われるわけです。「え、これ、すごいの」と本人にはわからないことで、だから「あなた、それってすごいんだよ」と誰かに言ってもらうことが大事なのです。「毎日、弁当を作っている。それ、すごいから」と。そういうことはヒントになります。自分のことは意外と自分はよくわかっていない可能性があるということです。

しあわせな瞬間とかフロー状態と言いますが、この「のめりこむ物は何ですか」とか「何かに感動した時に思わずやってしまいそうなことは何ですか」というのは、例えば僕が屋久島に旅をした時にむちゃくちゃ感動した景色がありました。朝、ある山頂の景色を30分くらい独り占めだったのです。僕は当時、デザイナーをしていたので感動した時に僕は絵を描くと思っていたのですが、僕はその時、詩を書いてしまったのです。何かに感動したら僕は言葉が出てくるのだと思って、その時、デザイナーをやめて言葉を仕事にしようと決めました。それくらい感動した時にやってしまうことはありませんか。

もうひとつ違う問いでいうと、僕は26歳の時に半分うつの状態で全く仕事ができなかった時がありました。そういう大変な時でも唯一続けられた仕事が雑誌の連載、毎月1本、1600字の記事を書くことでした。それだけはどんなにつらくてもできたのです。もし、大変な時でも続けられることが仕事になったら何でもできそうじゃないですか。僕にとって書くことは大事です。ちなみにいま、妻が体調をくずしていて今週は大変でしたが、このシャツは実は妻の手づくりです。バレンタインにもらいました。頭がボーっとして苦しくて何もやる気が出ないけど、手を動かしてシャツを作ることはできたと言うので、なら、もうそれをずっとやっていたらいいです。これは妻の手づくりシリーズでズボンもそうです。そういう自分なりの表現方法としてナチュラルにできてしまうものもみなさんにとってのユーダイモニアかもしれません。それがひとつ目、ユーダイモニアです。

自分の短所を違う角度でとらえなおすことについて話す兼松さん

■リフレーミング:自分の短所を違う角度でとらえなおす

「#スライド」

兼松さん:
続いて行きます。リフレーミングと言ったら言ってください。キーワード、ふたつ目はリフレーミング。

お客さま:
リフレーミング。

兼松さん:
ありがとうございます。リフレーミングを聞いたことがある方。ちょっと増えました。物事をとらえる解釈をフレームと言いますが、それを違う角度でとらえることがリフレーミングです。

「#スライド」

兼松さん:
どういうことかというと、いまもあるので「いまは亡き」と言ったらよくないですが、これはmixiというFacebookみたいにつながるウェブサービスです。そこに僕が大好きなコーナーがあって、他己紹介といってマイミクの友だちを紹介できるのです。これは僕がしてもらった紹介で、例えば『BRUTUS』という雑誌が本屋特集をすると必ず出てくるブックディレクターの内沼晋太郎さんという人がいます。彼と僕は15年以上前からずっと切磋琢磨してきた仲ですが、彼が「クリエイティブの力が世界を変えると目論む、共犯者の一人」と書いてくれているのです。1回も面と向かって言われたことがない。「言ってよ! 何でここで初めて言うの」。でも「そう思ってくれていたんだ! 」という喜びがここにあるわけです。これはもったいないと思います。川柳みたいですが「寄せ書きは 贈るタイミングが 遅すぎる」と。「先に言ってよ。俺、これから去るのに」ということです。

「#スライド」

兼松さん:
これは僕がずっと片思いしていた人です。「関係:不思議な踊り」と書いています。不思議な踊りってどんな関係なんでしょうかね。「とても純真なヒト。まっすぐなヒト。すごく向上心があるヒト。いつも走ってるイメージです。わたしにもそのバイタリティーを下さいな」と。「こんなの書いてもらったらほれてまうやろ」っていうね。で、告白したらふられました。でも、うれしかったです。「こういうふうに思ってくれていたんだ」と。

これは18歳から24歳まで6年つきあった元カノです。「難しい言葉やカタカナ語フェチのように思います」。何も変わっていません。ユーダイモニア、リフレーミング、カタカナ語フェチです。いまの妻を除いて自分史上いちばん長くつきあった人ですが、「その人のシンプルな説明がそれかよ」と。これはいいと思います。自分の1番の魅力を誰かに聞くというのが大事だと思います。

「#スライド」

兼松さん:
これはリフレーミングでよくある例です。この中で忘れっぽくて困っている方はいませんか。いっぱいいますね。みなさんはいまにこだわっていらっしゃいます。素晴らしい。いま、ここを生きていらっしゃいます。あるいは、この中で口が悪い方はいませんか、って上げづらいですね。心の中で上がっていますね。うそをつけないって素晴らしい。怒りっぽい方は素直で情熱的と書いてあります。だまされやすい人は人を信じることができる。消極的な人もその慎重さがチームには絶対必要です。統計的にも出ていますが、日本人は自分のことをネガティブにとらえやすいです。でも、周りからはポジティブに見えている可能性があります。例えば、僕が忘れものをするとか、よくブンとぶつかるとかできごとは一緒です。本人にとっては短所やコンプレックスととらえていることが、他者にとってはチャーミングポイントになっている可能性もあります。だから僕がフラフラしないで無理に動きを止めると、(とても小さな声で)「みなさん、こんにちは」と声が小さくなって、こちらの方がおかしいわけです。自分のコンプレックスを治そうとすると無理がどうしても出てきてしまうので、誰かに「あなたはこういう人ですね」と言ってもらうことがリフレーミングとして大事です。

「#スライド」

兼松さん:
実は僕自身の「勉強家」という肩書きもそうで、僕は20代ずっと不安で、自分は何者なのかと悩んで肩書きを取っ替え引っ替えしていました。いちばん長かったのが「コンテンツディレクター / デザインジャーナリスト」で、長すぎて掲載できませんと言われました。

「#スライド」

兼松さん:
「自分が何者なのかよくわからない。島もわからなければマグマもわからない」、うつっぽくなった時の悩みは結局、これでした。その時に「兼松くんって勉強家だよね」と友人に言われたのです。自分自身は「中途半端で何もできない何てだめな人間なんだ。好奇心を示していろいろなことをやるけど、結局、その道のプロにはなれない」と思っていたのですが、「違うよ、兼松くん。いろいろな物に一所懸命取り組んでそこそこできるようになる、そのがんばること自体が兼松くんの魅力だから」と言われて「なるほど! 」と。「いいじゃん、中途半端だけどいっぱいがんばっちゃうアマチュアのプロになろう」と、それが僕にとっての勉強家なのです。だから、緊張して失敗したことが僕の栄養分です。今日はみなさんにこうやって話をして「スライドの字は絶対大きくしよう。次、見といてください」みたいな、そういうことが僕にとっては大事なのです。

「#スライド」

兼松さん:
だから、いまは上に何がきてもいいと思っています。もし僕が運転手をしているタクシーに乗った時は「勉強しているな」と思ってください。実際、デザイナーさんで週に1回、タクシーの運転手をしている人がいて、そうしないと自分のデザインは悪くなると言っています。「生活者の気持ちがわからないとデザインの仕事はできないから」と。でも、もしかしたら、僕はタクシーの運転手さんにリスペクトがありますが、大学教員からタクシーの運転手さんになったら「どうしたの」と言われるかもしれません。けど、僕の中では何もぶれていません。その本人のぶれのなさを作るのがbeの肩書きだと思っています。メッセージカードを書いて渡すのはリフレーミングを起こしやすくするための作業です。

■メタファー:どんどん例えて自分らしいものを見つけていく

「#スライド」

兼松さん:
ユーダイモニア、リフレーミング、そして最後、3つ目に行きます。メタファー。

お客さま:
メタファー。

兼松さん:

メタファーは聞いたことがありますよね。「例え」です。

「#スライド」

兼松さん:
これは先ほどの食べ物縛りのワークショップで出た表現リストです。「かけるものはかわってもシンプルな筋を通す『かきごおり』のような人」、これが僕は本当に好きです。「かきごおりって筋を通しているんだ」「何が来てもOKだよって言ってくれているんだ」、そんなふうになりたいと思っています。でも、これを名刺に入れるかはまた別問題です。自分らしさをわかりやすく例えたとして、「確かにそうだけれども、ではこのエッセンスを自分が名乗りたい職業名に当てはめた時にどんなものがあるだろうか」と例えて例えて例えまくるのがbeの肩書きのポイントです。だから「動物にしてみましょう」もおもしろいかもしれないし、「アニメのキャラクターにしてみるのはどうでしょうか」ということもあります。とにかく今日、いいものが見つからなかった人、見つかった人、それぞれあると思いますが、何回も言葉をコネコネして自分らしい物を見つけていきます。

「#スライド」

兼松さん:
もうひとつ、「今日はかき氷と決めたから、ずっとかき氷じゃなきゃだめなんだ」「食べ方にいろいろな正解があるたい焼きじゃなきゃだめなんだ」というのは逆効果です。あくまで言葉遊びだと思って気軽に遊んでください。そこにとらわれすぎないというのを大事にしてください。

イチロー選手がオープン戦でヒットを打ったというニュースが出ていましたが、いま、50歳まで現役でやると宣言されています。去年、イチローさんは現役を一瞬離れて特別補佐になる時の記者会見で「僕は野球の研究者です」とおっしゃいました。「研究者だからか! 」と思いました。僕は、イチロー選手は修行僧で、それによって悟りを開こうとしているのではないかと思っていたのですが、単純に野球の研究者で、イチロー選手が現役を退いた後にイチロー野球研究所を作っても「確かにそうだな」という感じです。プロ野球選手にもいろいろなbeの肩書きがきっとあります。「研究者」だと知った瞬間、「だからか! 」感がすごくあるわけです。そういうものが社会の中で共有されていくともっと生きやすくなるのではないかと思っているので、今日はその足がかり、場を作れたらと思っています。

第2部

■ミニワークショップ―互いのbeを引き出すストーリーテリング

「#スライド」

兼松さん:
みなさんに3人1組になってもらって、三角形でやっていこうと思います。実は3人の役割がありまして、ひとりが語り手になります。そしてそれを聞く人とメモする人がいます。この役割をグルグル回していきますので、みなさんは語り手、聞き手、メモ係を1回ずつやります。

ストーリーテリングというのは大いに語っていただく時間です。私のことはカタカナ語フェチと思ってください。フィードバックは「そのストーリーを聞いてこんなことを思いました」「この言葉を言った時、めっちゃ目がキラキラしていました」ということです。その後に名刺サイズのメッセージカードに「あなたはこんな人ですね」と書いて贈ります。それを3周やって、今日はおしまいということになります。

「#スライド」

兼松さん:
その時に贈るのがこれです。「笑ってくれる人のそばで花開くなんとかのような人」。「なんとかさんへ」「なんとかより」は後でおなまえを確認してください。日付があるといつだったか思い出せます。時間が余った人はメッセージを自由に書いてもいいです。

ルールは、上の小さな説明文、「笑ってくれる人のそばで花開く」というその人を形容する言葉は聞き手さんとメモ係さんが考えます。そして、下の「~のような人」、つまり「喜劇俳優」という職業名は語り手が自分で選びます。この後、職業名を選ぶワークをみなさんにしていただきますが、人からリフレームしてもらう物と自分の中のユーダイモニアを表す物、そのふたつを1セットにして言葉にしていきます。最後に、この「~のような人」というのが意外と大事です。メタファーと言っても隠喩とか暗喩とか種類があって、「あなたは喜劇俳優ですね」と言われると「そうならなければいけない」と結構、プレッシャーになるのです。なので「~のような人」とお茶をあえて濁す、これを大事にしてほしいと思います。

「#スライド」

兼松さん:
みなさんにメッセージを書いていただく時はこのスライドをサンプルとして出しますので、とにかく「ホニャホニャでホニャホニャなホニャホニャのような人」というのをお互いの話を聞いて書きます。できるでしょうか、やっていきましょう。

「#スライド」

兼松さん:
職業名を自分で選ぶための個人ワークをやっていきます。最初のステップは「beの肩書きインタビュー」です。これにはユーダイモニアなものを見つけていく質問が並んでいます。2、3個でいいので、「そうだな」と思えるものをゆっくり振り返っていただきます。「自分はどんな時が好きだったっけ」「自分にとって大事な物って何だっけ」と振り返るこの時間が大事です。引き出しを少しずつ開けていきます。どれも結構むずかしい質問だったり、ふだんはあまり聞かれないことだったりするので1個でもあればいいです。というのも、これだけ書き出したとしても語っていただくのはこのうちの1個なので1個でもいいです。ただ、思い出す数はたくさんあっても別にいいと思いますのでやってみてください。

Q1は「自分では当たり前でも、ふたり以上から『すごいね』と言われたことは? 」、Q2は「こういう瞬間こそが幸せだなあ、と思うことは? 」、Q3は「時間がたつのも忘れてしまうくらい、情熱を持って取り組んでいることは? 」、Q4は「何かに感動したときに、思わずやってしまいそうなことは? 」、Q5の「この人生で、やっておきたいなあ、と思うことは? 」は究極の質問なので、この図は曼荼羅っぽくなっていますが、Q1からQ4まで答えていくと浮かび上がってくるものだと思ってください。だから、Q5は特になくてもかまいません。書ける人は書いてみてください。

「#スライド」

兼松さん:
この後のステップを少し言うと、これらをあげていった時に「職業で例えると? 」と下に書いてありますが、それを職業で例える時に肩書きリストにある300個から自分で探します。どういうふうにやるのかはまた言います。

それが完成すると「僕のQ1を象徴するのは勉強家ではないか」「僕のQ2を象徴するのは喜劇俳優ではないか」「僕のQ3を象徴するのはことば活動家ではないか」、これはオリジナルです。「ワークショップができる哲学者になりたかったことに今日、気づきました」とか。僕は、一人一人が秘めている種を引き出すことをお手伝いしたいということがこの世に生を受けた意味なのではないかと思っていて、「僕の人生でやっておきたいことを象徴するのは修行僧という意味の沙門だな」とか。ここは何でもいいです。オリジナルで考えてもかまいません。先にこの箇条書きをして、それらを象徴する物は何だろうと考えていくステップを踏んでいきます。長い時間をかければたくさん思い出す物でもないと思うので、「職業で例えると」はまだやらなくていいので、短くて恐縮ですが5分でまず箇条書きで思い出していく作業をできる範囲でやってみてください。1個でもかまいません。ピアノが流れたらいいですけどね。歌いましょうか。

箇条書きで思い出していく作業

「#ワーク」

兼松さん:
ご自身のユーダイモニアの引き出しを開けている作業だと思ってください。真ん中をさらさら書ける方もいるのですね、すごいな。

はい、むずかしかった人。いいのです、そのむずかしさを味わってください。僕は編集者もしていたのでインタビューをする側もあったしインタビューされる側も多いですけど、こういうことをいっぱい聞かれます。「兼松さんにとってウェブマガジンは何ですか」「何がしたくてこの仕事をしているのですか」と聞かれて、そのたびに「違うな」という答えを出しながら「これだ」というものを段々見つけていくプロセスだと思うので、これは「いきなりこんなことを言われても」というものだと思います。だから今日は「違うな」というのも大事にしてほしいです。「言ってみて違うな」、あるいは「これは合ってるな」とか、人それぞれあると思うので自分の感触を確かめてほしいです。

では、いろいろ書いていただいたと思いますが、その書いたことを象徴していそうな職業名を肩書きリストから探していただきます。『13歳のハローワーク』という100万部のベストセラーになった本がありますが、10年に1回くらい新しい仕事が軒並み増えていくということで新版になっていきます。肩書きリストは新版からいろいろな職業を300個くらいピックアップしてきました。上から見ていくのもいいですが、職業を科目別に分けていますので、得意な科目や好きな科目を先に見て、その中から選んでもいいかもしれません。

これはあくまで例えなので、「占い師」や「弁当屋さん」もありますが、本当に占いをしていなくてもいいわけです。誰かの相談にのって、そこに返したことがやたら当たっていて占い師的だったとか、弁当を本当に作っていなくても、そこにある素材でこしらえたものからしあわせを渡す人は弁当屋のイメージかもしれません。南極観測隊員とありますが、別に南極に行っていなくてもよくて、そういう未知なるところに踏み込んでいくのが自分らしさなのかもしれません。メタファーというのはそういうことです。実際にそれをしていなくてもいいので、これで説明ができそうだというものをそれぞれQ1ならこれ、Q2ならこれかと探してもらえたらうれしいです。Q1からQ5で1個あればいいです。できる方はQ5まで全部探していただいてもいいですが、この後に必要なのはひとつの職業名を自分で見つけることだけです。それをまた5分くらいで探してください。例えばQ1もQ2もQ3もQ4も編集者ということもあります。同じ物でも全然かまいません。

「#ワーク」

兼松さん:
ラジオだと思って聞いてください。「誰かのよさを引き出す」というのはもしかしたら遺跡発掘調査員なのかもしれません。「誰かを支えてきた」というのはずっと秘書みたいなことをしてきたのかもしれません。「私は社会の秘書なんだ」とか何でもいいです。「その他」は先ほど僕が「ことば活動家」と自分で決めたみたいに、「何とかイスト」「何とか使い」とオリジナルで考えても大丈夫です。かつてあこがれたものや自分にとって特別な響きのある肩書きはありませんか。むずかしかったらピンときた職業名から語ってもいいかもしれませんが、改めて箇条書きしたものを心の中で思い出してもらうことになると思います。

1個も見つからなかったという方はいますか。よかった。それが今日、人生で最初のbeの肩書き候補です。これは何周もしていくとどんどんこなれていくので見つかってくるかもしれません。「選んでみたものの、やっぱり違うな」、あるいは「適当に選んだけど意外とこれだったかも」と、それぞれあると思います。

では、ストーリーテリングの時間に入ります。改めて3人組にもう一度戻ってもらいます。よろしくお願いします。まず何の肩書きを選んだかを共有した方がおもしろいと思うので、今日、いちばん早起きだった人を決めてください。その人から時計回りで30秒ずつくらい、全部で1分半くらいでどんな肩書きを選んだのか軽く共有してください。お願いします。

「#ワーク」

兼松さん:
まだストーリーテリングではなくて、いまは紙を見せ合う感じです。とりあえず「どんなものを選びましたか」を共有します。150人いるのでちょっと強制的にいきます。

では、それについて5分くらい語ってみたい物をひとつ選んで印をつけてください。ここは直感が大事です。ユーダイモニア オブ ユーダイモニアはどれだということです。でも、あくまで今日現在だから、別に明日、「なんか気の迷いだった」で変えても全然かまいません。みなさん、決めましたか。

それでは、早起きさんがひとり目の語り手になります。その左隣にいる方が聞き手、そして聞き手の左隣にいる人がメモ係になります。では、どういう過ごし方をするか聞いてください。語り手のみなさんに5分お渡しします。それはみなさんのための時間です。お好きに話してください。職業名を選んだQ1とか1個の質問を選んで自由に話してほしいのですが、たくさん箇条書きで書いた人は1個1個説明してほしいというよりは1個の具体的な話を聞きたいのです。「こういう時もしあわせ、こういう時もしあわせ」で終わるよりは、1個の話をより掘り下げてほしいと思っています。

聞き手さん、メモは取らないでください。完全にその人の目を見て受け止めてください。いわゆる傾聴です。例えば「僕はチャーハンが好きなんだよね」と言われて「チャーハン? 」と言うと評価が入るわけです。「チャーハン」と(肯定的に)受け止めてあげてください。「うん」「へえ」、言葉を繰り返すというのはそういうことです。話しやすい雰囲気を作ります。特に、手を動かさずにその人を向きます。

メモ係さん、話さないでください。黒子に徹して存在感を消してください。すべてをメモするのではなくて、語り手の目がキラキラした瞬間やよく言う言葉、「チャーハン、いい文章ってチャーハンみたいな」「あ、この人『チャーハン』がキーワードだ」というのをメモしてください。フィードバックはメモ係さんが語り手に「あなたはこんな時に目が輝いていました」というのを返す時間になります。なので、メモ係さんは聞いている間は話しませんが、フィードバックの時は主人公になります。フィードバック後、メッセージカードを書きます。そんな役割分担をグルグル繰り返していきます。

まずひとり目やってみてむずかしかったらまた話します。質問してください。メモ係さんの手もとにメモ用の白い紙があるようにしてください。では、ひとり目の方から語ってください。お願いします。

「#ワーク」

兼松さん:
そろそろ終わりになります。ひとり目さんに拍手。

「#拍手」

兼松さん:
素敵なお話をありがとうございました。メモ係さんも言いたいことがあってうずうずしていると思いますので、メモ係さんから1分くらいフィードバックします。いまの話を聞いて「語り手さんはこんなところでキラキラしていた」「こんなことを思った」など自由に話してください。お願いします。

「#ワーク」

兼松さん:
フィードバックはそろそろおしまいです。メモ係さんに拍手。ありがとうございます。

「#拍手」

兼松さん:
いま、フィードバックしきれなかった思いや、聞き手さんもいろいろ言いたいことがあると思います。それをこのメッセージカードにラブレターとして書いていただきます。もう一度おなまえを確認して「なんとかさんへ」、そして自分のなまえ、「なんとかより」と。形はスライドを参照してください。職業名は勝手に言い換えるのではなくて、語り手が自分で選んでいますのでここはもう大丈夫です。メモ係さんと聞き手は「どんなそれなのか」というところを考えてメッセージカードに書いてみてください。カードは2枚しかないので、語った方はホワンとしていてください。「いま語ったことについて自分にメッセージを送るとしたら」「話してみて、いまどんな気持ちか」というのを空いたスペースに軽くメモする時間にしたいと思います。

前、100人の会場はスクリーンが3つあったことを思い出しました。ここはスライドのサンプルがちょっと見づらいですがやってみましょう。4分です。戸惑う方もいると思いますが、どんな秘書のような人なのでしょうか。どんな編集者のような人なのでしょうか。ご本人の言葉をそのまま使っても、自分なりに言い換えてもいいと思います。

「#ワーク」

兼松さん:
語ったご本人は話していてどうだったかをホワンと振り返ってください。人生にはホワンとする時間が必要です。目の前の人が一所懸命ラブレターを書いてくれている時間です。書けた方は「このお話をもっと聞きたかったです」「その服、すごく素敵です」とか自由にメッセージを書いてもらってかまいません。なるべくカンニングはしないでください。できてもまだ渡さないでください。

「#ワーク」

お客さま:
メッセージは自由に書いていいですか。

兼松さん:
メッセージは何でもいいです。「あなたが好きです」でも「結婚してください」「眼鏡を取った顔が素敵です」でもかまいません。質問、ウェルカムです。ひとりの質問が全体に共有されるので大事です。

お客さま:
職業が決まっていない場合はどうしたらよいですか。

兼松さん:
すみません、職業が見つかっていない方は正直に手を上げてください。見つかっていない方は、そうですね、委ねてグループの人に例えてもらいましょうか。でも、それはいちばんハードルが高いのでむずかしいかもしれません。本当は職業を1個決めてほしいです。とりあえず、メッセージカードはできていますか。全然、僕が行き届いていませんが大丈夫ですか。それでは渡していきます。まず聞き手さんから「こんなホニャララですね」と30秒くらいで説明のひとことを添えて渡してください。30秒たったら次にメモ係さんから渡すという感じで贈呈式をしていきます。では、聞き手さんから渡してあげてください、どうぞ。(「見よ、勇者は帰る」のメロディを口ずさんで)パーン パー パ パー パーン パパパパパン パン パーン パパパパパン パン パーン パン パンパンパー パパーン。

メッセージカードを渡している

「#ワーク」

兼松さん:
はい、拍手。ありがとうございます。メモ係さんからもひとこと添えて、目を見て渡してあげてください。お願いします。

「#ワーク」

兼松さん:
ありがとうございます。拍手。こんな感じです。いま、職業が見つかっていない人がいるグループは職業をなしにしましょう。「どんな人」なら言えますので、「ホニャララのような人」がないパターンで「笑ってくれる人のそばで花開く人ですね」というのにしましょう。それがいちばんシンプルです。

お客さま:
メモ係さんからの贈呈式はないのですか。

兼松さん:
「メモ係さんからどうぞ」と言ったので、その時間は取ったつもりでした。ごめんなさい、渡してください。改めて段取りを言います。次はいま、聞き手だった人が語り手に、メモ係だった人が聞き手に、語り手だった人がメモ係になります。メモ係の人は白い紙を手もとに置きます。このアナウンスが届いたリアクションがほしい。後ろの方に届いていないと思います。OKですか。語り手が5分弱話します。メモ係からフィードバックします。その後、メッセージカードを書きます。そして先に聞き手から30秒、メモ係から30秒の贈呈式があります。7時間あるとゆっくりできるのですが、今日は体験版だと思ってご容赦ください。

ふたり目に行ってよろしいですか。職業が決まっていない人は、その質問に答えたことを話していただければいいです。ではふたり目さん、早速語ってください。お願いします。

「#ワーク」

兼松さん:
ふたり目さん、ありがとうございました。拍手。ではメモ係さんから軽くフィードバックをしてください。お願いします。

「#ワーク」

兼松さん:
フィードバックはそろそろ終わりです。メモ係さん、ありがとうございます。拍手。話も尽きませんが、メッセージカードを書く時間に入ります。語ったご本人はホワンとしてご自身のためにメモをする時間にしてください。聞き手さんとメモ係さんはおなまえと職業名を確認していただいて「なんとかさんへ」「なんとかより」、そしてどんな人なのかメッセージカードを書いてください。お願いします。

「#ワーク」

兼松さん:
2回目なのでさっきよりは筆が進んでいます。待っているのは恥ずかしいですよね。どういう表情をしていいのかわからなくて違う方向を見ている方が多いです。僕はこの時間がいちばん好きです。メッセージは何でもかまいませんので余裕がある方は書いてください。相当なご縁ですから。「初めまして」で結構、根ほり葉ほり聞いて、でもお互いまだdoの話をそんなにしていないから何者なのか意外とわかっていないという不思議な関係です。ウケは狙わなくていいです。シンプルにその人の言葉を返してあげるのでも本人にとっては特別なものだったりしますので。では、贈呈式にうつります。聞き手さんから30秒、メモ係さんから30秒ということで僕からアナウンスしますので、まず聞き手さんからひとこと添えてお渡しください。お願いします。

「#ワーク」

兼松さん:
ありがとうございます。拍手。短くて申し訳ありません。メモ係さんからもお渡しください。お願いします。

「#ワーク」

兼松さん:
はい、拍手、ありがとうございます。「おおー! 」や「なるほど」が出始めてきました。では3人目の方、お待たせしました。まだしていないものをしてください。いよいよ3人組の最後のターンになります。リラックスしていただいて、でも、いよいよボルテージが上がってきてよかった。では3人目の方、準備はよろしいでしょうか。お願いします。

「#ワーク」

兼松さん:
3人目さん、ありがとうございます。拍手。ではメモ係さんからフィードバックをお願いします。

「#ワーク」

兼松さん:
フィードバックはそろそろ終わりにして、最後のメッセージカードの時間に入ります。お願いします。

「#ワーク」

兼松さん:
語り終わった方におすすめなのは目を閉じて瞑想することです。長い呼吸をしたら2回で1分がたちます。人生にそういう時間が足りていないです。本当に目を閉じている方が何人かおられて、ありがとうございます。自分のことを思ってくれるふたりがいる前で目を閉じられるのは結構気持ちいいですよね。では最後の贈呈式に入りますので、聞き手さんからひとこと添えてお渡しください。どうぞ。

「#ワーク」

兼松さん:
ありがとうございます。メモ係さんからもお渡しください。お願いします。

「#ワーク」

兼松さん:
ありがとうございます。体験版としてはこれくらいですが、つかんできた感じがあります。肩書きそのものを交換するのも大事ですが、話されている内容が尊くて、お互いに受けとめあいながら「これはこういうことだね」ということを交換しあえる時間だったと思います。

改めて2枚ずついただいたカード、みなさんで6枚ですが、目の前に3人で出していただいて、この3人で話すのはたぶん最後になると思うので、5分くらいお互いのカードをチェックアウトしてください。失礼なこと、言いました? 「さあ、飲みに行くぜ」と思ってこの後、飲み会の約束してもらって全然いいですよ。いただいて思ったことでも、誰かにプレゼントして思ったことでも何でもいいので、お互いのカードを見あいながら3人で感想を共有してみてください。どなたからでもいいです。

「#ワーク」

兼松さん:
すごい、いろいろなものが伝わってきて僕、いま、鳥肌が立っている感じです。ありがとうございます。みなさん、拍手。

「#拍手」

兼松さん:
最初、人数が多くてふだんと様子が違うので僕も緊張しすぎて至らないところがたくさんあったかと思います。申し訳なかったと思いますが「beの部分はお互いのbeを引き出す」と思っていて、ひとりが脱ぐとみな脱ぎやすくなるというか、最後、「脱いでるな」という感じがすごくしました。

beの肩書きの候補はあくまで候補なので、ぜひその自分とデートしてほしいです。これがみなさんへの唯一の宿題というか、週に1時間でも2時間でもいいので「遺跡発掘調査員の自分を喜ばせる時間ってどんなんだろう」とか、僕は「喜劇俳優」なので過去のM1を見まくるのは自分のユーダイモニアの時間なわけです。そういうふうに自分とデートする時間を帰り道に考えてもらえたらうれしいです。

■お客さまからの質問

質疑応答に答える兼松さん

質問1

お客さま:
自分が何者か人から言われても納得しないことがあります。そんな時、素直に受け入れていますか。聞き流しているようなこともあるのでしょうか。

兼松さん:
今日、みなさん、聞き流そうと思ったひとことはありましたか。すごく失礼なことを言っていますが、要は「誰に言ってもらうか」です。その人のことを信頼しているのだったら真剣に受けとめた方がいいと思うし、自分にとって「何か違うな」と思う人の言葉を鵜呑みにする必要は全然ないと思います。

僕がみなさんにお伝えしたいのは、100ある選択肢はいろいろな人の力を借りて集めて、その中で1個選ぶものは自分で決めるということです。1個の選択肢で1個を決めるのはしんどいじゃないですか。100個集めるのは人の力を借りよう、でもあくまで決めるのは自分のユーダイモニア、そのバランスでいいと思います。その納得しない、「納得しなさ」っていいですよね。自分の痛いところをつかれている可能性もあるわけです。本当は向き合うべきことかもしれません。だから逆に自分が聞きにくいことを言ってくれる人を大事にした方がいいです。僕もそういう人が何人かいて、自分にとっての不動明王だと思ってその人のことはきちんと聞くようにしています。素敵な質問をありがとうございます。

質問2

お客さま:
今日はありがとうございました。本当に笑顔がずっとあふれてしまって、ワークショップがすごく楽しかったです。今日、感じたこのうれしさをここに来ていない友だちや大切な人と共有したいのですが、ワークショップをする時のコツなどがありましたら教えていただけますか。

兼松さん:
渡りに船ですね。ありがとうございます。『beの肩書き』にやり方が書いてあります。

「#笑い」

兼松さん:
でも大事なことは、まずしあわせだったとすればそれはもう完全に僕ではなくてそのふたりのおかげです。逆に、おふたりにそういうふうに言わせたご本人の力もあります。ワークショップは生き物なので、そこだと思います。

これの原型が寄せ書きです。先ほど「本当は早めに贈りたい」と言いましたが、寄せ書きには「ありがとうございました」はいらないです。いらないと言ったら失礼ですが、杓子定規な感じがします。僕は寄せ書きを集める時に必ずお題を出します。まさにそれがこの原型で、あなたにとってどんな存在かを例えてもらう寄せ書きを集めます。そうすると「僕にとってあなたは不動明王だった」みたいな、例えばかりが続く寄せ書きになります。それをワークショップ化したのがこれなので、それだけだったらこっそり手紙で渡すとか飲み会でもできると思います。お互いが自分にとってどんな存在かを交換しあうのを自分がしてもらいたいのなら、誰かにしてあげます。プレゼントをしあうのがいいです。

もうひとつは単純に、飲み会に職業リストだけ持っていって、この中でピンとくる肩書きを選び、それについてただ飲みさばくという忘年会ならぬ「be年会」を発明したら3カ所くらいでやってくれました。ワークショップにしなければということは全然ないです。しかも、思い出してください。実は4分しか話していないのです。ごめんなさい、5分はウソでした。「4分しか話していない」「1分、フィードバックした」「5分しかカードを書いていない」でこれなので、10分でできるということです。だから3人なら30分あればできます。それくらいの軽さでぜひ何周もやってもらえたらうれしいです。

よかったら感想をSNSやTwitterでアップしていただけると僕が必ずエゴサーチしますから、ぜひ。そういうことをつぶやくと誰かから「いいね! 」や「それは私もこうだったな」とか結構、変なリアクションがついたりするので、そういうのもいいかもしれません。ありがとうございます。

フェリシモ:
まだまだお伺いしたいことはたくさんだと思うのですが、そろそろお時間も迫ってまいりましたので終了とさせていただきます。それでは最後に兼松さんに神戸学校を代表して質問させていただきたいと思います。改めまして、兼松さんが一生をかけてやり遂げたい夢について教えていただけますか。

兼松さん:
この人生でやっておきたいことは「ひとりひとりが秘めている種が実を結ぶまでのお手伝い」と「自らを実験台として味わう」です。まな板の鯉であり続けるというか、僕が失敗したらみんな失敗できるじゃないですか。そういうだめな例をいい意味で示しながら、「それぞれが本当はもっとできるよね」という可能性を、火が出た瞬間が僕にとってはすごい喜びなので、それを見続けたいと思っています。なので、僕が出家したとしても「ああ、だからか」と言ってください。お遍路に出たとしても「ああ」という感じで、自分の人生を実験台として楽しんでいきたいと思っています。

神戸学校の集合写真を撮る兼松さん
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