どうしたらいいの?

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チャンスかもしれないけど不安……。
20代社会人が仕事で迷ったら

仕事をしていると、ときどき「これってチャンスかも?」と感じる場面があるかと思います。

でも、うれしい気持ちもありつつ、不安な気持ちもあるのがきっと正直なところ。そんなとき、自分ならどうしますか?

今回の記事では、チャンスに対して不安を感じる理由や、20代社会人にとって「チャンス」と思える具体的なシーン、不安な気持ちを払拭するための行動について、お伝えしていきます。

これって、チャンス?
でもちょっと不安……

みなさんは、新しいことにチャレンジするのは好きですか?

「ワクワクするから好き!」「不安になるからいやだ……」さまざまな考え方があると思います。

2017年ユーキャン新語・流行語大賞を「睡眠負債」で受賞した経験もある、脳科学者の枝川義邦さんは「ひとは元来、挑戦したい生き物」と述べています。これには、しあわせホルモンのひとつである「ドーパミン」が関係しているそうです。

たとえば、初めてひとり旅に行ったとします。最初は不安でも、おいしいものを食べて、きれいな景色を見たら、「楽しかった!またひとり旅をしたい!」と思いますよね。そうするとドーパミンが放出されて、快楽を感じます。その快楽を脳が学習して、同じことをまたしたくなるんです。

では、どうしてわたしたちはチャレンジするときに不安になるのでしょうか?
これには、遺伝子レベルで根づく、日本人ならではの性質が関係していると枝川さんは話します。

ひとは「期待先行型」と「不安先行型」に大きく分類できるのですが、日本人は「不安先行型」が多い傾向にあるとのこと。
不安感を和らげて精神を安定させる働きがあるホルモン「セロトニン」の情報が伝わりにくい遺伝子が、大きな要因といわれているそうです。
つまり、チャンスを前に不安を感じるのは当然ということ。

「じゃあ、仕事でもどんどんチャンスをつかみたい!」と勇気が出た方もいるかもしれません。
そこで次は、若手社会人にとって「チャンス」と思える業務上のシーンを考えていきましょう。

チャンスかもしれない
仕事のシーンは?

何かに抜擢されたとき

社会人2年目以降となると、何かに抜擢される機会は増えてきます。企業説明会やインターンシップへの登壇から、チームリーダーの仕事まで、内容はさまざまですが、どれも「あなたが認められた結果」だということが大切です。

「認められること」は「期待されること」も同時に連れてくるので、不安で心が乱れるかもしれません。でも、結果がなければ信頼は生まれません。そうしたチャンスがやってきたときは、「仕事の報酬は仕事」と思って、まずは前向きに考えてみるのはどうでしょうか?

人事異動のとき

「せっかく仕事を覚えてきたのに異動なんていやだな」という方も一定数いると思いますが、人事異動は社会人ならではの大きなチャンスです。なぜなら、自分オリジナルのキャリアを築くうえで、異動は重要な役割を果たしてくれるからです。

ひとはだれしも「好きなことだけしていたい」と思うもの。そんな中、異動は思いも寄らなかった仕事を経験するチャンスを与えてくれます。
「自分がもともと好きなこと・得意なこと」と「新しい場所で身につけたこと」を掛け算することで、きっと新しいキャリアが見えてくるはずです。

自分から仕事を見つけたとき

日々の業務に取り組んでいて、「ここはもっとこうした方がよくなるのでは?」「こんなことをしたらおもしろいのでは?」といったひらめきを感じたことはありますか?それも立派なチャンスだと、わたしは考えています。

いわゆる「できる社会人」を見ていると、自ら新しい仕事を見つけ、率先して動いている人がとても多い印象です。チャンスは与えられるものでもあり、生み出すものでもあります。既存の枠組みから少し飛び出し、仕事に自分らしさを混ぜていくチャンスを、ぜひ見つけてみてくださいね。

不安を軽くするために
できること

最後に、チャンスを前にして不安な気持ちを払拭するための行動をご紹介します。

言葉のお守りを持っておく

よく「失敗はダメなこと」と思い込み、挑戦を怖がる人がいます。でも、転ばずに自転車に乗れるようになった人はきっといないのと同じで、新しいことに挑戦するなら失敗は当然のこと。
そして、失敗したからこそ分かることが世界にはたくさんあり、それらがわたしたちを成長へと導いてくれると思うんです。

それをわたしは「失敗は成長の果実」と勝手に呼び、ときどき思い出すお守りにしています(「成功は成長の果実」の真似です)。

こんな感じで、自分にしっくりくる言葉のお守りをひとつでも持っておくと、いざというとき、心の支えになってくれるはずです。

不安もあることを上司に伝えておく

不安があるからといって、無理に隠す必要はありません。可能であれば、不安を感じている現状を正直に上司へ伝えてみましょう。上司は社会人としての大先輩なので、有益なアドバイスを得られる場合があります。

また、ネガティブな感情を口に出すと、苦痛が緩和され、安心感を得られるともいわれているんです。上司に本音を伝えるのは緊張すると思いますが、人間関係を構築するうえでも効果的なので、とてもおすすめです。

みんなはどうしてる?

このごろ世代のお悩みについて、みんなで一緒に考えていく「このごろお悩みフォーラム」に届いた、みんなの意見をご紹介します。

【今回のお悩み】
期待をプレッシャーに感じる

(もち麦さん・社会人5年目)

仕事で褒められたり、成果を出して評価されたりするとうれしくて、それを励みに働いてきましたが、最近かえってそれがプレッシャーに感じるようになってきてしまいました。もっとがんばろう、と思うものの、期待に応えられなかったら?上手くいかなかったら?と、不安や責任感に押しつぶされそうになるとき、どのように考えて進んでいくとよいでしょうか。

【みんなの意見】

自分をあまり追い詰めない

私もノルマが厳しい接客業で働いてるので気持ちが分かります……!不安になったり責任感を感じたりするのは、もち麦さんがお仕事に対して一生懸命だからだと思います。まずその姿勢が素晴らしいです。ご自身を褒めてあげてくださいね。

それと、不安になることで自分をあまり追い詰めすぎないほうがいいと思います。もち麦さんの本来の姿が、その「不安」で消えてしまわないように。応援してます!一緒にがんばりましょう!(まっすぐさん・社会人4年目)

まずは自分の心に耳を傾けてみる

まず、もち麦さんが職場で評価されて期待されているほど、今までがんばってきたこと、尊敬します!周りの人の信頼を得ることは、本当にむずかしいと思います。評価されている今のもち麦さんは、とってもすごいです。とはいっても、評価に振り回されてしまうのはつらいですよね。

私は、周りの人の意見は、聞く耳半分、と思っています。ほめられるのはうれしいけれど、その人の評価でしかない。逆に失望されたり、怒られたりしたとしても、その人の評価でしかないと思います。人の評価は関係ないとして、今の仕事の何が好きなのか、大切にしているのか。まずは自分の心に耳を傾けてみるのはいかがでしょうか?

周囲の人に褒められるほどがんばってきたもち麦さんの中には、仕事の上で大切にしていた何かが、きっとあるのではないでしょうか。自分の気持ちをまず中心に置くことができれば、評価もほどほどに受け取れるようになると思います。(とろろごはんさん・社会人4年目)

結果よりも、姿勢や過程が大事なのかも

わたしも4年目になってから「できるのがあたりまえ」と周囲から見られるようになってしまい、ミスや失敗をおそれて萎縮してしまう日々です。先日上司と面談の際にその話をしたら「なんでも完璧にできるなんて、だれも思っていないから大丈夫」と言われて、自分が過剰にプレッシャーを感じていたことに気がつきました。

そして「まじめに取り組んでいれば、ミスや失敗をしても誰もとがめない」とも言ってくれました。結果よりも姿勢や過程が大事なのかもしれないと、心が軽くなりました。一生懸命やっていれば、ちゃんと評価してもらえるのではないでしょうか。(あかとみどりさん・社会人4年目)

編集部のまとめ

今回はチャンスと不安について考えてきました。

わたしも会社員時代、いくつかのチャンスを前にして悩んだことを思い出します。

その経験をベースに書いたこの記事が、みなさんの選択に役立ちますように。

STAFF
text:Kamiya Sayoko
illustration:ざざ(@zaza.hibi)