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とうほくIPPOプロジェクトレポート -「子どもたちのポテンシャル探し!」 (及川恵美さん)-

「とうほくIPPOプロジェクト」支援先活動レポートシリーズは、第4期の支援先の及川恵美さんに、お話をうかがいました。

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沿岸エリアと内陸エリアとの災害による被害の差が大きかった宮城県南三陸町では、同じ小学校や地域のスポーツ倶楽部に通っていた子どもたちは震災後、地元に残る子、仮設住宅に移住する子に別れ、離ればなれになってしまいました。そんな子どもたちをもう一度つながることを目的に代表の佐藤早江さんはダンス教室「子どもたちのポテンシャル探し!」を立ち上げました。はじめは佐藤さんを含めた3人の主婦。それぞれ家庭の都合で活動を継続することが難しくなったとき、佐藤さんと遠い親戚の及川恵美さんが新しくスタッフとして仲間入りしました。そんな及川さんにダンス教室「子どもたちのポテンシャル探し!」の活動内容を伺いに登米市のスタジオを訪れて来ました。

 

 

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今年の佐沼夏祭りで、初めてダンスを披露する子どもたち。

 

 

■「子どもたちのポテンシャル探し!」の名前の由来は何ですか?

 

子どもたちが踊ることで、「俺こんなことできるんだ」って新たなポテンシャルの発見になればいいなって思いからつけられました。そういう場を大人たちが作ってあげるべきですよね。

2014年にとうほくIPPOに申請した当時はこのエリアにダンス教室が無かったそうです。震災で離ればなれになってしまった子どもたちのために、新たにつながりをつくったり、再度つながる手段で考えられたダンスですけど、音楽や踊りって元気になりますよね。教室に通うことが子どもたちやお母さんたちが外に出るきっかけになりますし、新しい出会いも生まれます。

 

 

■ここでの立ち上げから現在までのことをお教えください。

 

震災あと代表の佐藤さんがダンス教室の活動の場や、募集の仕方をだんな様の幸広さんに相談したところ、登米コミュニティエフエムのH@!FM(ハットエフエム)の番組内で、登米市の仮設住宅や移住されている南三陸町の人たちに向けて情報発信をされていた幸広さんがオーナーに相談してH@!FMとつなげてくださったんです。H@!FMのオーナーさんがちょうど地域のコミュニケーション作りのために文化的教室を今の場所に立ち上げる予定で動いていたので、それならば一緒にやりましょうということでここでスタートすることになりました。
ここではダンス教室の他にギター、ボイストレーニング教室、お母さんたちのヨガ教室も開催されています。そして、とうほくIPPOの支援金で大きな鏡、控え室、防音の床などスタジオの整備をしました。大きな鏡がないと子どもたちは燃えないんですよ。 H@!FMでここの教室のことなど宣伝していただき、今では20名ほどの生徒がいます。みんなダンスが初めての子ばかりなんです。最初は子どもたちが楽しんでくれたらいいかなって思っていたんですけど、本格的に踊りたいって本人たちからのリクエストを受けたので、そのようにしています。お母さんたち同士のネットワークも生まれて、今では送迎などで助け合ってくださっています。

 

 

■ダンスをはじめて、子どもたちに変化はありますか?

 

隣の大崎市にあるダンス教室のオーナーの方や講師のかたに色々アドバイスをいただいているのですが、ダンスだけでなく教育を目的としていくべきだと言われます。なので、私たちの教室では子どもたちに、挨拶から掃除、靴を揃える、両親への感謝の気持ちまでしっかり教えています。キッズクラスは4歳〜小学2年生、ジュニアクラスは3年生〜6年生、中学生以上はシニアの3クラスに分かれているのですけど、キッズチームだと年齢に幅があるので、年上の子は下の子に「水飲まなきゃだめよ」とか面倒を見るようになっていて兄弟のようになって来ています。先日、初めて街のイベントで3つのクラスが一同に集まってお客様の前で踊ったんです。それが、とても楽しかったみたいでした。やりがいがあると楽しみが膨らみますから。子どもたちの堂々と踊る姿を見て、発表する場を年に3〜4回くらいに増やしていこうと思います。

 

 

■今後、目指していることはありますか?

 

南三陸町にも教室を作りたいです。震災で離れてしまった友だち同士がダンスを通して共通の目標が生まれたりして、つながって行くと思うんです。ダンスにはそういう楽しみがあります。震災から5年経ちましたから、私たちとしては子どもたちがかわいそうな目でみられるのがもう嫌なんです。復興で頑張りますってことではなくて、自分たちチームのために踊っているってことをこれからは伝えていきたい。そして、いつか私たちのダンスチームが外から依頼されるようになるといいですね。登米市初のダンスインストラクターや唄って踊れるアイドルが生まれるといいですね。

 

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とうほくIPPOの支援金で補充された大きな鏡と控え室。子どもたちは鏡があると一層ダンスに夢中になるのだそう。

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カルチャースクールは、ダンススクールの他に、ヨガ、ギター、ボイストレーニングが開講されている。

 

 

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「子どもたちのポテンシャル探し!」
及川恵美さん。2016年2月にスタートした
ヒップホップダンス&リズムトレーニング。
現在20名いる生徒を200名までに増やすことが目標。

 

 

【2016年取材:羽鳥靖子(ライター)】 

 

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登米コミュニティエフエム/H@!FMカルチャースクール
>>> 詳細はこちらから
TEL : 0220-23-7371

 

 

◆「とうほくIPPOプロジェクト」の第7期事業を募集中です。 (~10月2日まで)

以下のページをご参照願います。

http://www.felissimo.co.jp/s/tohokuippo7/

または、「とうほくIPPO」と検索してください。

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