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とうほくIPPOプロジェクトレポート ―NPO法人 交流ステーションみのり(福島県 いわき市)―

「とうほくIPPOプロジェクト」支援先活動レポートをお届けします。シリーズ第10回目は、福島県いわき市へ第1期支援先、支援対象事業名「休耕地の活用と障がい者等の就労支援を目的とした農産物の栽培と加工販売」の代表 白川 くみ子さん(NPO法人 交流ステーションみのり)を訪ねました。
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いわき市内の休耕地を借りて、障がいを持つ子どもたちのお母さんが農作物を育て、その農作物を使った加工品を試作している、交流ステーションみのりの夏井川沿いの畑では、2013年夏の猛暑に負けず育ったサツマイモが収穫時期を迎えていました。

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畑を掘って、サツマイモを収穫するお母さんたち

―農作業には慣れましたか。
農作物を育てるのは、天候に左右されるので大変です。夏の畑はかなり暑いですし、雑草とも格闘しなければなりません。作物もできふできがありますから、収穫まで気を抜くことができません。周りの親切な方々に何かと助けられています。

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畑では大根も育てていて、間引きをしています。

農作業のボランティアの確保はなかなか難しいですが、双葉郡からいわき市に避難している人たちにも声をかけ、手伝ってくれている人がいます。仮設住宅では畑仕事をしたくてもできないので楽しそうです。
体を動かすのがいいのでしょうね。みんな、健康になりました。土にふれて、おしゃべりもして、気持ちもリフレッシュできます。それに旬のものがわかるようになりました。種まきから収穫まで、すべて自分たちでやりますから、安心して食べていただけます。収穫した作物は放射能を測定してもらい、ND(不検出)を確認しています。

―干し芋や切り干し大根のほかに、焼きいも作りも始めたそうですね。
焼きいもに合うサツマイモがあり、今はふたつの品種で試しています。これから、本格的な焼きいもの季節。まずは週に一度ぐらい焼く日を決めて、いわき市内で受注販売していけたら、と思っています。味を研究して、もっと上手にできるようになったら、販売網を広げていきたいです。
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収穫したサツマイモです。右は干しいも用、左は焼きいも用です

セラミックオーブンが使えると年間を通して加工できるので、購入しました。メンバーの持ちものの倉庫を作業場に改修してオーブンを置き、焼きいもや黒豆茶などを試作しています。オーブンは3段の引出式で、温度調節も手動なので、使い慣れておいしい焼きいもの作り方を習得するのに、ずいぶん試食しました。 
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セラミックオーブンで焼きいもを作っています

干し芋は十二月から本格的に作り始め、中旬から周囲に口コミで販売します。サツマイモの生産量がまだよく把握できないので、遠方への販売は検討中です。

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できあがった焼きいも。

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中はホクホクです。

―農作物を作り、加工品として販売する過程で出てくる仕事の一部を、福祉作業所に委託されるとか。
焼きいもは袋に入れて渡すので、その袋を福祉作業所で作れないかと考えています。紙を切って袋を作り、ハンコを押す仕事です。わたしたちは農作物の加工だけでなく、クラフトアイテムも作っていて、香袋は実際にいま、ポプリを詰めたり、台紙を作ったりするのを、作業所にお願いしています。いくつか商品を開発して、年間を通して安定的に、仕事が回せるようになるといいです。
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焼きいもの袋。作業所への委託を考えています

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クラフトアイテムも作っています

障がいを持った人たちの賃金は安いです。親が一生懸命に活動して、少しでも作業所の賃金が上がり、それに、わたしたちみたいな団体が増えていくといいですね。障がいはそれぞれ違うので、一人ひとりの技能を生かしたいです。親から自立するときの子どもたちの暮らしも、考えていかなければなりません。
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ポプリつめなど、実際に作業所に一部、仕事をお願いしている香り袋です

―事業は着実に進んでいますね。
支援金をいただいて、もうすぐ1年になります。おかげさまで機器類をそろえ、設備投資がある程度できて、活動の基礎がつくれました。頭の中で考えていたことが、ひとつずつ実現していて、これからもっと頑張ろうと思っています。まだまだこれからですが、機器類をフルに活用して、活動を広げていたきいです。そしていつの日か私たちの商品が、フェリシモのお客さまにも届けられるようになったらいいです。ご支援、ありがとうございます。
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畑で収穫したサツマイモを持つお母さんたち

交流ステーションみのりさんの活動の様子はこちらのHPからご覧いただけます。

 

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「とうほくIPPOプロジェクト」では、第3期の応募対象について12月に1次選考を行いました。第1次選考結果は2014年1月に個別にご通知いたします。また2014年1月より2次選考を実施いたします。2次選考では必要に応じて応募者への現地でのヒアリングをさせていただきます。2次選考の対象となる応募者の方へも2014年1月に個別にご連絡を差し上げます。

「とうほくIPPOプロジェクト」は、責任者・主体者メンバーが女性であることを条件に事業提案を公募し、審査の結果選ばれた個人・団体に支援金を支給して、被災地の産業復興のきっかけづくりにつなげることを目的としています。 詳細はこちらをご覧ください。

(取材協力:のはら舎)

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