フェリシモCompany

もはや、いきもの。 「ハコモン」!

環境を意識して仕事を工夫している社員にスポットを当てたインタビューリレー。

第5回目は、フェリシモ会員さまがより楽しくお買い物していただけるようなサービスや商品などを企画している部署、会員サービス部の明里知恵さんにお話をお聞きしました。

明里さん

以下事務局:環境コミュニケーション事務局)

事務局)入社何年目ですか?

明里さん)2011年です。ちょうど11年目になります。

事務局)今までどういう仕事をしてきましたか?

明里さん)最初は、生活雑貨事業部で商品企画をしていました。キッチンで調理するときに便利に使える「シリコーンスプーン」や、ホタテ貝殻焼成カルシウムを配合した「ホタテのトイレクリーナー」などです。その後「ピケット」チーム、「UP.de(アプデ)」チームでファッション小物や雑貨の商品企画をしてきました。そして今所属しているのは会員サービス部です。ここでは「ガラフル」の商品企画や、「メリーカタログ」のディレクションを担当しています。

事務局)いろいろな企画を担当してこられたのですね。では早速! 話題の「ハコモン」について聞かせてください。

未知の生命体!? これが「ハコモン」の全容だ!

ハコモン調査報告書

事務局)「ハコモン」はどのような経緯で生まれたのですか?

明里さん)数年前、フェリシモのお届けを「コレクション」と言わずに「定期便」と言うようになったのですが、そのときに「いかにお客さまに楽しく、定期的にお買い物を続けていただくか」という課題に対し、アイデアを出して、動画を制作させてもらったんです。それがこちらです。

親子をつなぐもの

親子をつなぐもの

事務局)覚えてますよ! 画期的でしたね。

明里さん)ほんとですか!? ありがとうございます!「定期便」というのは、色や柄が違う商品が毎月届くだけではなくて、中身は何であろうと、毎月フェリシモの箱が届いて、そこから何か物語が始まっていくというところが魅力的なことを、動画という手法で伝えてみたかったんです。その後「定期便アップデート」というプロジェクトが立ち上がり、声がかかりました。このプロジェクトでは全社から集まったメンバー4名で「定期便アップデート」のコンセプトを考えるところまでを担い、その後、会員サービス部が引き継いで、実現・運用することになりました。

事務局)なるほど。具体的にはどんな形で進められたのですか?

明里さん)「定期便をアップデートさせる」方法として考えたのが「きっかけ定期便」というコンテンツです。「フェリシモの定期便」をきっかけに、誰かと誰かが「一ヵ月に一度」つながる楽しさや喜びをお客さまに伝えたいと考えたとき、私たちフェリシモが直接お客さまに伝えるのではなく、お客さま同士で伝え合ってもらった方がリアリティーがあっていいんじゃないか?という気づきに至りました。そこで「フェリシモコミュニティースクエア」内に「きっかけ定期便」というプラットフォームを作り、そこにお客さまからのお声を掲載したり、お客さまから届いたエピソードをマンガにしたりと、定期的に更新しているんです。

きっかけ定期便サイト

きっかけ定期便ではじめよう!

事務局)「きっかけ定期便」=フェリシモを始める「きっかけ」じゃなくて、「フェリシモを通じて誰かと誰かがつながるきっかけ」なんですね。「ハコモン」も、「きっかけ定期便」から生まれたアイデアなのですか?

明里さん)会員サービス部に配属となり「フェリシモのお客さまとの関係を維持する」という部門の目的を日々考える中で、フェリシモにあるたくさんの商品の中から、いろいろなものを毎月買っていただきたい、お買い物を毎月楽しんでいただきたいと思うようになりました。また、もしかしたら、毎月定期的に買い続けてくださるお客さまには「What (何が届くか)」とか「When (いつ届くか)」は、実は、最重要ではないのかもしれない、この「お届け箱が定期的に届くこと」自体に意味があるのかもしれない、お届け箱が「きっかけ」になるかも、そんなふうに考え始めました。

事務局)そこが「ハコモン」に至る発想の源だったんですね。

明里さん)そのころ興味を持っていたのが「目」です。何かに「目」がつくと一気にいとしくなるってこと、ありませんか? 私は手づくり好きなんですが、作ったあみぐるみに目をつけたとたん「かわいい! 」ってなるんです。だからこの子(お届け箱)たちにも目をつけたらどうだろうと考えました。フェリシモから箱が届いたときの「あ、いつものがきた!」といううれしさをさらに増すことができるんじゃないかって。

事務局)「目」の魅力と、お届け箱がひもづいた瞬間! ですね。

明里さん)まず上司に相談してみたらおもしろがってもらえたので、さらにしっかりした内容にするために、YOU+MORE! チームのプランナーさんにもアドバイスをもらいにいきました。私自身は世の中のキャラクター物に関心がない人間だったので……。「ある程度覚えられる匹数がいいですよね」とか「目で性格が読み取れるとおもしろいかも」とか。それで、キャラクター性の強い12匹をつくろうと思ったんです。

キャラクター性の強い12匹

事務局)「ハコモン」のキャラクターの生みの親は?

明里さん)「TANSAN Inc.」という京都にあるボードゲームの制作プロダクションの方と一緒に生み出しました。3人の会社なんですが、もう本当にいろいろなユニークなゲームを考えている方たちで、考えるのがとても楽しかったです。「箱にゲーム性を持たせたい」とか「どうしたらみんなが参加したくなるか」など、さまざまな側面から考え尽くしました。

事務局)ほかにもエピソードがあれば教えてください。

明里さん)これが「ハコモン」のシールセットなのですが、エスパスフェリシモ(フェリシモの物流センター)で商品を箱入れするときに、これをいちいちはがして、フラップの内側と、外側の側面に貼り付けてもらっていたんです。だいぶお手間をおかけして……。ありがとうございます!

「ハコモン」のシールセット
シールをはったところ

事務局)反対はなかったですか?

明里さん)実施前、エスパスで物流のメンバーさんに説明をしたのですが、本当にありがたいことに「やりましょう! 」と言ってもらえたんです。とても感謝しています。それに、完成した「ハコモン」の箱が山積みになっているところを、写真に撮って送ってくれたのもうれしかったです。

完成した「ハコモン」の箱が山積みになっているところ

事務局)「ハコモン」は2021年2月分だけの企画だったそうですね。

明里さん)はい、1ヵ月間だけお試しでやってみました。もともと「きっかけ定期便」では、家族や友人たちとつながることを伝えたかったのですが、コロナウィルスの影響で……リアルにつながろうということを声高に言えなくなってしまいました。それで急遽「SNS上でつながろう!」という企画を検討したんです。

例えば、フェリシモでお買い物をされている猫好きな方の投稿に対して、ほかの猫好きの方が「あ、私もフェリシモやってます」とか「フェリシモでこんなもの買ってます」みたいなフェリシモ仲間同士が盛り上がっているのを知っていたので、SNS上で「この人もフェリシモやってるんだ~!」というつながりに気づくきっかけを作ってみよう!と思ったんです。なので今回は「ハコモンの箱が届いたら、SNSにアップしよう! 」というふうに呼びかけました。

事務局)反応はどうでしたか?

明里さん)はい、ツイッターで「#ハコモン」で検索していただいたら「ハコモンきたきた!」とか「次も来るのかな」とか「遊び心にあふれてる!」とか出てきます。中身がどうとかじゃなくて、お届け箱のことが話題になるっていうことに、今までとは違う手ごたえを感じました。

※こちらの画像はツイート例です。
※こちらの画像はツイート例です。

事務局)このインタビューは、環境側面への配慮に関してもお聞きしているのですが、そういう意味での「ハコモン」の役割って何なんでしょうね。

明里さん)段ボールって最終的には捨てちゃうもので、そこにあえてお金をかけるフェリシモって、すごい非合理だけど、なんかいいなと思ってもらえたらうれしいです。今回は、捨てるモノ(=段ボール=使い終わるとちょっとうっとうしくなる存在)に目がついているっていう「はかなさ」とか「いとしさ」みたいなものを、それぞれのキャラに表現しています。すぐに捨てられるはずだった段ボールを、今一度見てもらえたらという思いが根底にあります。

実は、亀田製菓さんの「柿の種」の小袋にデザインされた「けなげ組」っていうのがあるんですが、ここからもヒントを得たんです。今まで、中身を出したらポイッと捨てていた段ボール箱も「この子たちもここに届くまで一生懸命仕事してきたんやな。この後も、もう少しできることあるかも」という思いを抱くことで、またしばらくの間使いたくなったり、捨てるのがもったいなくなったりしたらいいなと思って。でも、もちろん、捨ててもいいんですよ。「捨てる」っていう哀愁もなんかいいなと思ってます。

ネコベッドなイラスト

事務局)捨ててもいいんだけど、今までと違う思いや行動が起こること。それがコミュニケーションと言えるかもしれませんね。

明里さん)配達員さんが持ってきた姿を見て「あ、なんか持ってる!」って思う驚きとか、もしかしたら配達員さんと言葉を交わすきっかけになるかもしれないとか、目がついてて捨てにくい、とかとか、「ハコモン」をきっかけした、思いもよらないようなコミュニケーションを想像してしまいます(笑)

事務局)「捨てずに長く使いましょう」というメッセージを超えて「捨てちゃうものだからこそ、ユニークに使ってあげたらきっと本望」ということですね。

明里さん)今回は「ハコモン」キャラクターのシールだったんですけど、箱に仕掛けをするっていうアイデアはコンセプト検討時からみんなでいろいろ考えていて、例えば、なぞ解きをするっていうアイデア。お届け箱に毎回違うお題が書かれていて、何ヵ月かかけて解いていくっていう。箱は捨てるものだけど、そこでいろいろなチャレンジをしていくのがミッション、というような。

事務局)楽しそう。いろいろなことができそうですね。

明里さん)フェリシモがやるからこそ、意味があるというか、「ハコモン」について、今後の展開やストーリーも、こっそり考えています。

事務局)今後の展開も楽しみです。明里さん、ありがとうございました。

事務局より)取材を終えて……

「フェリシモが届いたよ~」。

今までも、フェリシモのお届け箱は、真っ赤だったり、色とりどりの花々だったり、プリズムだったりと、ただの「段ボール」とは思えない特徴とクオリティーで一線を画してきました。いつの時代もこの印象的なお届け箱のおかげで、フェリシモとお客さまだけでなく、お客さま同士のコミュニケーションをはぐくむ役割も担ってきました。

その歴史の中でも「ハコモン」の存在はユニークです。もはや「いきもの」。そんなふうに感じました。捨てられるまでの時間の中で、愛着や哀愁さえ感じられる「ハコモン」。1ヵ月間だけと言わず、これからも活躍してほしい! わが家に届いてほしい!と感じたのは、私だけではないのでは? コミュニケーションの主役を狙う(!?)フェリシモのお届け箱の展開がますます楽しみです。

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