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ファッションも社会課題への取り組みも、自分らしくハッピーに。忙しい女性のオンもオフも豊かにしてくれるブランド「イディット」にまつわる10のこと。

IEDIT

こんにちは、フェリシモ環境コミュニケーション事務局のFukuです。

「『どちらも大切』は美しい」をコンセプトにした『イディット』は、大人のワードローブを発信するファッションブランドです。仕事も家庭も、オンもオフも、“どちらも”大切にしながら、機能面でも気持ちの面でも、理想の自分やおしゃれをかなえるアイテムをお届けしています。

また、ファッションの枠を超えて、地球上のすべての女性が笑顔になれることも大切にしています。SDGsやサステナブルが当たり前になりつつある一方で、自分が当事者であるという実感が薄い方もまだたくさんいると思います。『イディット』では、そういった素直な思いに寄り添い、自分や身近な人のために無理なくできる環境にいいことや、世界の女性に思いをはせて日常的にできる支援のあり方を、ていねいに考え続けています。

そして、2022年9月から「Her smile(ハースマイル)基金」がスタートします。世界中の女性を応援しながら、日本の忙しい女性と社会課題をもっと身近にしてくれる新しい基金です。

どんなときもお客さま目線で商品企画を手掛ける、若杉顕子さんにお話を伺いました。

話し手:若杉顕子さん 
聞き手:環境コミュニケーション事務局 

Q1、「イディット」は、ひとことで言うと、どんなブランドですか?

忙しい女性たちが、ファッションを通して公私ともにハッピーになってもらいたいという願いを込めて発信しているブランドです。特に働く女性は、会社での立場や、妻や母であることなど、職場でも家庭でもいろいろな役割が求められます。そういった女性たちに、ファッションを通して自分らしく前向きに、気持ちもライフスタイルも充実した日々を送るお手伝いをしたいと思っています。

Q2、公私ともに日々を充実させてくれるアイテムづくり。どちらも大切にするって実はむずかしいことなのでは……? 企画をするにあたってはどんなことを心がけていますか?

機能面と情緒面、ふたつの側面から豊かになれる提案をしています。例えば、シワになりにくい機能的な洋服があれば、お手入れの時間を節約できて、オフの時間を増やすことができます。情緒面なら、気持ちが豊かになるような企画を取り入れるようにしています。社会での役割が増えていくと、求められる自分を演出するようになって、純粋に好きなものを忘れてしまいがちです。以前はきっと、古着が好きだとか、派手なプリントものが好きだとか、こだわりがあったと思うんです。そういった自分らしい感性を思い出してもらうために、懐かしいキャラクターとのコラボ商品やアートを取り入れた商品などを企画しています。また、本当に求められているものを知るために、お客さまの声をリアルにお聞きする機会を設けています。お客さまとお話をしていると、何かに共感したり、気持ちを豊かにしてくれるものが求められていると感じることがとても多く、ファッションアイテム以外にも心が動くきっかけを今後はつくっていきたいですね。

Q3、2022年春号のカタログでは「自分なりのサステナブル」コーナーがスタートしましたね。それもファッションアイテム以外の心が動くもののひとつなのでしょうか?

そうですね。「サステナブル」が当たり前の価値観になりつつありますが、生活者の感覚としてはまだ当事者としての感覚からはほど遠いような気がしています。私たちプランナーチームの間でも、理解が深まっていないところがあるので、お客さまとともに考えていきたいなというシンプルな発想から始まった企画です。社会課題に対して、なんとなく理解できているし、行動に移したいとは思っていても、ひとりで考えていると何から手をつけたらいいのかよくわからなくなってしまって、おっくうになったり、生活の中に紛れてしまうことってよくあると思うんです。だから、「サステナブルってなんだろう?」から始めて、「日常のさりげない行動もサステナブルにつながるのでは?」といった可能性を、お客さまとともに考えていきたいと思っています。「イディット」が発信しているアイテムでも、オーガニックコットンやリサイクル素材を取り入れて、できることから少しずつ、 “サステナ”な活動がスタートしています。

こんなこともサステナかも?

Q4、インドの女性を応援する商品企画も手がけておられます。どのようなきっかけでスタートしたのでしょうか? 

インドの手づくりジュエリー「MAYGLOBE by Tribaluxe(メイグローブ バイ トライバラクス)」シリーズは、アクセサリーメーカー「スプリング」代表の立花佳代さんが創設されたブランドで、インドのデリーから車で北へ2時間ほどの場所にある村の女性たちが、手作業で商品を作っています。

MAYGLOBE by Tribaluxe

インドでは、生活水準や交通インフラの不整備など、さまざまな要因が絡み合って、女性の就学率や労働参加率は世界的に見ても低く、女性が働きづらい立場にいます。立花さんは現地でその状況を目の当たりにし、インドの女性の雇用機会を創出して経済的自立を根本的に支援することを目的に工場をつくりました。立花さんの思いと、女性を笑顔にしたいと願う『イディット』には通じるところがあると感じ、商品を販売させていただくことになりました。当初はWebサイトのみで販売していたのですが、たくさんの反響があり、現在はカタログにも掲載しています。

Q5、若杉さんが、インドでの活動で一番共感されたのは、どういった部分でしょうか?

同じ女性として、経済的自立を応援していきたい、という思いでしょうか。本来の「自由」って、仕事をして収入を得ることで手に入るものだと私は思うんです。インドでは伝統的に男性優位なところがあって、女性は10代で結婚したり出産したりして、家庭に縛られてキャリアを築きたくてもできない環境にいます。日本でも少なからずそういった状況ってまだあると思うんですね。立花さんが、“インドの女性を助ける”というスタンスではなく、本当の意味で“インドの女性が自立し、そのよろこびを感じられるようになってほしい”ということを軸に据えて活動を展開しておられ、インドの女性と対等な立場で仕事をしているスタンスに共感しました。インドの女性が抱える課題を、たくさんの方に知っていただきたいという思いもあります。また、純粋にファッションアイテムとしても素敵です。他にはない特別なデザインで、手づくりならではのあたたかみのある表情もかわいくて。インドの工場の方々も日々技術を磨きながらていねいに作ってくださっているんだなということが伝わってくるんですよね。

インドのアクセサリー工場にて
インドのアクセサリー工場にて、立花さんと工場で働く女性たち。働く方のモチベーションがアップするようにと華やかなカラーの制服は立花さんが企画されたのだそう

Q6、「イディット」というブランドを通して、私たちはインドの女性のことを知り、共感し……持続可能な社会をつくるために何ができるのかを考えるきっかけになりますね。

環境やジェンダーなどの課題を、もっと身近なものにしていけたらと思うんです。ですから、日常生活のなかで無意識に手に取ったものが応援につながったり、社会課題を知るきっかけになるような仕掛けをつくっていきたいなというのはずっとあって。改めて気合いを入れてなにかしよう、ということではなくて、例えば、スーパーで売っている日用品に基金がついているとか。そのくらい身近な、日常的に購入するものに基金が組み込まれたら、社会課題について考える時間が増えたり、支援するハードルが低くなったりするんじゃないかなって思うんです。『イディット』の商品でも、かわいいと思って購入したら基金が付いていて誰かのためになった!くらいの軽やかな感覚で支援できるしくみを見出してくことが、私たちの使命かなって思っています。

アクセサリーたち

Q7、そういった思いもあって、9月から「Her smile基金」がスタートすることになったのでしょうか?

女性がしあわせであることは、子どもの未来や社会を豊かにすることにつながっているという思いがあり、困難な状況にある女性のために何かできないかとずっと考えていたんです。私たち企画チームのメンバーも含めて、忙しい大人の女性たちは、何かしたいと思ってはいてもアクションする時間がないと思うんですね。だから、『イディット』で物を買っていただくだけではなく、お客さまと社会がつながるきっかけになって、かつ、地球上のすべての女性が笑顔になれることを願って立ち上げたのが「Her smile基金」です。『イディット』の該当商品に100円基金がついていて​​、貧困や有害な慣習による差別や偏見など、さまざまな困難に直面する女性の問題を解決していくことを目的とした世界各地での活動を応援する取り組みです。スタートアップとしては、インドの母と子のクリニック「AMDAピースクリニック」に拠出することが決定しています。インドの貧困地域にある母子の健康を守るために設立された病院です。

AMDAピースクリニックの様子

Q8、なぜ、インドでの支援だったのでしょうか?

実際にインドでつくっていただいた商品を販売して、メリーファンディングでもインドの女性たちのお顔が見えて(後述)。お仕事を通して現地とつながったという実感があったんですね。顔が見える関係性を築けたからこそ、現地で本当に求められているものが見えたと思うんです。そして、お客さまにも、どこの誰に支援を行いますと、支援先の方の顔を具体的に思い浮かべながら説明することができます。インドの女性は、10代の未熟なからだでたくさん子どもを産みます。栄養状態が充分ではなかったり、医療体制が整っていなかったりして、母子ともに危険な状態で出産することも多いのだそうです。拠出先は、現地の情報に詳しい立花さんにもご相談させていただいたのですが、彼女も出産を経験して「10代の若い子が出産し続けること」のしんどさを理解しているからこそ、少しでも命を救えるお手伝いができればという思いを私たちと共有しています。お客さまからお預かりする大切な基金ですから、緊急度合いなども検証を重ねた結果、「AMDAピースクリニック」さまへの支援を行うことになりました。

インドでの支援について話す若杉さん

Q9、インドといえば、メリーファンディングでの支援も過去最速で目標額を達成することができましたね!

そうなんです! ありがたいことに、お客さまから多大なご支援をいただき、メリーファンディングで集まったお預かり金で、発電機とウォーターサーバーをお届けすることができました。応援先は「MAYGLOBE by Tribaluxe」の商品を作ってくださっている工場で、現地の方にどのような困りごとがあり、何が必要なのかお聞きしてファンディングの目標を決めました。村では通常1日のうち16〜7時間は電気が止まっているため、工場ではとても古い発電機を繰り返し修理しながら使っていたそうです。頻繁に停電になってしまうので、その度に仕事を中断しなくてはならなかったのです。これまでのメリーファンディングと比べて高額設定での挑戦でしたが、結果的に3,000人以上のお客さまから気持ちを寄せていただき、達成することができました。この村で作った、リターン品のブレスレットが欲しいというお声もたくさんいただきうれしかったですね。

メリーファンディングの感謝のお手紙
メリーファンディングの感謝のお手紙

また、地下水を自動で汲み上げて、濾過(ろか)し、冷たい水が出てくるウォーターポンプ&サーバーも新設することができました。それまでは、井戸水を手動のポンプでふたりがかりでくみ上げていたそうで、現地の女性からは「生まれて初めて冷たい水を飲んだ!」「家族に持って帰ってあげられる」とのよろこびの声が届いています。そういった課題を抱えていることや達成できた感動も、直接的なコミュニケーションがあったからこそお聞きできたと思うんですね。今後は、フェリシモのお客さまと現地の方がコミュニケーションできる機会もつくっていけたらなと思っています。

10、今後の展望を教えてください!

9月からいよいよ、「Her smile基金」付きの商品が販売となります。第一弾は、ローズヒップやカモミールなどをブレンドしたノンカフェインのハーブティーです。お客さまからのヒアリングがヒントになって誕生した商品です。働く女性は息つく間もないほど忙しく、子どもがいると自分だけの時間がつくれるのは22時くらい。『イディット』のカタログもそのくらいの時間にお茶とともに見てくださっているというお声をヒントに、仕事や家事を終えたあとのリラックスタイムのお供になる商品をお届けしたいと思ったんです。そのひとときに、ちょっとでも、基金先である世界の女性に思いをはせる時間になればなって。まずは自分自身が穏やかな気持ちでいないと、誰かのために行動するなんてむずかしいものですよね。

9月から受注予定のハーブティ。パッケージのイラストもかわいい!
9月から受注予定のハーブティ。パッケージのイラストもかわいい!
同じく9月から販売予定のインドで作られたアクセサリー
同じく9月から販売予定のインドで作られたアクセサリー

また、ネックレスも販売予定です。子育て中で身に着けられない方や、もともとあまり着けない方でも、アクセサリーに共感できるストーリーを感じられれば、お守りみたいに身につけていただけるかもしれないと思って企画しました。このネックレスもメリーファンディングで応援した工場の女性たちと一緒につくったものなんです。
これからの社会が少しずつでも、さまざまな困難に直面している女性たちにとってもしあわせな社会になるように願い、『イディット』ではファッションの枠を超えて女性をしあわせにできる商品や企画を展開していきたいと思います。

Her smile基金についての記事はこちらもぜひご覧くださいね。

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