フェリシモCompany

暮らしに寄り添う服と、人や環境にやさしい活動。どんなときも自分らしさと心地よさをお届けするブランド「リブ イン コンフォート」にまつわる10のこと。

「リブインコンフォート」にまつわる10のこと。

こんにちは、フェリシモ環境コミュニケーション事務局のFukuです。

「Live in comfort / リブ イン コンフォート(以下、リブイン)」はその名の通り、日々の暮らしを心地よくするための服を20年にわたり提供し続けてきたブランドです。

お客さまのお声や企画メンバーの暮らしのなかから、ほんとに欲しい、等身大のアイテムを見出し、企画しています。また、生活のなかで得た気づきが、やがて社会課題のプロジェクトに発展していくようなこともあります。

どんなときも「リブイン」の根底にあるのは、いかに暮らしを心地よくするかということ。

そんな「リブイン」の生みの親であるえみちんこと河原恵美さん(以下、えみちん)とおちよさんこと新川智代さん(以下、おちよ)にお話を伺いました。

話し手:河原恵美さん、新川智代さん
聞き手:環境コミュニケーション事務局

左:えみちん 右:おちよ(オンラインにて)
左:えみちん 右:おちよ(オンラインにて)
Live in comfort Renewal 花を飾ろう。

Q1、さっそくですが、「リブイン」とはどのようなブランドですか?

おちよ:「暮らし心地をよくする」をモットーにしています。トレンドを大事にしつつも、おしゃれは暮らしの延長線上にあるものだと考えていて、毎日を心地よく生活するためのアイテムを作りたいといつも思っています。例えば、袖が広がっていたら洗い物をするときに濡れちゃうけれど、袖にゴムが入っていたら家事がしやすくなりますよね。身支度や育児でドタバタの朝にコーディネートを考えるのは面倒だけれど、1枚でコーディネートが決まるアイテムがあれば安心しますよね。えみちんや私はじめ、お客さまやプランナーが日々の暮らしのなかで「ここが物足りない!」と感じていることを反映しながら商品を作っています。

新川智代さん

Q2、実生活にもとづくリアルな声から商品が生まれているんですね!

えみちん:そうなんですよ。私は「リブイン」の立ち上げからずっとプランナーをさせてもらっていますが、ライフステージやトレンドなどいろいろな変化を、お客さまとともに体験しているような感じですね。

おちよ:ところでえみちん、突然ですが、ファッションはお得意ですか?(笑)

えみちん:実は私、おしゃれは好きなのですが、積極的というわけではないんですよ。もちろんおしゃれはしたいけれど、あまり目立ちたくはないし、毎日キラキラしていたいというわけでもなくて……。「リブイン」がスタートする前から、もともとスタイルに自信がなくて、どうやって体型をカバーしようかとばかり考えてきましたし、最近では着やせしたいというよりも、とにかく楽に過ごせてほどよくこぎれいでいたいと思っている自分がいるんです。そういう自分自身の声を企画に盛り込んできたから、実用的で等身大の商品が生まれているのかなとは思います。ちなみにブランドの立ち上げ当初は私も若くて、年上の方たちのファッションと言われてもあまりピンと来ていませんでしたが、だんだん私の年齢も「リブイン」のターゲット層と合致していって、今では自分の心に素直になって商品を企画すると、それがベストなアイテムになるという感覚があります。

Q3心地よいアイテムといえば、着心地や素材にもこだわっておられますよね。

おちよ:洋服ができるまでの過程で、いろいろなスタイルのメンバーがサンプルを試着するんです。体型や着こなしなど、ファッションに関する悩みって人それぞれですよね。コンプレックスというほどではなくても、ちょっと気になっていることは、みんなにあります。なるべく多くの人がサンプルを着てみて、リアルな声をひろって、「どんな人が着てもいける!」と思える洋服づくりを心がけています。

えみちん:あと、プランナーはみんな、外でも人のファッションを観察していて。保育園のお迎えのときに私たちと同じ世代のママたちが着ている服だとか(笑) 町中にヒントがいっぱいありますよね。

おちよ:「リブイン」では10年以上ダブルガーゼのアイテムを展開しているんですよ。

えみちん:私はもともとそんなに肌が強くなくて、合成繊維のカサカサした感じが苦手だったんです。そういう背景もあって、綿混素材のものが増えてきました。ダブルガーゼシリーズは、今でこそリブインの代表的な素材になっていますが、商品ができた当時はダブルガーゼの製品ってあまりなかったんですよ。というのも、生地の耐性が弱くて裂けやすいといったデメリットがあって。けれど、ダブルガーゼでお洋服を作ったらきっと気持ちがいいだろうなぁと思って、商品化してみて、その後もコツコツと改良を重ねています。毎年繰り返し作ることで、問題がクリアになっていき、今では安定したダブルガーゼの商品が展開できるようになり、最終的にはストレッチ素材のダブルガーゼ商品なんかも展開できるようになりました。

(左)「肌に当たる裏側は綿100%! 風合いのいい麻混ダブルガーゼのぽんわりパンツ」は履き心地がとってもよくてやみつきになりそう。(右)オール・カットソー素材の「綿100%カットソー素材が気持ちいい 伸びやかなシャツの会」も人気シリーズのひとつ。

Q4、お客さまからのお声も、やはりたくさん取り入れられているのでしょうか?

おちよ:そうなんです! 特に長く続いているシリーズは、お客さまの声によってどんどんアップデートされています。カスタマーセンターから届くありとあらゆる声をプランナーがくまなく拝見して、それを元に改良案を出していきます。お客さまの声を取り入れてほぼ完成形になりつつある代表例が、2009年にリリースした「裏ボアパンツ」です。

えみちん:お取引先さまの寒がりな女性のために、暖かさを重視して企画したものなんです。人気商品になってからも、お客さまの「こうしてほしい!」というお声の中からも改善点を見出していきました。

裏ボアパンツ

おちよ:「ウエストがきつかったです」とか「もこもこしてて動きづらい」などといった声をお聞きして、コツコツと改良を重ねて、10年以上かけてほぼ完成形になりました! リアルなお声を反映していることがお客さまにも伝わっているようで、さらに踏み込んだアイデアをいただくこともあったりして、お客さまと会話をするようにしながら、ともに商品を作っていると感じることが、「リブイン」の商品を企画しているとよくあります。

Q5、「リブイン」では「リブラブコットンプロジェクト」という企画も手がけていますよね?

おちよ:「リブラブコットンプロジェクト」は2020年にスタートした基金で、インド産のオーガニックコットンを使ったお洋服に100円基金をつけて販売しています。インドの中でもコットン栽培が盛んなマディングパダー村で、現地のニーズに応じて基金を活用させていただいております。

えみちん:「リブイン」では以前からインドのオーガニックコットンを使った商品を展開していたのですが、東京で行われていたオーガニックコットンの展示会に伺ったときに、刺しゅう作家のニノミヤサワコさんの作品を拝見したり、オーガニックコットンの質のよさなどに感銘を受けて、「リブイン」でも改めて商品点数を増やして、しっかりと展開したいと思ったんです。私たちのブランドは暮らしと密接にあるものだから、インドの人たちとの距離もなるべく近く感じられるような基金を目指しています。

Live love cotton farm

おちよ:できるだけ顔の見える支援にして、思いを寄せてくださるみなさまに愛着を持っていただきたいので、村に対してどういった支援を行なっていくのかを時間をかけて計画していきました。現在は、こどもの教育サポート、女性グループの自立支援、オーガニックコットンの農業支援のおもに3つの使い道があります。

えみちん:コットン栽培の閑散期に女性の仕事がないという課題もあったので、マディングパダー村の女性たちで「刺しゅうガールズ」なるものを結成して、現地でニノミヤサワコさんに指導をしていただきました。「刺しゅうガールズ」が作ったすてきな刺しゅうを使ってリブインオリジナルの商品を展開しています。

おちよ:当初は動物の刺しゅうをしていただいたのですが、作る人によって蝶々やライオンの表情が違っていて、愛らしいんですよね。そういう、つくり手の個性が出るところに、あたたかさを感じる取り組みなんです。最近では、資金があることで村にキッチンガーデンができて、こどもに料理が提供されるようになったり、コミュニティが形成され、自治体のような動きが出はじめたり、基金がちゃんと活用されていることに感動しています。このつながりや温度感をお客さまにも伝えていきたいですね。

えみちん:フェリシモのメンバーがインドに伺った際もすごく歓迎していただいたようでうれしかったです。マディングバダー村には「リブラブコットンファーム」があって、村の人たちとのつながりも深まってきていて、なんだかリブインの第2の拠点のような存在です。

マディングバダー村

Q6、お二人のお人柄も、ブランドやプロジェクトに反映されているのだなと感じます。人や環境にやさしい企画といえば、えみちんさんの残反企画はどのように始まったのでしょうか?

えみちん:フェリシモでものづくりを行うなかで、お取引さまに生地が余っていることを知りました。日本製の生地ってとてもクオリティが高くて、なんてなめらかで素敵な生地なのだろうと思っていたら、余っている生地を譲っていただけることになったんです。 “実はすごくいいものなんだけれど、理由があって安くなっている”お得なものが、私、昔から大好きなんですよ。満足感が高いじゃないですか。残反企画では毎シーズンつくるわけではなく、いい生地が出たら商品をつくるというスタンスでコツコツ続けるうちに、余った生地がリブインに集まるようになってきて、結果的に長く続いているという感じです。

コットンやリネン混のかわいい残り生地を使ってできた残反企画「やわらかなチェック生地を使ったボリュームパーカの会」
コットンやリネン混のかわいい残り生地を使ってできた残反企画「やわらかなチェック生地を使ったボリュームパーカの会」

おちよ:余っている生地で展開しているため、すべてのカラーを同数で生産できませんし、その生地がなくなったら終わりなので、本来なら商品化が難しいのですが、フェリシモ定期便の「何が届くのかわからないワクワク」に共感し楽しんでくださるお客さまが多くいらっしゃることでかなった企画ともいえます。

えみちん:残反企画はライフワークみたいに地道に続けていて、最近では日本の雑貨屋さんから余った革をご紹介いただいて、小さなお財布やヘアアクセを展開していています。それでもまだ残反があるということで、今度はポーチを企画しています。

Q7、そういった環境に配慮したやさしいプロジェクトも、企画チームの生活の延長線上にあるものなのでしょうか? 

おちよ:これまでも、「わんにゃん基金」や「海基金」でコラボしたこともあるのですが、大きな社会課題に向き合うというより、企画チームのメンバーが気になっている社会問題への興味関心が原点になっています。今ちょうど、メンバーの一人が「おてらおやつクラブ」さんの活動に感銘を受けて、なにかお役に立てることがないだろうかとみんなで知恵を絞っているところです。「リブ イン コンフォート」というブランド名が表している通り、個人の暮らしの延長線上にある関心ごとがやがて、「リブイン」発の社会活動に発展していくようなイメージです。

えみちん:生活の延長線上といえば、コーディネートがめんどうなときも寄り添えるよう、コーディネートしたものをお届けする企画「コーデセット」もずっとご好評いただいておりまして。過去にはモデルさんが着用せず、私が手作りしたミニチュアのマネキンをカタログに掲載したことがあるのですが、それでもたくさんの方に買っていただきましたよね。

おちよ:着用イメージがほぼわからないにも関わらず、たくさんの方に注目していただいて、すごく「リブイン」を信頼してくださっているのだなぁとしみじみ実感しましたよね。

えみちん:そうそう。だからこそ、いいものをお届けしなきゃという思いが常にあります。

右上が予想以上に反響いただいた、えみちんお手製のミニチュアマネキン。

Q8、最近はファッションにとどまらない活動も展開されているのだとか?

おちよ:「more felissimo」の企画で、モデルのはまじさんこと、浜島直子さんとスタートしたのが誌面ラジオ「とんとんすこーんとラジオ」です。暮らしを心地よくするためには、心を穏やかにすることも大事だよねということで、お客さまに「お悩みありませんか?」と問いかけたら、想像以上に切実な相談をたくさんお寄せいただいたんですね。私たちが直接解決することは難しいけれど、「ちょっと元気になる」ためのエッセンスや、解決の糸口となるヒントならば提供することができるかもしれないと思ったんです。そこで、はまじさんにパーソナリティを務めていただき、誌面ラジオが実現しました。

Live in Radio station

えみちん:ちなみにはまじさんとは2007年頃からコラボさせていただき、これまでなんと136アイテムも一緒に作らせてもらっています。そもそも、はまじさんがお仕事でいろいろなところを旅するなかで、欲しい旅グッズを考えるところからコラボがスタートしたのですが、はまじさんも私たちも、結婚したりこどもが生まれたりして、環境も必要なアイテムも変わっていって。はまじさんの好きなシンプルなテイストや、着やすさはそのままなのですが、年を重ねるごとに、はまじさんの欲しいものが、より「リブイン」のトーンに近づいてきていて、最近は以前にも増してお互いに肩の力を抜いた状態でコラボできているかなと思います。「とんとんすこーんとラジオ」もそういう関係性があったからこそかなった企画なのかもしれません。

Q9、「リブイン」は20周年を迎えられました!おめでとうございます。この20年、どんな変化がありましたか?活動も展開されているのだとか?

おちよ:トレンドの変化もありますが、やはりライフステージの変化に伴って、着たいと思う服が変わってきたことが一番大きいなぁと思います。昔のカタログを眺めていたら、短いスカートとかピチピチのパンツとか企画していてびっくりしました(笑)

えみちん:そのときどきのリアルなお客さまの姿を見ながら、時代にフィットするものを企画しているので、大きな変化には気が付きにくいのですが、振り返ると、世の中も私たちもものすごく変わってるんだなって思います。

おちよ:20周年企画をいろいろともくろんでいて、この春夏は20色のパンツや靴下をつくりました!

えみちん:「ありがとうの花束」をテーマに、フワラーアートユニットのプランティカさんとコラボして、とっても春らしくて華やかな傘やワンピなども展開しています。

おちよ:なんといっても、お客さまへの感謝の思いとともに、これからもよろしくお願いします!という気持ちを乗せて、花束をお送りするようなイメージで企画しました。夏にはお花をテーマにした手ぬぐいやグラス、なんとサイダーまで作っちゃいました。お楽しみに!

Live in comfort 20 colorsPants

Q10、最後に、今後の展望をお聞かせください。

えみちん:この20年、企画していてずーっと変わらず楽しくて。きっと、お客さまも企画するメンバーも一緒に歳を重ね、抱えている悩みを共有してきたからこそ、求められるものを作り続けてこられたと思っています。

おちよ:これからもさらに私たちのライフステージは変わっていくわけですが、それを楽しみつつ、困ったことがあれば解決に向けて商品を企画したり、もっと生活を楽しめるアイテムを開発したり、暮らしに寄り添うアイテムを変わらずに作り続けて行きたいと思っています。それと同時に、どんどん幅を広げていきたいですね。誌面ラジオのような、「リブインがそんなことやっているの!?」とワクワクしていただけるチャレンジは続けていきたいです。

えみちん:お客さまをはじめ、周りの人たちの声を取り入れながらものを作るスタンスは20年間ブレていません。生活環境や年齢、体型の変化などで、お洋服選びが年々悩ましく、難しくなったとしても、「リブイン」はずっと味方でいてくれると、誰より私が思っているのかもしれません。これからも気負わずに、お客さまの暮らしに寄り添うブランドであり続けたいと思います。

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