一緒につくりあげた。時間と空間を共有しながら、お互いに物語を産んでゆく。物語は育ってゆく。そんな1冊。「あたい赤ずきん。」で始まったいしいしんじさんの文章。絵はほしよりこさん。「きょうの猫村さん」同様に鉛筆の線。唯一、ずきんだけが絵の具で赤く色づけ。このずきんは人には見えないのだ。だから子どもたちに「赤ずきんってっても名ばかりじゃーん」なんて言われてる。でも、ジローには見えた。遠くにいるジローを想って赤ずきんは待っている。人を想う赤ずきんの姿がとてもいい。誰しも皆、自分がまとっている赤いずきんが見える人を待っているのだ。鋭い嗅覚でかぎ分けながら。透明な犬の用心棒を携えながら。深い思索に富む創作。