60代コーデには“大人かわいい”をひとさじ【Mimiさんのおしゃれ教室】

「年齢を重ねれば重ねるほど、着こなしに“かわいい”をプラスすることが大事なんです!」というのは、60代のおしゃれユーチューバー・Mimiさん。シンプルな服をサラリと着てサマになっていた若いころとは違い、大人世代はちょっとした工夫が必要。そこで今回はMimiさんに、ふだん着に“大人かわいい”を取り入れるコツを教えていただきました。

セットアップにフリル衿のブラウスを合わせて

やさしいチャコールグレーが着こなしやすい、ベストとパンツのセットアップ。ここにMimiさんが合わせたのは、なんとフリルの衿がついた白ブラウス!

「60代は肌が下がってくるからか、シンプルな服だとどこかもの足りないような、さみしい印象になりがち。それを簡単に解決する方法は、ずばり、顔まわりにかわいい要素をプラスすること! このブラウスは、フリル衿がアクセサリー代わりになって、表情も晴れやかに見えるんです」

(左)華やかすぎるフリフリのフリルは気恥ずかしいけれど、プリーツなら甘くなりすぎず、ふだん着にもしっくりなじみます
(右)2枚重ねの立体感が、首もとのシワから視線を外してくれる効果も

チャコールグレーのセットアップも、体形が気になる大人世代向けの仕様。厚みのあるコットン&ゆったりシルエットが、からだのラインを拾わないうえ、ベストとパンツを組み合わせた縦長効果で、スラリと見えるのもうれしいポイントです。

ベストの胸もとは、縦に切り込みが入ったキーネックでシュッとして見えます。2枚重ねのブラウスの衿を1枚だけ出して、甘さをおさえめにしても。

「ベストは両サイドにボタンが付いていて、首を入れるだけで簡単に着られるので、肩まわりの柔軟性が失われつつある60代でも安心(笑)。袖ぐりが広く、中にニットやトレーナーも着られるからオールシーズン活躍してくれそうです」

着用アイテム
ジージャンとフリル衿の甘辛ミックスコーデ

フリル衿のブラウスがあれば、ボーイッシュな服もラフになりすぎず大人の雰囲気で着こなせます。さきほどのコーデのベストを、ノーカラージージャンにスイッチして、甘辛ミックスコーデに。こちらのジージャンはシャツのような薄軽素材なので、秋口のお出かけにぴったりです。

(左)ジージャンなしのワンツーコーデでも、おしゃれ感たっぷり。ブラウスをボトムスにインして着るのは60代にはハードルが高いから、アウトで着てちょうどいい丈感&ラウンド形のすそが◎
(右)後ろに入ったタックが、気になる背中の丸みをカバー

着用アイテム
トップス:シャツジージャン¥6,490(税込)商品詳細はこちら
セットアップはセーラーカラーとも相性抜群

お次は、ベスト&パンツのセットアップを着まわし。さきほどのコーデの白ブラウスの代わりに、シックな秋色のコットンリネンニットを合わせました。

「セットアップというと、そのふたつだけでコーデが完結するものも多いですが、ベストなら中に着るトップス次第でガラリと印象を変えられるのでお得ですよね」

(左)セーラーカラーは、バックスタイルがほんのりガーリー。袖口がくるんと丸まっているところにも、オトメゴコロがくすぐられます
(右)たっぷりシルエットのタック入りパンツは、すそに向かってテーパードしているのでダボッとなりすぎず、ベストを脱いだワンツーコーデもサマになります

中のニットを色違いのマゼンタカラーに替えても素敵。セーラーカラーは首もとがすっきりV字に開くのもいいところ。ベストはふたつの大きめポケットのおかげで、のっぺりした印象になりません。

ベストを脱ぎ、ニットをタックインしてベルトで引き締めれば、キリリとした大人のスタイルに早変わり。

「実はこのパンツのファスナー、フェイクなんです。ウエストは総ゴムなので、ベルトをしなければ、トイレのときワンアクションでスッと脱げるのがラク。ファスナーを閉め忘れる心配がないのもいいですよね(笑)。調節ひもも付いていて、至れり尽くせりです」

着用アイテム
花柄ワンピースをはおりものに

“大人かわいい”の代表格、シックな色合いの花柄ワンピースも、秋に着たい一枚。そのままシンプルに着るのも素敵ですが、Mimiさんのおすすめは……

「白Tシャツ&デニムの定番カジュアルコーデに、はおりものとしてプラスする着こなしです。存在感のある服は、甘辛ミックスすると60代にも取り入れやすいと思いますよ」

(左)花の模様がところどころに配されているので、派手になりすぎず上品
(右)「しなやかなコットン100%で、ウエスト後ろゴム仕様のリラックスしてはけるデニムだからトライしやすいですよね。ウエストはサイドのボタンで調節できます」

着用アイテム
ワンピース:カーディワンピース¥8,690(税込)商品詳細はこちら
ボトムス:パン職人のジーパン¥6,490(税込)商品詳細はこちら
フリンジパンツで特別感と安心感を

毛足の長いフリンジが全体にほどこされたパンツは、はくだけで気分の上がる、おめかし仕様。

「ヒラヒラ&フサフサとしたテクスチャが、からだのラインを隠してくれる感じがして妙な安心感があります(笑)。無地の黒パンツは重たくなってしまうけれど、これは不思議と軽やか。ワンピースコーデに合わせて、少しだけのぞかせるのもおしゃれに見えそうです」

トップスの柄が、花束のようで“えのき茸”というところにキュンときます。衿ぐりのブラックはパンツの色とリンクしつつ、顔まわりを引き締める効果も。

着用アイテム
トップス:えのき茸トップス¥5,390(税込)商品詳細はこちら
ちょい見せだからこそトライしやすいピンク

「『実はピンクが着たいです』という同世代の方の声をよく聞きます。でもピンクの服を主役にするのは、ちゅうちょしてしまいますよね。そこでおすすめなのが、シックな色のコーデに少しだけプラスする方法。ワンピースの足もとから、チラリとピンク色のパンツをのぞかせるくらいが、私たち世代にはちょうどいいんです」

(左)ところどころオレンジ色に着色されたキンモクセイ柄のワンピースは、胸もとの波打つようなタックもポイント
(右)前ボタンの開け具合で、ピンクが見える量を調節しても

「このワンピースには、最初に出てきたベストも似合いそうなので急きょ着てみました。ワンピース一枚よりもリズムが出るし、おなかまわりも隠してくれて、いい感じ! この秋は、ベストを取り入れた着こなしにもいろいろトライしてみたいです」

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【Mimiさんのおしゃれ教室】振り返りインタビュー

――“大人かわいい”コーデは気分が上がりますね。

「60代のおしゃれは、見た目の素敵さだけでなく、自分を楽しませてあげることも大事だと思うんです。とはいえ、全体を甘いテイストにするのではなく、ちょい足しするくらいにとどめるのが、無理なく取り入れられるコツです。」

――Mimiさんと“かわいい”の出会いはいつごろですか?

「私が若いころは、お嬢さまみたいなフリフリのかわいい系と、キャリアウーマンタイプのかっこいい系が流行していて、私は後者でした。でも本当は、かわいい服が着たかった! そういう人、多いんじゃないかなあ。なので40代になったころに一度、かわいい服にトライしてみたのですが、若づくりに見えたり子供っぽく見えたりでまったく似合わなくて……。それがなんと、60代になったら急にしっくりくるようになったんです」

――すごい発見ですね!

「自分自身のかわいい要素が減ってきて、バランスがとれるようになったのかもしれません(笑)。80代のおばあちゃんになったら、ピンクのセーターみたいなもっともっとかわいい服が似合うようになるのかなと思うと楽しみですね。あと、誰かに『あの人の服、かわいこぶってるわね~』と思われたとしても、まったく気にならなくなったのも大きいかも。人の目を気にせず、自分の着たいものを好きに着られるようになったのは、60代になってよかったことのひとつですね」

プロフィール

Mimi
65歳、身長167cm。高知県の郊外のマンションに猫と暮らす。60代でYouTubeチャンネル「Mimi’s life」を開設し、日々の衣食住のアイデアを発信中。着こなしに関する著書も多数あり、近著は『60代のおしゃれの見直し 今を楽しむ服を着て。』(主婦と生活社)など。
※クレジットの掲載がないアイテムはMimiさんの私物です
※Mimiさんが着用しているのは、記載のないものはMTサイズです

plan:暮らしとおしゃれの編集室
photo:清永 洋

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