「菜っ葉ちゃん、ちょっと出かけてくるね~」
「えっ、しばらくやけにおとなしくしてると思ったら、またよその猫たちに会いに行くんだわ。いろんな猫の匂いぷんぷんだし、洋服に毛がついてるからバレバレなのよ」
「ひとっ走りしてくるだけだから、その爪、引っ込めてくんない?」
「行くんなら、腰ポンしてからね」
直売所にて。
「久しぶり~。駐車場がら空きだね。去年の台風に続いてコロナで大変だけど、早くお客さん戻るといいね」
「うん、いつも房総の野菜や花や魚を買いに来てくれてありがとう」
里山にて。
「ゴローくん、久しぶり。元気そうだね」
「あ、マスクしてるからわかんなかった。声聞いたら、すぐわかった。ごめんごめん」
「あれ、振り返ったら、みんな小径の散歩についてきてる!」
「里山は、初夏がいちばん遊びどきなんだよ~」
「あれれ、アナタはどなた?」
「あたし、カボス。里山の子に仲間入りしたの。あたしだけじゃなくて、必死でここに辿り着いたグレくんもコムギくんもチャコちゃんもメグちゃんもきなこちゃんも、みーんな手術してもらって、まとめて面倒見てもらってんの。今度、あたしたちのこと、ブロ …