伝えるべきなのはわかってるけど……
ティップス
人に注意するのが苦手です……
どんな言葉を選んで伝えたらいいんだろう?
社会人として少しずつ経験を重ねていくと、後輩ができたり、誰かに伝える立場になったりしますよね。
そんなとき、どうしても避けられないのが「注意する」という場面。
「これは伝えたほうがいいのかも」と思いつつ、言葉を選ぶのに迷ってしまうことも。
気を遣うし、正直しんどい。苦手だな、と感じる人も多いはずです。
今回は、そんな「注意すること」について考えてみたいと思います。
人に注意するのが苦手です……

後輩や同期のミスに気づいたとき。勤務態度や、ちょっとした言動が気になったとき。
「言わなきゃいけないよな」と思いながら、ついそのままにしてしまった経験はありませんか?
きつく言いすぎたらどうしよう。嫌われたらどうしよう。
場の空気が悪くなったら、取り返しがつかないかもしれない……。
頭では「言わなきゃ」と分かっているのに、「どう伝えたら角が立たないかな」「あの人、気を悪くしないかな」などと、頭の中で何度もシミュレーションをしてしまうばかりで、ことばに出せなかったりもする。
そんなことを考えているうちに、タイミングを逃してしまったり、結局何も言えなかったり。
あとから、「ちゃんと伝えればよかったな……」とひとりで反省会をしてしまうこともあるかもしれません。
誰かに注意することって、思っている以上に気を遣うし、苦手だと感じてしまいますよね。
苦手だと感じる理由は?
注意するのが苦手。その背景には、人によっていろんな理由があると思います。
ここでは、いくつか考えられることを取り上げてみます。
相手を傷つけてしまわないか不安
ささいなひとことでも、相手にどう届いてしまうかが心配で、ためらってしまうことがあります。
「落ち込ませてしまったらどうしよう」「責められているって受け取られないかな」注意しなきゃという気持ちと、傷つけたくないという気持ちが胸の中でせめぎ合っていたりします。
相手の立場に立てるというやさしさが、逆に自分を縛ってしまうことがあるんですよね。
嫌われてしまうかも、と考えてしまう
注意したあと、その人にどう思われるかを気にしてしまうこともあります。
「嫌われてしまうんじゃないか」
「お互いの関係や空気が悪くなってしまうんじゃないか」
「コミュニケーションをとりづらくなってしまったらどうしよう」
注意すること自体より、その後の未来の空気まで想像してしまって、「関係性を悪くしてまで、注意したいことでもないし……」なんて考えてしまったりします。
自分が「偉そう」に見えてしまうのが怖い
注意しなければいけない側に立つと、どうしても、上から目線で言っているように感じてしまいますよね。
「そんな立派な立場じゃないし」「自分だって失敗ばかりなのに」と、自分の謙虚さや自信のなさがブレーキをかけてしまっていたりします。
相手を責めたいわけじゃなくて、ただちょっと伝えたいだけ。
けれど偉そうな人みたいに見られてしまうのが怖くて、なかなか切り出せなかったりしてしまうのです。
どんな言葉を選んで
伝えたらいいんだろう?

注意することは避けられなくても、伝え方は工夫することができます。
ここでは、できるだけ角がたたず、相手も自分も気持ちよくコミュニケーションがとれるような、おおらかな言い回しをいくつかご紹介しますね。
注意というより、「一緒に働く仲間として声をかける」というニュアンスがポイントです。
「ここ、いっしょに確認してもいい?」
注意というより共同作業のかたちに寄せることで、相手も身構えにくくなります。
上下関係を感じさせにくいので、同期や後輩に対して使いやすい表現です。
「わたしもよくやっちゃうんだけど……」
自分の失敗経験をひと言添えることで、相手に共感するように伝えることができる表現です。
緊張感がほぐれやすく、相手も安心して受け止めることができるでしょう。
「次からこうしてくれると助かるよ」
ミスを責めるのではなく、未来に向けたお願いとして伝えるスタイルです。
いま起きたことより、これからどうしていくべきかに重心が移るので、相手を責めすぎることなく伝えられます。
「ちょっと共有だけさせてね」
注意というより、情報共有の延長で伝えるニュアンス。
注意しているという緊張感や硬さがぐっと減り、サラッと伝えられる便利な表現です。
「ちょっとだけ気になったところがあって……」
最初から「ミスがありますよ!」と切り込むより、ワンクッション入るだけで空気も軽くなります。
「責めてないよ」という雰囲気が自然に伝わる言い回しです。
注意って、する方もされる方も胸がきゅっとなってしまうようなしんどい時間ですよね。
でも本来は、相手を責める行為ではなく、よりよく仕事をしていくためのコミュニケーションのひとつなんじゃないかなと思います。
大切なのは、完璧に言おうとすることではなく、「相手を思いながら伝えようとしている」姿勢。
気負いすぎず、すこしずつ、あなたらしいやわらかい伝え方を探ってみてくださいね。
STAFF
text:Oyama.
illustration:iina
