どう伝えたらいいんだろう
ティップス
今日はもうむり、早退したい……
ちょうどいい理由と伝え方は?
体調や気持ちの都合で「今日は早退したいな……」と思ってしまう日は、きっと誰にでもあるはずです。
けれど無理をしてがんばり続けると、かえって症状や気分が悪化してしまうことも。
そんなときのためにこの記事では、「早退してもいい」と判断できる心やからだのサイン、そして職場でのちょうどいい伝え方のヒントをご紹介します。
今日、早退したいな……

新卒1年目の秋、不眠症ぎみだったわたしは、ほとんど眠れないまま出社した日がありました。
朝から電話対応やメール返信をなんとかこなしてはいたものの、頭はぼんやりして言葉が出てこず、まぶたは重く閉じそうになり、さらに寝不足のせいで激しい頭痛にも襲われました。
「みんな忙しく働いているのに、自分だけ弱音を吐いたら迷惑をかけてしまう。サボっていると思われるかもしれない」
そんな不安ばかりが頭をぐるぐるして、体調が悪いことを伝える勇気も持てませんでした。
けれど無理をすればするほど仕事が滞って、気持ちもどんどん追い詰められていきます。
結局、昼前にはもう限界でした。
思い切って直属の先輩と上司に相談すると、「今日は家でゆっくり休んでね」「パソコンは持って帰っちゃだめだよ、ちゃんと休むんだよ?」と声をかけてもらえ、早退することに。
その言葉に「休むなんて申し訳ない」「社会人なんだから甘えてはいけない」という気持ちがほぐれ、心から安心して休養できたのを今でも覚えています。
こんなときは早退してもいい!心やからだのサイン
むりをしてがんばり続けるよりも、思い切って早退したほうがいいサインは、誰にでも訪れるものです。
次のような状態に当てはまるときは、心やからだが「休んで」と知らせている証拠かもしれません。
体調不良が強く出ている
頭痛やめまい、吐き気、発熱などの不調はもちろん、寒気や動悸なども要注意です。
「体調不良くらいじゃ休めない」と悩んでしまうかもしれませんが、休まないと症状が悪化し、翌日以降さらに長く休まざるを得ない事態になりかねません。
自分のからだを守れるのは自分だけ。
つらいと感じたら我慢せず、早退できないか相談してみてください。
集中できずミスが続く
「簡単な作業なのにうっかりミスが増える」「書類やメールを何度見直しても頭に入らない」といった状態は、脳のエネルギーが枯渇している可能性があります。
むりをしても仕事の効率が下がってしまうため、休養と栄養補給が必要です。
涙が止まらなくなる
ストレスや疲労が限界を超えると、突然涙があふれてくることがあります。
自分でも理由がわからないのに涙が出るのは、心が「もう耐えられない」と悲鳴を上げているサインです。
「大人なのに泣くなんて恥ずかしい」と感じてしまう方もいると思いますが、怖がらず、すぐに信頼できる人へ相談してみましょう。
イライラや不安が抑えられない
小さなことで強くイライラしてしまう、あるいは不安や焦りが止まらないときも心の限界サイン。
つねにご機嫌でいることは容易ではありませんが、周囲とのコミュニケーションに悪影響が出る前に、休んで心を落ち着ける時間が必要です。
ちょうどいい理由と伝え方

早退をお願いするときに大切なのは、「シンプルに状況を伝えること」と「業務への影響を最小限にする工夫を示すこと」です。
たとえば、わたしが早退したときは、次のようなイメージで説明しました。
「不眠症ぎみで昨夜ほとんど眠れておらず体調が悪いです。資料作成は60%、企画書作りは40%まで進捗していて、締切が来週なので、明日以降の対応でも問題ありません」
体調不良であることを率直に伝えつつ、どの業務がどの程度進んでいるかを補足することで、上司やチームも安心して「今日は休んでね」と言いやすくなります。
大げさな理由をつくる必要はなく、「頭痛がひどい」「めまいがする」など、具体的でわかりやすい表現なら十分です。
体調が回復した後の報告も忘れないようにしましょう。
「早退させていただき、ありがとうございました」と感謝を述べ、早退によって業務に影響が出ていれば対応について説明します。
職場での人間関係を円滑に保ちつつ、仕事への責任感を示すことにつながりますよ。
「早退したい」と思う自分を責める必要はありません。
体調が悪い、集中できない、涙が止まらない。
そんなときは早めに休むほうが健康面でも仕事面でもプラスになります。
もし「今日はもうむりかも」と感じたら、自分の声に耳を傾けて、休養を取る選択肢も考えてみてくださいね。
STAFF
text:Kamiya Sayoko
illustration:ハヤカワオト
