ほんとは聞いてもらいたい……

ティップス

いつもひとりで考えちゃう。
相談が苦手な理由と向き合うヒント

悩みを誰かに相談するのって、意外とむずかしいものです。

本当は話せたら、気持ちがらくになるかもしれないのに、どう話したらいいかわからなくなったりして、結局いつもひとりで抱えこんでしまう。

そんな経験がある方も多いのではないでしょうか。

でも、ひとりで抱えたままがんばりつづけるのって、本当にしんどいですよね。

この気持ちを誰かに話せたらいいのに。
もっと気らくに相談できるようになりたい。


そんな苦しさを抱えている方にこそ、この記事を読んでもらえたらうれしいです。

悩みを相談するのが苦手です……

「何かあった?」って聞かれたのに、「ううん、なんでもないよ」って返してしまう。

本当はちょっと話を聞いてもらえたらなって思うのに、うまくことばにできない。

そんなふうに、悩みを相談するのが苦手だなって思う瞬間、ありませんか。

心はもやもやしていても、いざ誰かに話そうとすると「こんなことで相談していいのかな」「迷惑じゃないかな」って考えてしまって、ことばが詰まってしまう。

友だちと話していても、つい相手の話を聞く側になって自分のことが話せない。

相談って、どうやってすればいいんだろう……。


そんなふうにわからなくなってしまうこともあるかもしれません。

誰かに聞いてもらえたら少しはらくになるのかもな、とわかってはいても、結局いつものようにひとりで抱えこんでしまって。

でもそれがまた苦しくて、なんでこんなに不器用なんだろう、って相談ができない自分を責めてしまうこともあるのではないでしょうか。

しんどいのに、相談することすらむずかしいって、本当に苦しいですよね。

なぜ苦手なんだろう?

迷惑をかけたくないから

みんな忙しそうだし迷惑かな。
相談ごときで時間をとってもらうのは申し訳ない。

そんなふうに遠慮の気持ちが出てきてしまうこと、ありませんか?

相手の状況を思いやるあまり、「相談する=迷惑をかけること」のように感じてしまって、自分の話を持ち出すこと自体にブレーキがかかってしまう。

本当は聞いてほしい気持ちがあっても、「聞いてもらうの申し訳ないし、まあいいか」と、自分の中でそっと処理してしまうくせがついていることもあるのだと思います。

どう話していいかわからないから

相談したいな……って思うときって、なにがつらいのか、どうしてしんどいのか、自分でもはっきりとわからないまま気持ちがぐるぐるしているときも多いですよね。

でも、相談するからにはちゃんと話さなくちゃいけない。

そんな気持ちが先走って、「うまく言えなかったらどうしよう」と、悩んでしまうこともあると思います。

自分の中にある気持ちを言葉にするのが苦手だったり、本音を飲み込むことに慣れてしまったりしている人ほど、相談のハードルは高くなってしまうのかもしれません。

弱さを見せるのがこわいから

こんなことで悩んでるなんて情けないかも……。
自分がダメなだけかもしれない。


そんな気持ちが頭をよぎって、素直に困っていることを伝えるのがむずかしくなるときもあります。

がんばり屋で責任感が強い人ほど、人に頼ることや甘えることにうしろめたさを感じてしまいがち。

こんなことで悩んでちゃだめだ……というように、心のどこかで、「悩んでる自分」を否定したくなってしまうこともありますよね。

相談できるようになるためのヒント

相談が苦手な人にとって、「ちょっと話を聞いてほしいな」と言えるようになるまでには時間がかかってしまうかもしれません。

無理に相談上手になろうとしなくても、ちょっとだけ今より気持ちがらくになれるようなヒントをご紹介します。

解決しなくてもいいと考えてみる

相談するからにはちゃんと話さなきゃ。
解決できるようにしなきゃ。


そう思ってしまうと、余計に話しづらくなってしまいますよね。

でも相談って、必ずしも正解を出すためだけのものではないと思うのです。

「ただ話を聞いてほしくて」と、答えのない気持ちをそのまま渡すだけもいいのではないでしょうか。

誰かに「そっか、それはつらいね」と言ってもらえるだけで、ふっと心が軽くなることもありますよね。

小さなことから話してみる

いきなり深い悩みを打ち明けるのは、たしかに勇気がいるもの。

しかも、「相談しよう」と思えば思うほど、肩に力が入って余計に話せなくなってしまったりもしますよね。

だからまずは、「最近ちょっと疲れてて……」とか、「ちょっと話そ~」くらいの感じで、小さくてゆるいつぶやきから始めてみるのがおすすめです。

「これは相談だ」と思いすぎないことで、気持ちを人に話すのが苦じゃなくなってくる。

そんな小さな積み重ねが、「話しても大丈夫かも」という安心感にもつながっていくんじゃないかなと思います。

前置きのことばをつけてみる

これって愚痴かな?ただのひとりごとになっちゃうかも……。

そんな不安がよぎってしまうときには、「ちょっと聞いてほしいだけなんだけどさ……」とか、「愚痴かもなんだけど……」みたいに、最初に伝えてしまうのもひとつの方法。

自分も気を張りすぎずに話せるようになるし、相手も「相談にのらなきゃ」と構えすぎずに話を聞くことができます。

相談するときの安心できる「お守りことば」みたいな感じで、少しずつ自分の気持ちを話せるようになるための、きっかけにもできるかもしれませんね。

編集部のまとめ

相談って、できないときほど「できない自分」がつらくなってしまうものですよね。

でも、悩みや迷いをうまくことばにできなくても、受けとめてくれる人はきっといるはず。

無理に話そうとしなくても、まずは「話してもいいかも」と思えるタイミングを待ってみるのもひとつの方法です。

「ひとりで抱えなくてもいいんだな」ってちょっとでも思える瞬間があったら、それは素敵な一歩だなと思います。

STAFF
text:Oyama.
illustration:ハヤカワオト