知っておくだけでも安心

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休職ってどういう状態?
新入社員でも休めるの……?

社会人になってから「休職」という言葉を知った人の中には、休職とはどのような状態なのか、いまいちピンとこない人も多いはず。
どれくらいの期間休めるのか、あるいは新入社員でも休めるのか……など、疑問や不安に思うことがいろいろありますよね。

まずはじめに、休職とは労働者が自己都合で会社を長期間休むことです。会社と労働者の雇用関係が維持されたまま労働する義務が長期間免除されます。

例えば、新入社員のみなさんの中には「最近メンタルが不安定だな……」と感じている人もいるのではないでしょうか。それもそのはず。新入社員は慣れない環境や人間関係にストレスを感じ、適応障害などのメンタル不調に陥りやすい傾向があります。
そんなときに選択肢のひとつとなるのが「休職」

会社ごとに違いがあるので就業規則を確認してほしいのですが、一般的に医師からもらった診断書と休職届を会社に提出すれば、新入社員でも休職することができます。
ただし残念なことに、休職期間中は給与がもらえないケースがほとんど
そこで「傷病手当金」という、病気やケガで会社を休んだときにもらえる給付金を申請すると、だいたい給与の3分の2を毎月受け取ることができます。

また、休職期間の上限は3か月から3年までが一般的ですが、こちらも会社によってさまざまなので、就業規則を確認してみてくださいね。

こんなときは「休職」を
検討してもいいかも

「休職したいけど、判断基準がわからない」
「休職するのは甘えだと思われないかな……」
なかなか周りの人に相談しにくい話なので、悩んだり迷ったりしてしまいますよね。

わたしも休職の経験があるので、その気持ちがよくわかります。

ここからは、当時のことを振り返りながら休職の判断軸をご紹介するので、当てはまった人は無理をしないでくださいね。

仕事でのミスが増える

「思考抑制」という言葉を聞いたことはありますか?
読んで字のごとく、頭が働かない、集中できないことですが、これはうつ病の症状の一つです。
今までであればしないようなミスが目立ったり、簡単にできていた作業ができなくなったりしたら、それは不調のサインかもしれません。

周りの人に心配される

「最近元気がないけど大丈夫?」「顔がとても疲れているよ」と言われたら、隠しきれないほどの疲れが溜まっているということ。
メンタルが不調のときほど「自分はまだまだ大丈夫!」と思ってしまうものですが、自分で自分を追い込むのは禁物です。

家に帰っても
仕事のことを考えてしまう

仕事とプライベートの切り替えがうまくできず、楽しいことも楽しめない……。
そんなふうに気持ちをリセットできないのは、心の容量が不足しているからかもしれません。
あいにく、真面目で責任感の強い人ほど、オン・オフの切り替えが苦手なことが多い傾向があります……。

休職中は何をして
過ごしたらいい?

休職中の過ごし方は、症状によって変わってくるもの。
休職初期の段階では、まだ症状がひどく、布団から起き上がることもできないかもしれません。

焦らず、自分のペースでゆっくりと

症状が落ち着いてきたら、こんなふうに過ごしてみてくださいね。

日中に散歩をする

暖かい日差しを感じながら散歩をすることは、メンタル不調を改善する効果がたくさん。
日光を浴びると分泌される「セロトニン」という体内物質が、心の安定をもたらしてくれます。
さらに、外の空気を吸うことで脳がすっきりとし、気持ちも前向きになれますよ。

自己分析をする

休職を前向きに捉えると「自分と向き合うよい機会」

自己分析のおすすめの方法は、ストレスを感じるとき、しあわせを感じる瞬間、得意なこと、苦手なことなどをノートに書き出していくことです。

言語化することで、悩んでいたことが実はちっぽけなことだと思えてきたり、これからどのように生きていきたいかの道しるべになったりします。

編集部のまとめ

新入社員なのに休職してもいいのか不安に感じたり、周りの人に後れをとることに引け目を感じたりすることもあると思います。
けれど一番大切なのは、あなたの心とからだ。

そして、休職は甘えではなく、甘えられなかった結果です。

メンタル不調を感じたら、「自分は弱い人間だ……」と責めることなく、休職を検討してみてくださいね。

STAFF
text:ふわり
illustration:shachi