最近ではお花屋さんや雑貨屋さんでも売られているのを見かけるようになったハーバリウム。ガラスボトルの形やお花の組み合わせによって作品の印象ががらりと変わるのも魅力の一つなので、自分でお気に入りの1本を作るのもおすすめです。今回は自宅で気軽に楽しめるハーバリウムの作り方をご紹介します。
目次
ハーバリウムとは?
数年前から大ブームのハーバリウム(Herbarium)とは、もともとは「植物標本」という意味。理化学の現場で植物を長い間保管するために専用のオイルに漬けたものですが、まるで時が止まったかのように美しいお花をインテリアとして長く楽しめることから、大人気に。フラワーアレンジメントの手法の一つとなり、一時はドライフラワーが品薄な状態になったほど。生花のような手入れが要らないので、とても気軽です。
ハーバリウム作りに必要な材料と道具
・ガラスボトル
口径は2cm程度あるもの。口が小さすぎるとお花が入らないおそれがあります。
・専用オイル
シリコンオイルとミネラルオイルの2種類があり、それぞれ特徴がありますが、初めての方には、花が浮きにくくて安価なミネラルオイルがおすすめです。
・お好みの花材
ドライフラワーやプリザーブドフラワーを用意しましょう。
・はさみ
先が細いはさみは細かいところをカットしやすく便利です。
・ピンセット
通常のピンセットでも大丈夫ですが、アクアリウムやハーバリウム用の柄の長いものもあります。
おうちで気軽に楽しめるキットも♪
材料をそれぞれバラバラに探して購入するのは面倒…という方にはキットがおすすめ。ガラスボトル、専用オイル、花材もセットになっているので、はさみとピンセットさえあれば、初めての方でもすぐに始められますよ。
▼SeeMONOのオリジナルハーバリウムキットはこちら。
びんの中に閉じ込めた植物標本 手づくりハーバリウムキットの会
ハーバリウムの作り方とコツ
必要な材料と道具が揃ったら、さっそくハーバリウム作りに挑戦してみましょう。美しく仕上げるコツについてもご紹介していきます。
①ガラスボトルを湯煎して殺菌します。
まずはガラスボトルを湯煎して殺菌します。フタを開けた状態で丸ごと水を沸騰させた鍋に入れ、湯煎後は完全に水気がなくなるまで干しましょう。少しでも水気が残っていると、完成後にオイルが濁ってしまうことがあります。逆さにして置いておけば、湯煎した際の熱を利用して、乾燥できます。
②ハーバリウムに使用するお花の準備をします。
花材をカットしてボリュームと配置をイメージします。ガラスボトルを横にして、上に置くとイメージしやすいです。この時点で、花弁が折れていたり、つぶれてしまっているお花があれば、ふわっとなるように整えてあげましょう。お花を選ぶときには、自分の中でテーマを決めて選ぶようにすると、色の組み合わせや配置にも迷わないのでおすすめです。今回は「春間近の雪解けの森」をイメージしました。
POINT:花材を美しく配置するコツ
長さのある花材は短くカットしすぎるとオイルを注いだときに浮いてしまい、逆に長すぎるとオイルから頭が出てしまうので、ボトルの高さに合わせて、斜めにぴったり収まるようにカットするのがコツです。また、少しずつ長さに差を出して、お花同士が重ならないようにイメージしましょう。アジサイなどの細かい花材は細かくカットしすぎると浮いてきてしまうので、適度に塊(茎)を残しつつ小分けにしておきましょう。花材を詰め込み過ぎず、適度に余白を残すと、お花本来のたたずまいを生かした、すっきりとした仕上がりに。
③ボトルにお花を入れていきます。
ピンセットを使い、配置を考えながら花材を入れていきます。このとき、完成をイメージしながら作業するのがポイント。アジサイはお花同士を絡ませるように入れていくと、オイルを注いだ際に浮いてくるのを防げます。
花材が口径よりも大きく見えても、指先で少しずつ、やさしく押し込めば大丈夫。ボトルに入った後でふわっと開いてくれます。また、オイルを注ぐと花弁がゆっくりと開いてくるので、あまり気にせずに続けましょう。
背の高い花材はピンセットで茎を持って、すき間に差し込むように入れましょう。正面を決めて、茎がなるべくお花の後ろに隠れるように配置すると仕上がりが映えます。最後に後ろを向いてしまっているお花の向きを変えるなど全体を整えて準備完了です。散ってしまった花弁や細かい欠片がボトルの底にある場合には、ボトルを逆さにして取り出しておきましょう。
④オイルをボトルにゆっくり注ぎます。
花材の配置が整ったら、いよいよオイルを注いでいきます。はじめはボトルを斜めに持ち、ボトルに這わすようにオイルを細くゆっくりと注いでいきます。オイルはペットボトルに入った状態のものもありますが、口の細い容器や、片口の容器に移し替えておくと注ぎやすくなります。そのまま注いでいくとお花が浮いてきてしまうので、2cmほど注いだらそのあとはボトルを垂直に置き、花材の上からオイルをかけるように注いでいきましょう。オイルはボトルの縁ギリギリでなく、首の根本くらいまでで止めておきましょう。
⑤ピンセットで花材を微調整をします。
オイルを注ぎ終わってしばらくは、花材の中の空気が気泡となってプクプクと抜けていきます。時間が経てば次第に気泡はなくなりますが、気泡が気になる箇所は、ボトルの外から指先でトントンとたたくと、気泡が抜けるのを促すことができます。最後にキャップを閉めて完成です。ボトルに油分が付着している場合は、アルコールで拭きとればきれいになります。
POINT:完成後に、お花が浮いてきてしまう場合は?
どうしても花材が浮いてきてしまうという場合には、そのまま数日待ってみて、オイルがしっかりと浸透してから、再度ピンセットで微調整してみましょう。オイルが浸透することで沈めやすくなります。
みずみずしく輝くお花の変化もハーバリウムの魅力
アジサイなどの花弁の薄いお花は、オイルが浸透すると、次第に透けて葉脈が見えてきます。その様子はまるで妖精の羽のようです。完成から数日は、日々変化していくので、楽しみにしていてください。
ハーバリウムの楽しみ方と活用例
完成した作品はインテリアのアクセントに♪
完成した作品は、デスクや飾り棚の上に複数並べて飾ると、ちょっとしたギャラリーのような演出になり、インテリアのアクセントになります。ドライフラワーやプリザーブドフラワーが変色しやすくなるため、直射日光が当たる場所は避けましょう。また、オイルは可燃性なので、ストーブなどの火気の近くには置かないように注意しましょう。
小物やアクセサリーとして楽しむことも♪
ハーバリウムはガラスボトルのものだけではありません。ボールタイプの小さなハーバリウムやボールペンタイプのハーバリウムもありますので、インテリアとしてだけではなく、楽しむことができます。
▼ガラスに閉じこめた小さな世界 ハーバリウムチャームキットの会
ハーバリウムはプレゼントにもぴったり♪
気軽に手作りできるハーバリウム。自信がついたらプレゼントとして贈ってもよろこばれます。華やかな印象のハーバリウムは結婚祝いとしても人気のようです。オリジナルのリボンを巻いてメッセージカードを添えれば、オリジナリティーのあるプレゼントの完成です。
作品のテイストとシーンに合わせてラッピングはかっこよく仕上げても素敵です。(もらった人が調味料などと勘違いしないように、念のため観賞用である点を伝えておきましょう。)
お正月には和のテーマで、夏には瑞々しいグリーンで…。季節や歳時記に合わせて、お花を変えてハーバリウム作りを楽しむのもおすすめです。いくつか作ると、自分のイメージ通りに作れるようになっていくので、ぜひトライしてみてくださいね!
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