修理の手芸 / いとしい手づくり

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フォトグラファーの山口 明と申します。たまに、この『クチュリエの種』の撮影もさせていただいております。手芸には撮影でふれているし、針仕事はたまにしているから大丈夫だろう思い、このエッセイをお受けしたのですが、よくよく考えると、僕がしてきたのは手芸や手づくりというより修理ばかり。ほつれてきたカメラバッグを縫い直すとか、いすの生地の張り替えとか、破れた古い毛布を縫い合わせるとか。何かを生み出すというより、何かを直すことが好きなんだと、今回気づきました。

例えば、パリで買ったお気に入りのマフラーにタバコで穴をあけてしまったのですが、ダーニングという技法を知って自分で適当にまねして直した結果、最初より好きになりました。今は、5~6年愛用してきたダウンジャケットが擦れて袖やポケットの部分、ボタンまわりが破けてきたのを、刺し子やパッチワークみたいな感じで修理しています。

このダウンはすごく暖かくて、ボロボロになったけれど捨てられず、そんな時にインスタグラムで自由に刺し子をしている方の写真を見て、自分で直してみようと思いました。

前の冬は、移動中の新幹線でもダウンを脱いで座り、ポケットから針と糸を出してちくちくと刺していました。怪しいおじさん。ただ、針を動かしてる間は無心になれるので、移動もあっという間。だんだんと、直した面積が増えてきて楽しくなってきています。もっと増やしていきたいです。これからも、修理のための手芸として、縫い続けていけたらなと思います。

山口 明
フォトグラファー。主に雑誌、広告、書籍、カタログなどを手がける。飼い猫の本、『白黒猫のパンチョとガバチョ』(hayaokibooks) 発売中。

Instagram:@pancho0002

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