三枚おろしのサバの塩焼きケース / ユキンコの自遊きままな暮らしの手づくり

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三枚おろしのサバの塩焼きケース

娘から「新しいペンケースが欲しい」とリクエストがありました。

「どんな形でも作ってあげるよ」と親心いっぱいに伝えると、返ってきたのは、まさかのひとこと、「焼いたサバの形にしてほしい」。相変わらずなかなかの難題を持ってくるな……と思いつつも、「私にまかせろ!」と親の威厳を保った返事をして、生地探しをスタート。探せばあるもので、サバ独特の光沢と模様を兼ね備えた、青サバ・焼サバ風の織り生地がうまいこと見つかりました。


ケースは、片面を焼く前の青サバ、もう片面を焼きサバにし、おなか部分には色の異なるちりめん生地を使うことに。ただ、ちりめんはとてもやわらかいため生地が安定しづらく、裏に接着芯を貼る必要がありました。そこで、「あえて接着芯にシワをつけて貼れば、焼きサバの皮のシワっぽさが出せるんじゃないか」と、制作中にひらめきました。これは、以前から接着芯を貼るときに失敗してシワができてしまう、その 失敗を逆手に取ったアイデアです。

「我ながらうまくできた! きっと喜んでくれる!」と娘に完成品を見せたところ、「あーごめんね、私もう今はサバの気分じゃないんだ。それ、ママが使って!」と言うではありませんか。なんでも喜んでくれていた幼いころの娘は、いまや思春期真っ只中。「あー……そう。わかった、じゃあママ、これを裁ちばさみ入れにでもしようかな!」、ということで、私の裁縫箱の中に、青サバ・焼きサバポーチが違和感100%で鎮座することに。手に取るたびに、さまざまな思いが去来する私(笑)。今月の、ささやかな親子劇場でした。

次回もお楽しみに。

ユキンコ

『クチュリエの種』創刊時から作品を担当。娘の成長とともに自分の時間も増えてきました。 最近はソーイングにどっぷりはまり中。 

Instagram:@yukinko_no_kurashi

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