個性あふれるクラフトが集結!“RENEGADE CRAFT FAIR” / ニューヨーク散歩

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アートのメッカNY。世界中から「何かを創り出したい」人たちが集まるこの街では、頻繁にクラフトの販売会が開かれています。昨年12月、その中でも特にセレクションのよさで有名な「RENEGADE CRAFT FAIR(以下RENEGADE)」に行ってきました。さて、どんな魅力的なアイテムが集まっていたのでしょうか。それでは僕が厳選したベストベンダー5件を紹介したいと思います!

全米から150名前後のクリエイターが集まるNY有数のポップアップイベント。多くの来場者でにぎわいを見せていた。

RENEGADEは、2003年にシカゴで誕生し「アーティストによるアーティストのためのポップアップイベント」として人気に火がつき、瞬く間にニューヨーク、サンフランシスコ、シアトルなど全米の大都市で年間回以上開催される大規模なクラフトフェアへと成長しました。特に冬のNY開催は、クリスマス前のタイミングとあって、毎年ギフトを求める人々で大混雑。会場の熱気もムンムンです。

ポップアップの醍醐味は、やはり作り手と直接話しながら作品を購入できること。どんな思いで作られたのか、どんなストーリーがあるのかを知ることで、より一層そのアイテムに愛着が湧いてきますよね。今日はどんな出会いがあるのかな。ワクワクしてきます。

洗練されたデザインと心地よい香りで多くのファンを持つ「Paige’s Candle」はいちおしアイテム。

人混みをかいくぐりながら、ふと漂ってくる心地よい香りに導かれるように、まず最初にたどり着いたのが、NYの独立系キャンドルブランド「Paige’s Candle」のブース。アメリカの定番ギフトといえばキャンドルですが、ここの作品は無駄をそぎ落としたミニマルなデザインで、まさに「ブルックリンらしさ」を体現。しかもVegan Soy Wax(大豆油を主原料にした植物性ワックス)を使用し、環境にも配慮したサステナブルなブランドであるうえに、売り上げの一部を低所得者支援の団体に寄付するなど、社会的な意義も兼ね備えている魅力いっぱいのブランドです。今年のイベントでは新作の香りがお披露目されており、僕もいくつか試してみましたが、もう1件目にして「全部持って帰りたい!」と思わせるクオリティーでした。

NYで注目を集めるアパレルブランド「ローラ・ファトゥロティ」も出展。

次に訪れたのは、ナイジェリアの仕立て職人の家で育ち、ロンドンでファッションを学んだデザイナー、ローラ・ファトゥロティが手がけるサステナブルブランド。アフリカやアジアの伝統的な要素を取り入れた大胆なプリントや鮮やかな色遣いが特徴で、環境にやさしい生地を使用し、倫理的に生産されたアイテムが並びます。ローラさん自身もとてもやわらかい雰囲気の方で、その人柄が作品にも表れているのか、服を手に取るだけでなんともいえないあたたかみを感じます。目を惹くデザインなのにどこか落ち着く。そんな魅力が、このブランドが支持される理由なのかもしれません。

魚の足が生えたユニークなカップが大人気!遊び心あふれる「Hannah Groff」の作品。

今回出店していた多くのセラミックアーティストの中で、間違いなくいちばん人気だったのが「Hannah Groff」。彼女の作品は動物や自然をモチーフにしたデザインが特徴で、特に「足の生えた魚」のイラストが描かれたカップが大人気。僕が見ている間にも飛ぶように売れていました。

販売スタッフ曰く「これはマーメイドをイメージしたもの」とのことですが、僕の目には「魚人」にしか見えない(笑)。このカップを使っているカフェがあったら毎日行きたくなりそうです。ユニークで遊び心のあるデザインが魅力のブランドですね。

シンプルで洗練されたデザインが魅力のNY発のほうきブランド。実用性も抜群。

ところで、アメリカ人って意外とほうきが好きな人が多い気がするんです。 掃除は得意じゃないのに、ほうきだけはデザイン性のあるものを持ちたがるというか。

「Lower Valley Brooms」はNY発のほうきブランドで、クラフトイベントではおなじみの存在。アメリカ南部のアパラチアン・ブルームと呼ばれるほうきに似たデザインを多く展開しています。僕の前に並んでいたお客さんは「これをクリスマスツリーのオーナメントにする」と言いながらミニサイズのほうきを購入していました。確かに、木の枝を使ったナチュラルなデザインは、ツリーに飾ったら雰囲気が出そう。

フィリピンの職人が手がける、動物モチーフのキュートな植木鉢。ギフトにも最適。

「部屋にひとつ置くなら、これかも?」と心を奪われたのが、フィリピンの職人が手がける「LIKHA」の植木鉢。ココナッツの外殻(コココイル)を使って作られた動物モチーフのデザインは、もう卒倒するほどのかわいさです。

実用性と遊び心を兼ね備えたデザインで、ギフトにもぴったり。部屋に置いてあるだけで和むアイテムって、なかなかないですよね。

伝統とモダンが融合した「Stashe」のコルセット。洗練されたシルエットが魅力。

そんなこんなで会場内を歩き続けること三時間。頭もからだもクタクタ。クラシックなコルセットを現代風にアレンジした「Stashe」や、日本の盆栽文化をNYのライフスタイルに取り入れた「Dandy Farmer」などまだまだ素晴らしいブランドは数多くあったのですが、とても紹介しきれないほど満足感のあるイベントでした。

日本の伝統的な盆栽をNYのライフスタイルに取り入れた「Dandy Farmer」のブース。

実は、今年の12月のNY開催には、僕自身も日本の職人が作った工芸品で出店しようかと考えています。バイヤーとして訪れるのも楽しいですが、作り手としてこの場に立つのもきっとおもしろいはず! みなさんもぜひ!

次回をお楽しみに!
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池澤 崇

「好きなこと以外はやらない」というポリシーのもと、自由の国アメリカ・NYで日本文化スペースRESOBOXを運営中。趣味は登山と居合道とバイオリン。NYに住む日本男児3人でポッドキャスト「オールナイトニューヨーク」も配信中。ぜひ聴いてみてください。

https://www.resobox.com/

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