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2021年度基金活動報告ー木村式農学校の運用と指導員育成支援(Hokkaido木村秋則自然栽培農学校)

「フェリシモメリーで社会貢献(Hakkaido木村秋則自然栽培農学校と木村秋則さんの指導活動支援)」から2021年度に基金を拠出した「Hokkaido木村秋則自然栽培農学校」さまから、このたび活動レポートが届きましたので下記にてご紹介します。

*   *   *

授業の様子

Hokkaido木村秋則自然栽培農学校は、映画「奇跡のリンゴ」のモデルになった木村秋則先生監修のもと、札幌近郊で自然栽培(無農薬・無有機化学肥料)の果樹野菜を作っています。この学校では家庭菜園から本格的な果樹栽培まで、幅広い指導を行っています。

授業の様子

「自然栽培」とは、もともと自然界にそなわっている自然の摂理に基づき、土壌や木の植生を生かした環境に負荷をかけない栽培方法のことです。この方法で収穫した米穀や野菜、果物などの作物は、「腐敗」するのではなく「枯れる」という性質を持ちます。

私たちはこの「自然栽培」が、人の健康を守り、地球環境への負荷を軽減させ、最適な未来につながる栽培方法であると信じています。そして、この「自然栽培」の素晴らしさを深く理解してもらい、次の世代へと継承するために、農学校を開校しています。最近は「自然栽培」のことを、「再生型農業」という表現が使用されるようになりました。

仁木町の圃場で育った「奇跡のリンゴ」を見ている木村先生
授業の様子

今年も日本全国から生徒さんたちが集まりました。

「地球環境や農薬・除草剤の使用への問題意識を持ち、その解決の一端を担いたい」

そのような気持ちが、授業を受ける生徒さんたちの姿勢に表われています。

授業では毎回、自然栽培農家さんをお呼びして、実習と座学を行いました。その際に、講師に寄せられた質問は、栽培方法から森林の伐採、環境問題や他国の農薬使用の状況、農薬の人的影響や市販されている土の性質など幅広くありました。私たちスタッフも、農業に関わる者としての新しい「気づき」がたくさんあり、刺激的な機会になりました。

「農薬も肥料も何も与えてないのに、山の木は生命力にあふれている」
森と同じ環境をつくること」

生徒さんたちは、いつも木村先生がおっしゃっていることを意識しながら、再現するための努力をしています。そして、自然(森)の中に人間が生かされていることを感じながら、森の中のような、ふわふわの温かい土づくりを目指しています。

土は人間が作るのではなく、雑草や無数の微生物がつくります。ふわふわの土で育ったりんごは、虫や病気が付きにくいりんごの木になるのです。

今年、農学校の圃場の「奇跡のりんご」は大豊作でした。

〈支援者のみなさまへ〉

本年もHokkaido木村秋則自然栽培農学校にたくさんのご支援をいただき、誠にありがとうございます。

残留農薬に対する不安やSDGsへの関心の高まりを受けて、化学農薬や化学肥料の使用量の低減、有機農業の取組面積の拡大など、日本政府は2050年までに目指す「みどりの食料システム戦略」を策定しました。

しかし、既に有機農業が盛んな欧米では、現状の有機農業では環境問題が解決できないことを悟り、「脱有機」へと進み始めています。そのため「再生型農業」は、急速に拡大しています。

気候変動問題を解決する切り札の1つとして、世界的に注目されている「再生型農業」。2022年11月にエジプトで開催された「COP27(第27回国連気候変動枠組み条約締約国会議)」でも、各国の名だたる企業経営者たちはその推進を強く訴えています。

日本では認知度が低いながらも徐々に広がり始めてきた「再生型農業」とは、まさに「木村式自然栽培」のことです。ようやく世間でも「木村先生の農法が、どれだけ地球環境や人類の未来にとって大切なこと」に気づいてくれたのだと実感しています。

食糧難や人口の増加、農地の砂漠化など、私たちがこれから立ち向かう問題は非常に難しいものですが、みなさまからのご支援を励みに、この農法で「食の安心安全」と「地球環境」を第一に考えながら、活動をしていきたいと思います。

■Hokkaido木村秋則自然栽培農学校さまのその他の活動はこちらから

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