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2018年度基金活動報告 ー熊本を復興で繋げるプロジェクト(NPO法人益城だいすきプロジェクト・きままに)

2018年度に熊本地震への支援として、みなさまからお預かりしている基金から、NPO法人益城だいすきプロジェクト・きままにさまの「熊本を復興で繋げるプロジェクト~咲き織りで紡ぐコミュニティ形成~」への支援に拠出しました。その活動レポートが届きましたのでみなさまにご紹介します。

実施場所:テクノ仮設住宅集会所および益城町
実施期間:2018年9月~2019年2月

 

<プロジェクトの実績報告> 
【団体紹介とこれまでの活動】

2016年4月の熊本地震により、熊本県益城町は瞬時にして住宅や日常の生活をも奪われ、避難を余儀なくされました。被災当初は避難所を生活の場として、行政やボランティアに頼るだけでなく、「できたしこ」(熊本弁で「できる人が、できる事を」の意味)を合言葉に、住民自身による「主役は私たち~避難所からのコミュニティ形成」を目指した結果、明るい避難所へと変わり、「理想の避難所運営」としてメディアにも取り上げていただきました。

私たちは継続したコミュニティ支援活動を展開するため、避難所の仲間と「NPO法人益城だいすきプロジェクト・きままに」を設立し、避難所で培われた仮設住宅での思い出づくりや、生活支援、自力再建や災害公営住宅へと繋ぐための活動を展開しています。

 

【これから目指す「咲き織り」を通じた復興のまちづくり活動】

熊本地震から3年が経過するなか、今度は自宅再建か、災害公営住宅へ移行するのかに分かれる時期を迎えています。一度は仮設住宅を離れても、みな繋がりを維持・継続したいという思いを持っていることから、私たちは「咲き織りサロン」を復興まちづくりのツールにすることにしました。

「咲き織り」は思い出の着物や洋服などを裂き、横糸にして作品を織り上げるもので、老若男女を問わず、初めての人でも布を紡ぐことができます。思い出の品物が新たな作品へと蘇ることができる「咲き織り」は、復興とも重なります。

この技術を広く伝えていくためには、リーダーの育成が必要だったので、町内の集会所や公民館で「咲き織り」を通じた「生きがいづくり」や孤立化予防、住民同士を再び繋げるための事業を行うことにしました。

 

【咲き織りの導入】

①リーダーの育成

まずは、「咲き織り」のリーダーを育成するために、フェリシモ基金を活用して、研修を受け、「咲き織り」の工程を学びました。

 研修先 :「咲き織り順子アトリエ」
 研修内容:着物の裂き方、糸の掛け方、織り方、ベストの仕立て方など。

②咲き織りサロンを開くための機材等の準備と広報活動

次に、フェリシモ基金から、咲き織りの織機セット、業務用ミシン、糸などを購入しました。そして、講師を招聘し、「咲き織り」を知ってもらうためのワークショップを行いました。 

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みなさまからのご支援で購入した商品

 

テクノ仮設住宅でのワークショップ 

ワークショップは2018年11月19日に、テクノ仮設住宅大きなみんなの家で行いました。テクノ仮設住宅外からの参加者を含めると約40名の参加がありました。参加者は60~70歳代の女性が多く、男性は1名でした。

布裂きとほつれの始末・糸掛け・織りを工程別に体験した参加者は、熱心に作業に没頭されていました。その後は、初対面の住民同士の会話も弾み、楽しいひと時になりました。

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テクノ仮設住宅でのワークショップ(2018年11月19日)順子先生の指導の様子

 

木山仮設住宅でのワークショップ 

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木山仮設住宅でのワークショップ(2018年6月12日)

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木山仮設住宅でのワークショップ(2018年6月12日)

 

全国被災地語り部国際シンポジウムin熊本 

2018年12月8日~9日に開催された「全国被災地語り部国際シンポジウムin熊本」では、私たちは「咲き織り」の取り組みと作品の展示を行いました。作品を見て興味を持たれた方が、購入を希望されることもありました。

木山初市の出店

2019年3月2日~3日の木山初市の出店では、「咲き織り」のワークショップの写真や、リーダー研修後に取り組んだ作品のベストやテーブルセンター、講師の方の作品なども展示しました。「咲き織り」の体験コーナーでは、中学生から高齢者の方々に、楽しく体験していただきました。

 

③咲き織りで集う

ワークショップの後、「咲き織り」に興味を持たれた方や、織機の購入を希望される方、「織ってみたい」と集会所を訪れる方がいます。「咲き織り」を通じて集う機会が増えています。

 

<現地の様子や現地の声>

「難しいと思っていたけど、自分でも織れそう。」
「織れる機会がある時は、知らせて欲しい。また参加したい。」
「着れなくなった思い出のある着物が、咲き織りで蘇らせる事ができるなんてうれしい。」
「咲き織りをしていると、時間を忘れて夢中になれる。自分の時間が持てる。夫婦喧嘩も減ったし、楽しくて元気になった。」
「着物が好きなので、とても興味がある。ぜひしてみたい。」

「咲き織り」を通じて、初対面の人とは会話が弾み、顔見知りの人であれば日頃抱えているストレスや将来への不安などを語り合う場ができています。そこでは、それぞれが考えたコツなどを伝えあったりする、活気のある空間になっています。 

 

<支援者のみなさまへ>

「熊本を復興で繋げるプロジェクト~咲き織りで紡ぐコミュニティ形成~」事業へのご支援いただき本当にありがとうございました。おかげ様で「咲き織りサロン」の素地が出来ました。

ワークショップや「咲き織りサロン」を通じた「咲き織り」の集う機会は、コミュニティを繋ぐツールとして有効であることを実感することができました。今後は、熊本地震の教訓を次世代へと語り継ぐ記憶の伝承の場としての役割りも果たしていければと考えています。

私たちは、元気な益城町への復興を目指して、明るい、笑顔の見えるコミュニティを図るために「咲き織りサロン」をまちづくりの一環として活動を続けてまいります。

ご支援をいただきましたみなさまには心より感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。 

(益城だいすきプロジェクト・きままにさまより)

 

■益城だいすきプロジェクト・きままにさまのその他の活動(facebook)はこちらからご覧いただけます。

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