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もっとずっときっと基金からの支援:災害時にいのちと尊厳を守る福祉避難所マニュアル作成研修会(一般社団法人 福祉防災コミュニティ協会)

国内の自然災害を受けた地域の復興をみなさまと一緒に応援していく「もっとずっときっと基金」より、防災・減災の取り組みへの支援を実施します。

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災害時に要配慮者を守るためのマニュアル作成と人材育成

はじめまして、一般社団法人 福祉防災コミュニティ協会の鍵屋です。
これまでの大きな災害では、直接被害が災害誘因で、その後の震災関連死の多くは、要配慮者(高齢者、障害者、乳幼児その他の特に配慮を要する者)と言われる人たちでした。そのため、災害から人のいのちを守るためには、「要配慮者の避難行動と避難生活を地域全体でサポートしていくこと」が大切であると私たちは考えています。

国は令和3年度に福祉避難所開設・運営ガイドラインを改訂し、警報レベル3「高齢者等避難」で福祉避難所を開設するよう示し、安全な早期避難を促しています。全国24,750施設(令和2年10月現在)に福祉避難所が準備されていますが、開設・運営のためのマニュアルを作成している福祉避難所は15%しかなく、また避難のための訓練を実施している施設も同様に15%ほどしかありません。

〈支援内容〉

私たちの団体では、毎年5県~7県に「福祉避難所マニュアル作成研修」を実施していますが、このペースでは災害時に要配慮者のための安全な避難場所を提供するには、まだまだ時間がかかりそうです。

そこで、本プロジェクトにより、福祉避難所の開設・運営を担う福祉施設や、特別支援学校の関係者を集めて、「福祉避難所マニュアルの作成研修」を実施することで、幅広くこの活動を推進していきたいと考えています。

福祉施設や特別支援学校の関係者を対象にした研修会は、前期研修(3時間半)と後期研修(3時間)の2日間で行います。まずは防災や過去の災害について知ってもらい、目指す福祉避難所のあり方を理解してもらう必要があるため、前期研修では過去の災害事例を読み、気づきを確認し合うワークショップを中心に行い、終了後にはマニュアルのひな型(ワードファイル)を渡しています。

前期研修の参加者は、各施設で約1ヵ月~2ヵ月の間に素案を作り、後期研修では参加者同士の気づきを促しながら、マニュアルの更新方法や訓練の方法、地域協働の必要性などを中心に、参加施設が確実にマニュアルを作成できるようにすすめていきます。そのため研修では、充分な経験と知識のある講師が必要になります。

〈支援効果〉

福祉避難所の開設・運営を担うのは、福祉事業所や特別支援学校など日ごろから福祉のケアを提供している施設です。そこには要配慮者が集まっているため、個別の困りごとを持っているケースがあります。

現在、国の方針では、災害時に要配慮者を地域全体で支えるための個別の「避難確保計画」の作成を市町村に強く促していますが、早期に要配慮者が地域で支援を受けながら、福祉避難所や福祉避難スペースへと避難できる体制が取れることは、地域の支援者にとっても、「みんなで助かる」早期避難体制がつくられるため、地域全体の防災力向上としても期待できます。

何より、要配慮者の「いのちを守る」だけでなく、「尊厳も守る」ことを重視した個別の「避難確保計画」によって、避難先としての福祉避難所を地域全体で認知し、支えることで日常的な障がいへの理解を深め、「みんな違ってみんないい」という共生社会の実現に向けて、私たちは大きな貢献ができると確信しています。

■災害時にいのちと尊厳を守る福祉避難所マニュアル作成研修
実施場所:兵庫県(伊丹市、神戸市)、大阪府(三島地区、泉北地区)、
     奈良県(奈良市)
実施期間:令和4年10月~令和5年3月
・福祉防災コミュニティ協会さまのその他の支援活動はこちらから

活動レポートが届きましたら、みなさまにご報告させていただきます。

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