フェリシモCompany

送って、寄付して、循環させる。フェリサイクルにまつわる10のこと。

FELICYCLE つながる つづく フェリサイクル

みなさまこんにちは、フェリシモ環境コミュニケーション事務局のFukuです。

今日は、2021年1月から7月まで実施された、フェリシモの新たな取り組み「フェリサイクル」についてご紹介したいと思います。お客さまがお手もとにあるお洋服や雑貨を着払いで送っていただくことで、リサイクルと3つの団体への寄付を一緒にしていただくことができるというサステナブルなサービス。その仕組みやサービスへの思い、実施をしてみて見えてきた課題や今後の展望などを、プロジェクトを進めてきたファッション事業部・事業推進室の亀井直広さんにお聞きしました。

  • 話し手:亀井直広さん
  • 聞き手:環境コミュニケーション事務局
亀井直広さん

Q1.「フェリサイクル」をひとことで言うと、どんな取り組みですか?

お客さまのおうちに眠っている服やファッション雑貨など、「大切にされてきた思い出の品」を、よりよい社会のためのアクションに活用していただくことができるリユースプロジェクトです。環境負荷に配慮しながら、しあわせな社会づくりに繋げようという取り組みです。

まずは、2021年7月まで半年間トライしてみて、その経験をもとに、これからどう事業を展開していくのかを検討しているところです。

Q2.具体的にお聞きしたいと思います。自社で商品を企画して販売まで行うフェリシモが、なぜ今、リユースプロジェクトだったのでしょうか?

プロジェクトをともにスタートした提携リユース企業さまが「業務協力をしませんか? 」と声をかけてくださったことからはじまります。フェリシモではこれまでにもリユース事業を展開したことがありました。今、新たにリユースプロジェクトをスタートしたのは、店頭で古着を回収するアパレル企業が増えてくるなかで、通販企業としてお客さまに寄り添った形で改めてリユースに取り組み、プロジェクトとしての可能性を探ってみようという思いがあったからです。さらにこの企画を後押ししたのが、2015年に国連で採択されたSDGsです。その目標の一つに「つくる責任 つかう責任」という項目が盛り込まれています。ファッション事業を根幹とする企業として、これからは、商品をつくるだけではなくて、ものが循環するシステムを考えていかねばいけないなと思っていたタイミングだったこともあります。そこで、業務協力として何ができるのかを模索した結果、誕生したのがフェリサイクルです。

Q3.“大切にしてきた品物”を送ってくださいと呼びかけていますが、具体的にどんなものを送るといいのでしょうか?

フェリサイクルの仕組みでは、お客さまがお送りくださった品物を提携リユース企業さまが査定してくださり、その金額が全額「寄付金」となります。そして、提携リユース企業さまは、査定された品物を再販売されます。高額な商品ではなくても査定をしてくださるのが、私たちがご一緒していた提携リユース企業さまの特徴でした。なので、送っていただくものとしてはWEB上でご案内させていただいているものであればなんでもOKなのです。海外ブランド品やコレクター向けの古いフィルムカメラなど、査定額の高くなりそうなものを送っていただければ、寄付金額も増える仕組みになっています。

フェリサイクルの流れ

Q4.フェリシモが提携している3つの団体から寄付先を選べることも魅力ですね。送る側にとっては送料がかからず、使わなくなったものでチャリティーに参加できて、いいとこづくし。ほかにはどんな特徴がありますか?

3つの寄付先は、ふだんから「フェリシモ部活」やCSR活動を通じて支援をさせていただいている団体さまです。以前からそれらの活動を支援してくださっているお客さまが、フェリサイクルのコンセプトに共鳴して、さらに応援してくださるケースも多くみられました。また、お申し込み時にフェリシモにご登録いただいているお客さまであれば、お送りいただく際には提携リユース企業さまに個人情報を開示する必要がないところもポイントです。個人情報をお預かりしないので、免許証をコピーするなどの手間が省けるしプライバシーも守られます。

3つの寄付先

Q5.段ボール箱1つあれば品物を送ることができて、送料もかからないなど、送る側のメリットがたくさんありますが、半年間運営をしてみて、改善すべき課題が見えてきたのだとか?

はい。当初考えていたよりもたくさんの方に興味を持っていただき、モノをお送りいただいたことは、本当にありがたいことでした。しかし、先ほども少しお話しした「送料」をはじめ運営にかかるコストなどにおいて、一度立ち止まって再考すべき課題がみえてきたんです。

Q6.長年、ファッション事業に携わってきた亀井さんは、フェリサイクルにどんな思いを寄せているのでしょうか?

私は、ファッション事業のなかでも、商品を調達する仕事に長年携わってきました。そのなかで、お取引先さまにモノを生産していただき、仕入れて売る者の責任として、果たしてこのままモノをつくることだけを続けていていいのかという疑問が頭の片隅にありました。そしてこの度、フェリサイクルにトライしてみて、お客さまからお申し込みをいただき、改めて、お客さまの中にもモノを大切にしようという価値観が高まってきているのだなぁと感じました。ファッション産業が抱えている環境負荷などの課題に対して、すべてを瞬時に解決できるようなアクションを起こすことはむずかしいかもしれませんが、まずは「実際にできること」としてこのようなサービスづくりに取り組みました。お客さまからご反応をいただき、モノが循環しはじめたことで、廃棄物が減り環境負荷を下げることに繋がっているのではないかと思いますし、そこに、フェリサイクルを行う意義を感じています。

フェリサイクルについて語る亀井さん

Q7.アイデア段階からリリースまで、少し時間がかかったと聞きました。そのプロセスで亀井さんがドキドキしたポイントは?

リリースするまでは「本当に品物を送っていただけるのだろうか? 」という不安がありました。けれど、コロナ禍での「お片づけ」の流行もあったのか、想像していた以上にたくさんのお客さまがお申し込みをしてくださったことに驚きました。

また、コストを減らして省エネ状態で運営しているプロジェクトだからこそ、関わっている人たちの誰かにちょっとでも負担が生じるようなことがあれば、長く続けることができないなというところも、ドキドキするポイントではありました。

Q8.ちなみに、省エネで運営しているということですが、どんな人員体制で運営しているんですか?

企画の立ち上げ当初は、私の所属するファッション事業部以外からも社内のさまざまな分野のエキスパートたちが参画し、とにかくいろいろなアイデアをふくらませていきました。それを徐々に、現実可能なものに落とし込み、今の形に落ち着きました。コアメンバーは私を含めて3名ですが、お客さま対応の部門や協力してくださる提携企業さまの存在があってこそ成り立つプロジェクトです。

コアメンバーでのミーティング風景

Q9.亀井さんが目指す、フェリサイクルの理想像はどんなものですか?

今回、フェリサイクルを実行するにあたり、まずはフェリシモのお客さまに告知をさせていただいたんです。そうすると、しばらくフェリシモを利用されていなかったけれど、久しぶりにお申し込みをしてくださったというお客さまがいらっしゃって。さらにその後、フェリシモでお買い物をしてくださった方も多かったんです。お部屋を片づけて気分がすっきりして、また新たなお気に入りを選んでご購入いただき、それを大事に着用してもらえたら……それはとてもうれしいです! これこそ私が目指していた循環です。“よりよい社会のためのアクション”を行いつつも、「自分の好きな服、似合う服を探して着て楽しむ!」ことに繋げていく循環をつくっていきたいと思っています。

Q10.最後に一言、お願いします!

品物を送ってくださったお客さまから、荷物と一緒に寄付先さまへお手紙を添えていただくこともありました。半年間続けてみて、本当に感謝の気持ちしかありません!フェリシモはどの事業も「ともにしあわせになるしあわせ」を大切にしています。フェリサイクルは、モノもお客さまのお気持ちも循環しているプロジェクトだなぁと感じている日々です。現在はいったん事業を休止していますが、これから皆さんと一緒に育てていくプロジェクトだと思っています! 例えば、期間限定のイベントなど、仕組みそのものをもっと違った形で展開できないかと模索しているところです。これからもフェリサイクルをよろしくお願いいたします。

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コメント

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コメント

  • わーちゃん より:

    今迄古着でワクチンに送っていたのですが、フェリシモに送ってみようと思ったら、休止になっていたので、送料は送る側の、負担にされたらいいと思いますが!

    • フェリシモカンパニーサイト担当 より:

      わーちゃんさま

      フェリサイクルに関して、コメントをいただきましてありがとうございます。
      また、ご送付をご検討くださり、重ねてお礼申し上げます。
      しかし、我々の力不足もあり「休止」となってしまっており申し訳ございません。

      フェリシモではこれからもサステナビリティへの取り組みを模索して参ります。
      また、その際には、わーちゃんさまのご意見も参考にさせていただけたらと思います。

      引き続きよろしくお願いいたします。

      フェリシモ環境コミュニケーション事務局

  • vesper より:

    半年間の試みだったんですね・・。冬に向けてダウンやコート類をお送りしようと準備していたところでした。残念です。
    送料は送る側が負担でも良いのかな?と思います。物流コストは目に見えませんがきちんと運んでいただくためにお金がかかることを送る側も理解しなければと思います。
    デフレになって長いです。物が安くて当たり前の時代になりました。物を製造するにはたくさんのお金と人が関わってきます。それなのに安いのは何か理由があるからです。
    リサイクルをきちんとするためには働いてくださった方に正当な報酬が払われなければ、正常な循環はできないと思います。
    健全な経営をするためには心ある人からきちんとお金はいただかなければ・・・。このような試みがまた始まることを心待ちにしております。

    • フェリシモ社会文化活動担当 より:

      vesperさま

      「フェリサイクル」に関する記事をご覧いただき、ありがとうございます。
      また、冬に向かってこちらのプロジェクトにご協力いただくためにご準備をいただいていたにもかかわらず、
      我々の力不足のためにお送りいただくことができずに申し訳ございませんでした。
      今回、vesperさまのように「循環型リサイクル」に関して、ご理解のある方から温かい応援のコメントをいただき心強く思っております。
      今後もフェリシモとして「持続可能なものづくり」への取り組みを続け、新たな取り組みも模索していけたらと思っております。
      引き続き応援をしていただけるとうれしいです。これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

      フェリシモ環境コミュニケーション事務局

  • yukko(^^) より:

    フェリサイクルを始めた背景や、実施してみてのお話が知れて良かったです。
    これからのお買い物先の選択は、リサイクルを実施しているところを条件にするようになりそうです。
    問題点をクリアして、ぜひ再開してください。

    • フェリシモ社会文化活動担当 より:

      yukko(^^)さま

      「フェリサイクル」に関する記事をご覧いただき、ありがとうございます。
      フェリシモとして「持続可能なものづくり」への取り組みを続けてまいります。
      引き続き応援していただけるとうれしいです。これからもよろしくお願いいたします!

      フェリシモ環境コミュニケーション事務局

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