
―フェリシモの商品・サービス企画の根底にあるサステナビリティ・ストーリー―
事業性、独創性、社会性が重なり合い生み出される、フェリシモならではの商品やサービス。この連載では「社会性」にフォーカスし、プロジェクト担当者たちの想いをお伝えしています。
今回ご紹介しているのは、フェリシモが運営を手がける兵庫県公式オンラインショップ「ひょうごッシモ」。
前編では、兵庫県の事業者や産品と生活者をつなぐための商品紹介や、事業者と一緒に「伝え方」を考える取り組みについて伺いました。
後編では、オンラインショップを飛び出し、地域へ足を運ぶようになった富川さんと宮前さんの体験から、フェリシモがこの事業を担う意義と、その先に描いている「兵庫愛」の広がりに迫ります。
話し手:富川隆稔さん、宮前輝明さん
聞き手:フェリシモしあわせ共創事務局
フェリシモが持つリソースを最大限に発揮して
フェリシモが自治体と取り組む地域事業は、ひょうごッシモだけではありません。その背景には、通販会社として長年培ってきた経験があります。
宮前:カタログをはじめ、Webサイトなどのオリジナルメディアをつくることもできますし、商品を企画することも、お客さまに届ける物流のノウハウもある。フェリシモが持っているものを最大限活用しているからこそ、自治体のニーズに応えていけるのだと思っています。
ひとつは、商品の背景や作り手の思いを、写真や言葉にして届けてきたメディアの力。もうひとつは、通販事業で培ってきた物流や販売の仕組み。そして、近年は自治体や地域との事業も広がり、地域の人や事業者と新しい取り組みを行う機会も増えています。

ひょうごッシモでは、その3つの経験を最大限に発揮。商品ページでは事業者の言葉を生かして魅力を伝え、必要な表示や品質面を整え、商品を全国へ届ける。イベントでは、事業者同士やお客さまとの新しい接点も生まれています。
こうした機能を横断して動かしているのが、富川さんと宮前さんです。
富川さんは商品企画や取引先との関係づくり、新規事業などを経験し、宮前さんはBtoBの新規事業や物流業務に長く携わってきました。
異なるキャリアを持つ二人が知見を持ち寄りながら、ひょうごッシモの運営を支え、伝える、売る、届ける、つなぐ。
フェリシモが蓄積してきた力を、地域のためにアレンジしながら活用しています。
休日には趣味でプチ旅へ。仕事を通じて芽生えた「兵庫愛」
長年この地に暮らすお二人ですが、兵庫の歴史的・風土的な特徴の学びを深めるきっかけになったのは、ひょうごッシモだったといいます。
宮前:週末になると、事業者さまのお店を中心に、「今日はこのエリアに行ってみようか」とプライベートでも出かけるようになりました。マップ上に、お気に入りのポイントがどんどん増えている感じです。
龍野の城下町や播磨のお菓子、佐用町のひまわり畑。北へ向かえば香美町まで。休日にも県内を巡り、土地の魅力を感じる時間を過ごすことが習慣になりつつあるのだそう。

富川:週末など、仕事だけじゃなくプライベートでも「もっと知りたい、兵庫県っておもしろいな」と思える。それが、この仕事をしていて一番楽しいところです。
事業者さまや地域をもっと知りたいという気持ちもさることながら、お二人とも、純粋に兵庫を楽しんでいるようです。
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売るために地域を知るはずが、自分自身がその土地を好きになっていく。その体験を、今度はお客さまにも届けたい。お客さまと商品との出会いが「今度ここへ行ってみよう」というきっかけになり、兵庫の地図にお気に入りが増えていくことを、二人は思い描いています。

ひょうごッシモならではの地域コミュニティを育みたい
オープンからまだ1年に満たないひょうごッシモが、現在、最も力を入れているのは、まずショップの存在をたくさんの人たちに知ってもらうことです。
富川:商品数を増やすことも大事ですが、出品していただいている事業者さんにも喜んでもらえるように、「より多くの方に知っていただくこと」「売れるサイトに育てること」を優先して取り組んでいます。
そのため、オンラインだけでなくポップアップイベントも積極的に開催しています。

して、その先に描いているのが、「兵庫愛」のある人たちが集うコミュニティづくりです。
富川:「私はこれがおすすめ」「いや、こっちもおいしいよ」って、このサイトを通じてみなさんで教え合えるような場になるとおもしろいですよね。
さらに、イベントでは事業者同士が知り合い、「一緒に何かできないか」とコラボレーションの話が生まれることもあります。
売り手と買い手という二者だけではなく、作り手同士、地域とお客さま、お客さまとお客さまの関係づくりへ。
ひょうごッシモは、兵庫を好きな人が増え、その「好き」を誰かに伝え合える場づくりを目指します。
“美しく”事業を続けていくことが、社会性につながる

フェリシモは、経営理念である「ともにしあわせになるしあわせ」の実現を目指し、事業性・独創性・社会性の3つが重なり合う領域を事業の柱としています。
取材の最後に、お二人が考える事業性・独創性・社会性についてお聞きしました。
宮前さんが、ひょうごッシモという事業において社会性として挙げたのは、兵庫県の事業者が「売り続けられる」ように支えること。
宮前:作り手さんは、つくることにはすごく心血を注いでいます。でも、つくったあとのマーケティングや販売は、十分に手が回っていないこともある。フェリシモが持っている販売の力を使って、事業者さん自身が成長し、事業を続けていける機会をつくることが、僕らにとっての社会性なのではないかと思っています。

富川:企業ですから、事業性は当然のミッションですよね。それだけではなく、独創性と社会性をどれだけ込められるか、つまり、「いかに美しいか」がフェリシモとしての存在理由ですし、腕の見せ所だと思います。
基金や寄付などのようなわかりやすい社会貢献だけでなく、事業者がきちんと利益を得て商いを続けられるように支えること、作り手の思いや商品の魅力を正しく伝えること、無理なく続いていく関係をつくること。 そうした日々の仕事や商いのあり方そのものにも、「社会性」は宿るのだとお二人はいいます。
地域に眠る魅力を見つけ、伝え、買う人につなぐ。その循環が続くほど、兵庫を知る人、好きになる人、そこで商いを続けられる人も増えていく。ひょうごッシモは、そんな「美しい商い」のかたちを、フェリシモの地元・兵庫で育んでいます。

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