フェリシモCompany

カタログは紙とインクを大量に使うメディアだから。

こんにちは。フェリシモ環境コミュニケーション事務局のFukuです。
突然ですが、みなさまフェリシモのカタログ裏表紙のすみっこにあるこのマーク、ご覧になったことはありますか?

カタログの左下にご注目
環境に配慮した印刷物です。環境負荷を低減し、リサイクルに適した紙・印刷工程を採用しています。

さて、これは具体的にはどんな印刷物であることを指しているのでしょうか?

フェリシモではまだ世の中で“環境問題”という言葉が一般的になる前から、カタログ通信販売の会社として、「環境に配慮した印刷物って何?」ということを考え続けてきました。
30年以上前から、印刷会社さまも巻き込んで、環境によくない紙やインクをなるべく使わず、少しでも商品写真の美しさと環境配慮を両立したカタログを作ろうと試行錯誤してきた歴史があります。

フェリシモでは『f.e.a.ネガティブチェックリスト』という印刷物に関する環境ガイドラインを持っています。《フェリシモグリーンカタログ基準》とも呼ばれ、印刷会社さまと契約するときに「弊社の印刷物はこのルールで制作をお願いします」とお約束を交わしています。

例えば、
「原生林を違法伐採したパルプは使ってないですよね?」
「古紙を漂白するときは塩素を使わないでください」
「インクはアロマフリーインクか大豆油インクをできるだけ使ってください」
「PPフィルムを貼り合わせた加工紙は使わないで。お客さまが古くなったカタログを資源回収に出しにくくなりますから」

これらは、私たちの企業としての社会的責任であると同時に、お客さまの代表である生活者として、“地球を汚したくない”という思いからできたルールでもあります。

30年以上前、まだインターネットも今のように普及していない時代、私たちは今よりもっとたくさんのカタログを印刷していました。紙とインクを膨大に消費することから、当時のカタログ担当者が心を痛め、印刷会社に「フェリシモ用の再生紙を別注で作ってくださいませんか?」と持ちかけたのが、このグリーンカタログ基準の始まりです。

古いカタログたち

さっそく取り組んでみたものの、最初は、古紙配合率が高すぎてグレーっぽい色の紙ができてしまい、印刷の色が沈んで、顔色の悪いモデルさんや色のくすんだ食べ物が刷り上がるなどの失敗も。そこから何度もテストを繰り返し、薄くて軽いけれど、できるだけ白くて透けない、フェリシモオリジナルの古紙配合紙ができあがったそうです。
(インターネットが盛んとなり、カタログ以外でのコミュニケーション手段も増えた現在では、そこまで大量の紙をフェリシモ1社で使うことはないため、別注で紙を漉くことはなくなりました)

そのような時代を経て、「エコ」の機運が盛り上がるようになった約20年前、再生紙だけでなく、適切に管理された植林木の利用も進み出しました。

現在では、私たちは以下のような基準でカタログの用紙選択を印刷会社にお願いしています。

【用紙は調達もとの明らかな原材料を利用する】
紙の原料となる木材パルプは、調達もとの明らかなパルプをできるだけ利用し、森林資源の保全に配慮します。「植林木パルプ」「森林認証パルプ」など産業目的で植林した森林から原材料を調達することによって、自然の森林(熱帯雨林や原生林など)の違法伐採や、無秩序な破壊を防ぎます。限りある資源を有効活用する目的から、「古紙パルプ」や「間伐材パルプ」なども原材料として積極的に利用します。

【用紙の抄造時には塩素を使用しない】
木材パルプも古紙パルプも、商業印刷に適した白色度の高い紙にするためには必ず「漂白」という工程が必要ですが、漂白剤は塩素系を使用しない「無塩素漂白パルプ」の利用を推進します。(※無塩素漂白パルプはTCF、ECFなどと呼ばれ、どちらも塩素系漂白剤の代わりに、酸素やオゾン、過酸化水素などの酸素系漂白剤を使用します。塩素系とは違って、ダイオキシンの発生や水質汚染の原因となる塩素化合物を排出しないため、環境負荷を減らすことができます)

【用紙にはリサイクルに不向きな加工をほどこさない】
金・銀などの箔押し加工やPPラミネート加工、UVコート加工などは紙のリサイクル時に障害となるという理由から、地域によっては資源として回収されない紙となるため、カタログ用紙には原則使用しないこととしています。

次に、印刷用インクです。
“環境にやさしいインク”と言われても、日常生活では産業用の印刷インクのことを考える機会なんてまずありませんから、何がよくて何がよくないのか分かりませんよね?

でも、インクにも環境負荷の高いものと低いものが存在します。印刷の専門家とも相談して、私たちは以下のような基準でインクを選択しています。

【印刷インクは安全性が高く環境負荷の低いインクを使用する】
カタログに使用する印刷インクは、原則として人体に有害な成分を含まないアロマフリーインクや、石油系溶剤を植物系溶剤に代替した、省資源にも貢献する大豆油インク、植物性インクの使用を推進します。

「アロマフリー」とは聞きなれない言葉かも知れませんが、石油系の溶剤にはシックハウス症候群や化学物質過敏症のもとになる“VOC”(揮発性有機化合物)が含まれています。それらは人体に有害なだけでなく、大気汚染の原因ともなる物質です。それらの石油系を使わない溶剤をアロマフリー溶剤と言い、植物油インクは印刷業界でもスタンダードになりつつあります。

フェリシモでは、商品の魅力を最大限に伝えるカタログづくりをとても大切にしています。どれだけインターネットが発達しても、紙のカタログには紙のカタログのよさがあり、それを必要とされる方がいて、期限が切れても大切に取っておくほど愛してくださるお客さまがいらっしゃる限り、これからもなくなることはないでしょう。

今のカタログ

昔フェリシモのカタログには「~~絵本」というなまえが付いていました。夢をつめこんだカタログは、まさしく絵本を開くようにわくわくした気持ちで見ていただきたい。だからこそ、カタログを作る過程で、見る人が悲しい気持ちになるような工程はなるべくなくしたい。何世代にも渡って、親子でフェリシモを楽しんでいただけるように、日々アップデートされる情報も取り入れながら「環境に配慮した印刷物」のあり方を、私たちはこれからも考え続けていきます。

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