ひとり暮らしの歴は長くなったのに、自炊だけはほとんどしないままアラサーになってしまった。
すっかり板についた生活なのに、ふと「このままで大丈夫かな」と不安がよぎる……。
そんな方に向けて、その不安を一緒にひもときながら、今の暮らしを無理に変えず、ほんの少し自炊に歩み寄るヒントをご紹介します。
自炊しない歴も重ねてしまった

仕事帰り、スーパーのお惣菜コーナーやコンビニの棚の前で、今日はどれにしようかと考える。ご飯だけはなんとか炊いている日もあれば、それすらパックでいいや、という日もある。
社会人になったばかりのころの右も左もわからない感じは、もうすっかり遠くなった。暮らしの形も、気づけば自分のものに。
そういえば、最後に包丁を使って料理をしたのはいつだったかな、と思いつつ、この生活は、結構心地いい。作らない分、帰ってからの時間はまるごと自分のものだし、好きなものを好きなだけ選べる。
これが自分のスタイルだと思える一方で、時々ふっと立ち止まる瞬間もありますよね。
SNSで友人のおしゃれな料理の投稿を見て、そっとアプリを閉じてしまう。「得意料理ってある?」と聞かれて、なんとなく濁してしまう。
今の暮らしは気に入っているし、別に困ってもいない。そう思いたい自分と、「このままで本当にいいのかな」とどこかで心配している自分。
どちらの思いもあるからこそ、もやもやしてしまうのかもしれません。
自炊をしてこなかったもやもや
ふだんは気にせず過ごしているのに、ふとした瞬間に顔を出す不安。その中身は、人によって少しずつ違うかもしれません。いくつか例をあげながら、一緒に整理してみましょう。
自分だけじゃない食卓が、ちょっと不安
いつかパートナーと一緒に住むことになったら。家族が増えたら。年を重ねた親と過ごす時間が増えたら。そんな場面を想像すると、「料理ができた方がよかったかもしれない」という気持ちが、じわじわと浮かんでくることがあります。
一人のうちは気らくでも、誰かと暮らせば、食卓は自分だけのものではなくなります。そんなとき、料理できない自分はちゃんとやっていけるのかな、と心もとなくなる。そんな気持ちが、不安の奥にあるのかもしれません。
「いい大人なのに」という小さな引け目
この歳になれば料理くらいできて当たり前。そんな当たり前を勝手に自分に当てはめて、できていない自分に小さくがっかりすることも。
誰かに責められたわけでもないのに、自炊しない自分がどこか中途半端に思えてきます。そんな小さな引け目の積み重ねが、もやもやの一部になっていることもあるかもしれません。
健康やお金がふと気になる
お惣菜やコンビニのご飯が続くと、ふとしたときに、「栄養、偏ってないかな」「今月、食費けっこう使ってるかも」と思うことがあります。
鏡を見て肌の調子がいまいちだと感じたり、最近なんだか疲れが抜けにくいなと思ったり。そんなとき、ふだんは気にしていないはずの食生活が、ちらっと頭をよぎることもあるかもしれません。
ほんの少し自炊に歩み寄るヒント

不安を全部消す必要はないけれど、ほんの少し自炊に近づいてみると、その気持ちが和らぐこともあります。
今の暮らしをがらりと変えず、おおらかに試せるヒントをいくつかご紹介しますね。
テンションが上がる道具や器から入ってみる
いきなり料理に向き合うのではなく、まずは「形から入る」くらいの気軽さでもいいかもしれません。
見るだけで気分が上がるフライパンや、使うのが楽しみになる器を一つ。お気に入りの道具が台所にあると、それだけで「ちょっと使ってみようかな」という気持ちが自然と湧いてくるかもしれません。
いきなり作ることを目標にしなくても大丈夫。お気に入りの道具を一つ迎えて、台所に立つ時間そのものを楽しむところから始めてみてはいかがでしょう。
友だちとゆるい料理会をしてみる
一人だとハードルが高く感じることも、誰かと一緒なら気らくにできたりしますよね。
仲のいい友だちを誘って、ゆるい料理会をしてみるのはいかがでしょう。
一人だと、やらなきゃいけない家事のように感じる料理の時間も、友だちとわいわいやれば楽しい時間になります。料理に対する「めんどくさい」が、少しだけ「悪くないかも」に変わるかもしれません。
いつものご飯をちょっと格上げしてみる
何もないところから作ろうとせず、もう手元にあるものに少しだけ手を加える。そう考えると、ハードルがすっと下がるのではないでしょうか。
レトルトカレーに、目玉焼きとほうれん草をのせてカフェ風に。買ってきたお刺身を、ご飯にのっけて海鮮丼に。のせたり添えたりするだけで、ぐっと気分が上がります。
ちょっとしたアレンジが少しずつ積み重なると、台所に立つのが前より楽しみになるかもしれません。
自炊は、選択肢のひとつでいい
そもそも自炊は、毎日きちんとやらなければいけないものではありません。作る日があってもいいし、作らない日があってもいい。それくらいの距離感で充分なのだと思います。
作れた日も、コンビニのご飯に頼った日も、どちらも同じ自分の暮らしのうち。気が向いた日だけ手を動かして、今日は無理だなと思ったらいつものお惣菜に頼る。そのくらいの気らくさでいた方が、かえって長く付き合っていけるかもしれませんね。

