
身近な社会課題をアラサー世代でおおらかに考える「やさしいフォーラム」。
第一回目のテーマは、ネット社会を生きる私たちが避けては通れない「パスワード」です。
ネット通販にサブスク、便利アプリなど。私たちが日々、魅力的なデジタルサービスを利用するためにパスワードは切っても切り離せません。
あらゆるシーンで登録を繰り返していけば、当然のようにパスワードの数はうなぎのぼり。こんなにもパスワードを抱えてしまっていますが、しっかりと管理できているかと言われたら……。
今回のやさしい人たち
タケナカ
WEB制作/26歳
たん
カタログ編集/26歳
たまご
WEB制作/30歳
ゆう
あれから編集部/34歳/今回のファシリテーター
実際に自己管理できている
パスワード数は?
ゆう: これまで登録してきたパスワードって、どれくらいあるか想像つきます?
たん: なんだかんだで50~60個は超えてるかもしれません。
タケナカ: 今の時点でその個数なら、おじいちゃん・おばあちゃんになるころには100個くらいになってそうですね……。
たまご: それはもう絶対に頭が追いつかない!
ゆう: では、その中でも実際に自己管理できているパスワードってどれくらいありますか?
たん: 覚えてる数でいえば、3〜4パターンくらいしかないです。
たまご: あ、私もまったく一緒です。
タケナカ: 最近は顔認証や自動保存機能に頼り切っているので、もはや自分で管理していると言えるのか怪しいですね。
ゆう:実は「あれから」の読者のみなさんに、Instagramで事前アンケートを取ってみたんです。

ゆう: 大半が「1〜5個」という回答でした。パスワードの記憶容量が5個くらいに対して、私たちが抱えている数は50~60個超。これはもう自己管理できているとは言い切れないですよね。
どうしてパスワードを
増やし続けてしまうのだろう?
ゆう: 自分でも「これ以上は絶対に覚えられない」と分かっているのに、どうして新しいパスワードをこうして増やし続けてしまうのでしょうか。
たん: クーポンを使うと安くなるって聞くと、キャパオーバーなことは分かりつつ、ついつい登録してしまいます。
たまご: お金で促すのはちょっとずるいですよね。でも、今の物価高な状況でやりくりするには使わないとやっていけない感はあります。
タケナカ: マイナンバーや会社で使うシステムは、自分は望んでないけど登録しないといけないパスワードも最近多い気がします。
たん: 有無を言わせない強制力がありますよね。大事な情報が詰まっている以上、強制的でも安全性を高めないといけないのはわかりますが……。
たまご: 使いたいサービスに新しく登録するときって、わくわくが勝っちゃうから、正直管理のことまで頭が回ってないかもしれません。だから、その場のノリで「適当に作っちゃってもいっか」ってなるときもあります。
たん: そういうときって、結局登録したけど使うのは一度切りっていうパターンもよくありますよね。無意識に登録したことをなかったことにしているものも、たくさんあるかもしれないです。
パスワードの主導権が離れている?
ゆう:ここまでお話を聞いていて思ったのですが、管理しきれていないけれどパスワードを増やし続けてしまうのは、単にデジタル化や安全意識の高まりだけの問題じゃない気がしてきました。
たまご:さっき話していた「クーポン」や「使いたいサービス」の話はまさにそうかも。それって企業がお客様とつながりを持ち続けたいために提供している施策ですよね。中にはつながりを持ちたい方もいるかもしれませんが、多くの人はただクーポンがほしいだけだと思うので、そこに本当のパスワードの意義があるのかは怪しい気はします。
タケナカ: 本来パスワードって、自発的に守りたいものがあってかけるものですものね。それが何かを得るために求められる構図になっているのは、なんだか自分たちからパスワードの主導権が離れてしまっているように思います。
たん: マイナンバーや会社のシステムにも同じことが言えそうですね。自分たちが望んでいるわけではないですが仕組みとして強制力があるだけに、登録‟させられてる”みたいな感覚になります。
ゆう: 主導権が自分にないと、どうしても覚える気自体が薄れそうですね。そういう心理的なネガティブ要素もあって、余計に自己管理もしづらくなっているのかもしれません。
パスワードとの
おおらかな付き合い方
ゆう:デジタル化、安全性の高まり、そして主導権離れ。そんなパスワードを増やし続けてしまう事情は、残念ながらこれからもエスカレートしていきそうです。それでも、パスワードと私たちは切っても切れない関係性。では、せっかくこれからも付き合っていくのであれば、どんな心持ちでいれば、おおらかに、心地よく過ごせるのでしょうか?
たまご:完璧に頭に覚えさせるのを諦めて、自分の容量を超えた分は「デジタルメモ」に預けてしまうのはどうでしょう。LINEの「ひとりグループ」にメモしたり、パスワード画面をスクショしたり。セキュリティ的には良くない方法なのはもちろん理解しています。でも、これから先もさらにパスワードが増えてしまう以上、少しはデジタルに頼らせてもらいたいですよね。
タケナカ:私はあえて「フィジカルな直感」で挑む方法を。使う文字の組み合わせだけ決めておいて、あとはその時々の運任せ。「違ったら最初の一文字を大文字にしてみる」などの別パターンを繰り返します。一度でログインできなくて当たり前。それくらいの心持ちでいるくらいが、今の時代にはちょうどいい気がします。
たん:私はもっと根本的に、忘れるのは悪いことじゃないと割り切って、「再発行ボタン」に100%頼る付き合い方を推したいです。再発行はいざというときのお守りですから。もし登録しているアドレスが古くて、再発行先にたどり着けなかったら、今の自分にはもう必要のないサービスだったんだなとそのまま手放してしまうのもありだと思います。
ゆう:「たまにはデジタルメモを頼る」「フィジカルな直感で挑む」「再発行をお守りにする」。自分だけでどうにかしようとせず、管理できてないこともあるよねと気楽に思うことが、これからも増え続けるパスワードとの付き合い方のヒントになりそうですね。
みなさんならどう思う?
私の場合はこんな感じ。
こう考えるとおおらかに思えるかも。
このフォーラムをきっかけに、思ったこと・考えたことをぜひ聞かせてください。
集まった意見はこの記事で随時発表していこうと思います。
一緒によりよい社会のあり方を考えていけたらうれしいです。

みなさんの意見
「あって当然と思ってましたが……」
(テミーさん)
会員サイトを作る側ですが、個人+仕事で膨大にアカウントが増えるので、パスワード管理ツールにもはや一任してます。
作る側として、個人情報を守るためにあって当然と思ってましたが、今一度考え直した方が良いのかなと思いました。
