タイプ1:たぬき 信楽焼のたぬきは「金運」「開運」「勝負運」「商売繁盛」などのご利益があると言われています。
タイプ2:ふくろう ふくろうは「不苦労」とも言われる幸運を呼ぶ鳥。首が360度近く回ることから、先を見通すとも言われています。
タイプ3:かえる 昔からかえるは「お金が還る」「無事に帰る」「若返る」と言われ、縁起のよいモチーフとされています。
手に乗る小ぶりなサイズ。
もとは、火鉢や傘立、植木鉢など、暮らしに寄り添う大きな焼物を得意としている産地、滋賀の「信楽」。その信楽にある窯元で、この動物の焼物は作られています。今回、そのものづくりの秘密を探りに、窯元に訪問取材してきました。信楽の駅を降りると、まず現れる大きなたぬき。よく見ると電話ボックス(笑)。
歩いていると、街中にたぬきがたくさん。お店の玄関先などに飾られている、たぬきやかえるの置物の歴史は古く、信楽の地で100年も前から作られているそう。現在では、たぬきの置物を作っている窯元は、大小合わせて数ヵ所しか残っていないようです。
このたぬきの置物は、ひとつひとつ職人の手作り。まずは、たぬきの形に彫られた型に、素材の土(泥)を流し込むところから始まります。流し込んだ土の水分を型が吸うことで、外側から固まっていきます。ある程度固まったところで、中の泥を出して型を外すと、たぬきの形が出来上がっています。そのため、底には穴が空いており、中は空洞になっています。
型から取り出したあとは、一定時間乾燥をします。ずらっと並んでいるのがすでにかわいい。
次に色をつける工程に取りかかります。色はまず、目に黒い釉薬(ガラス質のうわぐすり)を塗ります。そのあと、スプレーガンで釉薬を全体に吹き付けていきます。そうすると、表面に表面に釉薬がかかったたぬきが完成します。※写真のたぬきは商品のたぬきではありません
乾燥した後、ひとつひとつ手作業で余分な突起を取りのぞいていきます。
その後、電気式の窯の中に入れ、約1200度の高温でゆっくり24時間ほどかけて焼いていきます。熱を加えることで表面に塗った釉薬が溶け、ガラス質の綺麗な色に変化します。焼きあがった後は、ゆっくり熱が冷めるのを待ち、300度ほどまで温度が下がった後に窯をオープン。
すると……
かわいい青いたぬきたちが顔を出しました! ずらっと並んで、とてもかわいい表情。見れば見るほど愛着がわいてきます。
この信楽の動物たちは、インテリアとしてリビングや玄関はもちろん、ガーデニングを楽しんでいる方はグリーンと一緒に並べるのもおすすめです。長い歴史と職人の技術が詰まった、みんなに愛される信楽焼の動物の焼物。ぜひお楽しみください。