「手描きで誰かに気持ちを届けたい」が原点 栗田正美さんインタビュー

「絵手紙のいろはレッスン」監修 栗田正美さんに、絵手紙の世界に足を踏み入れたきっかけをお聞きしました。三児のママとして忙しい日々の中でも、「自分の好き」をとことん楽しむ栗田さんのチャーミングなお人柄と、色彩豊かな暮らしに、きっとあなたも誰かに絵手紙を贈りたくなるかも

    カラー筆ペンでのお絵かきとの出会い


    栗田さんがこれまでに描いた作品たち

    2020年の夏からカラー筆ペンでお絵かきを始めてちょうど2年になりました(2022年7月現在)。始まりは、筆文字に興味を持ったことがきっかけです。

    2020年春、家族で帰国してから一年が経ち(中国の深センに帯同しておりました)、新しい場所での生活にも慣れ、末娘も年長にあがり、少し子育てやおうちのことが落ち着いたことで、自分のことを考えるようになりました。

    「私も何か趣味や習いごとを見つけたいな、何か始めたいな」という気持ちがあり、もともと幼少期に習っていた書道の教室を探していたところ、ネットで「筆文字」というおもしろそうなモノを知り、興味が湧きました。

    早速、筆ペンを買い、ネットや本を参考に見よう見まねで筆文字を練習。初めて購入したのは、ぺんてるの「アートブラッシュⓇ」のブラックでした。完成した誕生日カードや言葉を書いたギフトカードは、照れくさいながらも、友人や知人にプレゼントしていました。

    そうしているうちに、黒一色だけでなく、やさしい印象の色彩で書いた文字や、ちょっとした絵(お花を一輪など)も描けるようになったら素敵だなと思うようになり、カラー筆ペンのブラウン、ピンク、スカイブルーと続けて購入したのを覚えています。


    栗田さん初期の作品

    同じタイミングで「 インスタグラム も始めてみよう」と思いたち、いろいろと見ていたところ、偶然目にとまったカラー筆ペンのお絵かき作品に一目惚れしたんです。すごく素敵でやさしい絵にハッとしました。むなかた みゆきさんの「筆いろあそび」との出会いです。当時、通信講座でお絵かきレッスンをされていたので、 申し込みを決意!約半年、受講させていただきました。もう楽しくてワクワクして癒やされて……。毎日、描きたくて描きたくて、お絵かきを楽しむ日々となりました。


    栗田さんのご自宅。机の上には愛用のスケッチブックやトレイなどお絵かきセット。

    「手描きで誰かに気持ちを届けたい」が原点

    お絵かき講座を習い始めてからは絵のレパートリーが少しずつ出てきたので、季節の便りをハガキに書いて家族や友人に出して楽しむようになりました。 暑中見舞いや残暑見舞い、祖母には敬老の日のカード、秋のお便り、クリスマス、家族や友人の誕生日カードなど、いろいろ描いて贈って楽しみました。

    振り返ると、今に至るまでずっと、「手描きで相手に気持ちを贈りたいな、届けたいな」という気持ちがあるように思います。


    栗田さんのオリジナル作品(季節のお便り)

    好きからつながった書籍化にびっくり!

    講座を終えても、学んだことを応用したり素敵なイラストをいろいろ見たり、水彩イラストの本や色えんぴつの本で学んだりと、いろいろなお絵かきの刺激を受けるようにしていました。暮らしの中でもお絵かきスイッチばかりが入っていて、モノや景色の見方が、お絵かきにしたらどうかとか、こう描いたらおもしろそうとか、そんなことばかり考えていました(笑)。楽しいことだから。

    そんなとき、たまたま出版社の方がインスタグラムの投稿を見つけてくださり、共著で書籍を出版することになりました。それが『カラー筆ペンで楽しむはじめての絵手紙』(朝日新聞出版)です。

    お絵かきをはじめて一年も経っていないときでしたので、著者になるとはまったく思ってもいませんでした。たまたま見つけてくださり、感謝しかないです。まさか私がーーー!! 間違いでしょ! と驚きしかなかったです。


    栗田さんのオリジナル作品(季節のお便り)

    愛用の道具「アートブラッシュⓇ」だから描ける美しさ

    はじめて購入したのがアートブラッシュⓇだったのもありますが、むなかた みゆきさんのお絵かき講座もアートブラッシュⓇを使用していたので、日々使っていくうちにアートブラッシュⓇが愛用品になったという感じです。

    今ではトンボ鉛筆のABTや呉竹の顔彩耽美、透明水彩絵の具などもちょこちょこと使いますが、お絵かきを楽しむバリエーションは、アートブラッシュⓇがいちばんおもしろいのではないかと感じます。

    いちばんの推しポイントは ”インクののび”がとてもよいこと ですね。筆ペンで描いた線や点から水筆を使ってのばすのですが、すごくよくのびるんです。少量のインクでもよく広がります。 私みたいに水筆をよく使い水彩のように描く場合は、ほんとに少しのインクでお絵かきできちゃうほどです。

    また、絵手紙のいろはレッスンの6ヵ月目で学ぶ「アネモネ」や「パンジー」など、 繊細な濃淡を楽しむにはインクの広がり・のびが重要 なのですが、 こういったことはほかの筆ペンではうまくできません。そして、水性染料インクの鮮やかな発色と透明感がほかのものより高く感じます。 色をぼかしたりグラデーションをつくったりするのにも最適です。


    左からアネモネ、パンジー。アートブラッシュⓇと水筆で描くことで繊細さと透明感が表現できる。

    最後に、筆先は描き心地のよい「毛筆タイプ」というのもポイントです。 私は筆文字も好きなので、文字を書くときは毛筆タイプが好みです。また、インクの部分がカー トリッジ式というのも推しポイントで(私はいつもカートリッジを交換して使用しています)、 今持っている本体は2年以上経ちますが、丈夫なので同じものをずっと愛用していますね!(笑)

    絵手紙のいろはレッスンを始めようか迷っている方へ

    気持ちを伝えるメッセージを家族や友人、身近な人へ贈り、笑顔をもらうとやっぱりうれしいですよね。 私も、母の誕生日や母の日、季節の手紙などを贈っていますが、「正美の絵は優しくていいね、気持ちがあたたかくなるね」と言ってくれるのがうれしいです。

    友人のお子ちゃんの誕生日に贈ったポエムカードや絵手紙なんかも、みんな喜んでくれて、そして、ずっと大切に飾ってくれていると聞くと、ほ~んと嬉しいです。

    新しい趣味を始めてみたいな、気持ちを伝えるメッセージを楽しく描いてみたいな、という方は、ぜひ「 カラー筆ペンで描く絵心いらずの素敵な1枚 絵手紙のいろはを楽しむレッスン 」の世界でぜひ楽しんでみてください。栗田さん監修のもと、簡単にかわいく楽しく学べるテキストと道具をお届けします。


    プロフィール
    筆ペンアーティスト
    栗田 正美(くりた まさみ)さん

    子どもの頃からのどかな景色や緑、自然に慣れ親しむ。「あたたかく心地よいお絵かき」を大切にし、日々、色のにじみを楽し みながら作品を制作。書道の経験も生かし、各種ギフトカード、オーダー作品の制作も行っている。2021年11月に共著『カラー筆ペンで楽しむはじめての絵手紙』(朝日新聞出版)を出版。

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