- 2008年、フェリシモと増田さんの出会いから「おはなしのたからばこプロジェクト」発足。
- 2009年、お客さまへのプレゼントとしてミニ版30巻が完成し、続いてより絵の迫力を重視し、新作3巻を加えてワイド愛蔵版を書店販売用に発刊。
- 2010年、荒井良二さんを招いてフェリシモエスパスホール(神戸)で読み聞かせ講演。
- 2011年、震災をうけ、「おはなしのたからばこ」に参加いただいた作家さんが各地で公演などを開始。「東北を元気にしたい!」という新田さんとフェリシモの想いが「こどもスマイルミュージカル」を開催。
- 2012年、名取(閉上)、気仙沼大島、南三陸で3回のミュージカル、そしてこの想いを未来に伝える絵本作りがスタート!
『おはなしのたからばこ』のはじまり
「いつもフェリシモを楽しんでいただいているお客さまといっしょに、何かをつくりたい」と考えていたフェリシモと、「子どもの本専門店メリーゴーランド」店主の増田喜昭さんとの出会いから誕生した『おはなしのたからばこ』。みなさんのよく知る物語が、現代作家とアーティストのコラボレーションによって30の新しい「ものがたり」として生まれかわりました。小さな絵本でありながら、作家さんたちが真剣に1ページずつ「言葉」や「絵」に込めた想い。そして作品の一つ一つを「読む」体験をしたみんなの想いが重なって、次に子どもたちに読む時、あなたならではの「読み聞かせ」として、更に新しいものがたりを作ってほしい。そんな、ほかでは絶対に体験することのできない絵本全集が完成しました。
大人のものでもない、子どものものでもない絵本
増田さんはおっしゃいます。「『絵本』といえば子どものもの、そんな価値観をなくしたい!」と。それは『絵本』が、大人は大人、子どもは子ども、それぞれの感じ方ができるものということ。この『おはなしのたからばこ』全集は、大人も子どもも楽しめる、懐かしくて新しい絵本なのです。「文字を読むだけじゃない、感じる絵本をつくりたいんだ」(増田さん)。「あたらしい昔話」とでもいえそうなこの絵本は、「文と絵の組み合わせで、ストーリーが展開する」という基本ルールからどんどん飛び出した作品ばかり。
作家やアーティストがコラボレート(すごいんです!)
このプロジェクトの主旨に賛同してくれた作家とアーティストは40名。江國香織さん、あべ弘士さん、いしいしんじさん、荒井良二さん……おなまえを挙げだすときりがないほど著名な作家やアーティストがこのプロジェクトに参加されています。これは増田さんのネットワークによるもの。個性的な作品を生み出している作家やアーティストのコラボレートも、大きな見どころ。読み手の予想を心地よく裏切ってくれる、コラボレーションならではの化学変化を最後まで楽しめます。
大好評におこたえしてワイド愛蔵版が発刊&書店発売決定!
毎月プレゼントとして2008年5月よりお届けした『おはなしのたからばこ』は、大好評のうちに2009年2月、プレゼントを終了。みなさまから多くの反響をいただき、うれしいお声やご要望、購入したいというリクエストも多数寄せられました。そして作家さんからも「本当によい作品ができたので、ぜひ原画に込めた思いを、原画サイズの本でみんなに楽しんでほしい」といった熱い想いが届きました。そんなみなさまと作家さんの想いにおこたえし、さらにうれしい新作絵本3巻を加えて誕生したのが「おはなしのたからばこ ワイド愛蔵版 全33巻」なのです。
人気の本屋「メリーゴーランド」と店主・増田さんって?
三重県四日市市松本町にたたずむ一軒の本屋さん。それが「子どもの本専門店メリーゴーランド」。増田喜昭さんが32年前に実家のビルの一階にオープン。開店当初は赤字続きで経営も苦しかったそうですが、「その人となりができあがってしまう10歳までに、子どもに大きな影響を与える本というものにかかわりたい」という思いから、地元の人たちを相手に地道に努力を続けた結果、全国にファンができるほどの本屋さんに成長。今では、喫茶店や多目的ホールでの紙芝居、ライブ、作家を招いての講演会など、町の本屋さんという枠組みを軽く飛び越えたユニークな本屋さんとして注目を集めています。増田さんの熱意とまわりを巻き込むポジティブパワーは相当で、今回のプロジェクトのミーティングでも「あんなこともこんなこともできる、したい、する!」といった具合。たくさんの方に愛される本屋さんになったのもうなずけます。
本コーナー・雑貨コーナー・カフェがあり、紙芝居の会が開かれたり、ちいさな子どもたちが靴を脱いで遊べるコーナーなど、子どもたちはもちろん、大人の好奇心もくすぐるハッピーなお店です。
PROFILE
増田 喜昭
YOSHIAKI MASUDA
通称「ひげのおっさん」。学校や幼稚園から「本を読みにきてほしい」と電話が入ると、いそいそと出かけてしまう、そんなひょうきんなおっさんなんだそう。「30年以上メリーゴーランドを続けてこられたことに対する恩返し」として、最近では地元の神社などでイベントを開催しています。近著は『子どもの本屋はメリー・メリーゴーランド』(晶文社)。メリーゴーランドや子どもたちに対する思いや愛に溢れた文章が綴られています。
http://www.merry-go-round.co.jp